神奈川県の上場不動産会社、エルクリエイトが自己破産を申請してしまいました。もはや誰が悪いということではなく、サブプライム問題に端を発し、これがかなりの連鎖で続いていく恐ろしさがあります。
エルクリエイト破産申請上場の不動産会社半数に
ジャスダック上場の不動産開発会社「エルクリエイト」(横浜市西区、岡田勇二社長)は2日、東京地裁に自己破産を申請した。負債総額は約60億6000万円。「ランドコム」も負債総額約309億円で9月29日に民事再生法の適用を申請したばかり。6月下旬にも、建設不動産会社「スルガコーポレーション」が民事再生法の適用を申請しており、県内の上場不動産会社は6社から3社へと半減した。
今年に入って、不動産業界では、金融機関の不動産向けの融資厳格化によって資金繰りに行き詰まる業者が急増している。エルクリエイトでは不動産販売が伸び悩んだ上、金融機関からの融資が受けられずに運転資金が確保できなくなったという。9月末には、財務諸表を見直すとして定時株主総会を前日になって延期する事態に陥っていた。
エルクリエイトは1997年創業し、2001年からエルズブランドの家族向けマンション分譲などで業績を伸ばした。ランドコム同様、みなとみらい地区の超高層ビル、ランドマークタワーに本社を構え、不動産ブームの追い風を受けていた。だが、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題から始まった金融不安や建築資材の高騰などで経営環境が急速に悪化したという。8月に発表した08年6月期決算では、売上高は25億円(前期比59・1%減)、税引き後利益は19億円の赤字に転落した。
不動産業界に詳しいアナリストは「根底には米国の金融不安がある。外国人投資家が引き揚げ、金融機関も融資に慎重だ。今後も資金調達に行き詰まるケースが出る」とみている。
2008年10月3日読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20081003-OYT8T00178.htm