●毎日新聞その他の報道、IRによると、スマイルサービス(東京都新宿区西新宿)の利用者で家賃滞納をしただけで鍵を無断に替えられてしまうという苦情は多く発生していた。ついに消費者問題にまで発生してしまった。この度、該当賃借人がやむを得ず東京地方裁判所へスマイルサービスを相手取り損害賠償請求を求めて提訴した。
スマイルサービスでの賃借人も最近検討されていたという、リプラスの賃貸保証のレントゴーに加入することによって、そのようなやり過ぎた賃貸管理に歯止めがかかるはずであったのだが、残念なことにこの度のリプラスの破産によって、その家賃回収の正当なノウハウを受けることによって改善を図ることもできなくなってしまった。
通常の賃貸借契約であると、初期費用として、敷金と礼金というものが家賃に対してそれぞれ1から2か月、かかる。例えば、通常の賃貸借であると、1カ月の家賃が5万円の物件を借りる場合、敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、前家賃1ヶ月、仲介手数料1ヶ月で合計6ヶ月分かかる。したがって、合計30万円の初期費用がかかる。
ところが、このゼロゼロ物件(スマイルサービスに限らず)を利用すると敷金と礼金の4ヶ月分の初期費用がかからないから仲介手数料1ヶ月と前家賃1ヶ月分などで済むようになり、そのほかに雑費として火災保険・保証料なども考えても約10から15万円程度の通常契約の半分の初期費用で済むこととなり、フリーターなど高額な初期費用を準備できない人たちの間で入居しやすいサービスであった。
しかし、このサービスには、少々カラクリがあり、敷金や礼金がかからない分、定期的に払う家賃にその分を2年に掛けて、分割して上乗せしていることにより結果的には、2年目の賃貸借契約更新時には、それまで通常支払う総額よりやや高めになる傾向で設定してある。またこのサービスを利用するときの条件上乗せて、2年間の契約のうち途中解約すると、解約時期に応じた、違約金を払うような契約となっていることが多い。そのようなシステムによりこの賃貸運営が成り立っていることとなる。
スマイルサービスの場合、さらに家賃滞納の際のペナルティーに今回訴えられているような条項ある様子で、家賃が遅れるのはいけないことで制裁は仕方がないけど、あまりにもひどい仕打ちではないか。ということでの提訴ということのようだ。
(以下毎日新聞より)
ゼロゼロ物件 入居者が「生活侵害」訴え会社提訴 東京
10月8日17時27分配信 毎日新聞
敷金ゼロ、礼金ゼロをうたい文句にした「ゼロゼロ物件」のアパート入居者らが8日、鍵を無断で交換されるなど生活の平穏を侵害されたとして、運営会社に損害賠償を求めて東京地裁に提訴。原告の細坂達矢さん(23)=右=と土田政彦さん(29)が会見した=2008年10月8日、銭場裕司撮影
敷金ゼロ、礼金ゼロ、仲介料ゼロをうたい文句にした「ゼロゼロ物件」のアパート入居者ら5人が8日、無断で鍵を交換されるなど生活の平穏を著しく侵害されたとして、不動産会社「スマイルサービス」(東京都新宿区)を相手取り、計約1190万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。
ゼロゼロ物件で居住者らが提訴 原告の記者会見
訴えによると、5人は06〜08年に都内の物件に入居したが、同社は利用料の支払いがわずかでも遅れると無断で鍵を交換したり、2万円を超える違約金と施設再利用料を徴収した。部屋に無断侵入し、荷物を撤去したケースもあったという。
ゼロゼロ物件は低所得者が契約するケースが多く、「貧困ビジネス」の一つと呼ばれる。同社は、借主が保護される借地借家法に基づかず、「施設付鍵利用契約」と称する特殊な契約を結び、支払いが確認できない場合は施設を利用できないとする承諾書を取っていた。
こうした契約について宇都宮健児弁護団長は「実態は借家であり、認められない。生活困窮や法的無知につけ込んで違法な利益を上げる悪質商法だ」と主張。鍵を14回交換された土田政彦さん(29)は「蓄えがなくアパートを出るに出られなかった。勝手に入られて家に住んでいる気がせず、今でも精神的なショックの後遺症が残っている」と話している。【銭場裕司】
▽スマイルサービスの話 係争中のためコメントは控えたい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081008-00000015-maip-soci
(毎日.jp/2008/10/8)
(2008/10/9→2008/10/8)