●言うまでもありませんが、大学生(新卒)の就職内定率が70%を低下するという異常事態となっています。
就職氷河期というのはここ数年つづいているものでしたが、今の経済情勢をみてもとても深刻なじょうきょうとなっています。
今年卒業する人たちは特に浪人もないというのであれば1989年に生まれた人となり、この年は「平成元年」という年でした。この時期は竹下登内閣で、消費税が平成元年4月に3%でしたが施行された年でした。
その2年程前に「ブラックマンデー」という株価大暴落があったものの、なんとか持ち越してバブルの絶頂期といわれる時代でした。当時の新卒者は何十社と内定を受ける人も少なくなく、就職も「買い手市場」と言われるころでした。
今はそれとうって替わって、このような内定率。学生が「選り好み」をしなければ就職ができるのは事実ですが、「大企業」にこだわるのも無理はないところです。
ではなぜ、「大企業」にこだわるのでしょうか。それは、いつくかありますが、最もいえるのは「生涯賃金」になります。
仮に今年22歳で卒業して大企業に入った人は(特に経済状況や会社の事情がかわらなければ)30歳となる7年後の月の賃金は約30万円、しかし中小企業(資本金1億円未満)の場合30歳の賃金は25万円ともいわれており、実際これ以下となることも少なくありません。そうなると、生涯賃金は大企業で定年迄勤務の3億5千万だったら、中小企業では2億7千万円と7千万円の開きがあるほどです。
話はそれますが、プロゴルファーの石川遼 選手は20歳前でこれまでの獲得収入が4億円ということで、仮に今後「労働」という事を行わなくても充分生涯暮らせるという計算になります。
さらに中小企業は倒産や経営破綻の可能性の確率も大企業に比べたら高いです。
そうなると、将来の違いから「今、こだわって」も無駄は決してなく、だれもが必至です。
企業と学生との雇用目論見のミスマッチともいえますが、それは仕方のないことです。
ただ、「安定」を考えるのではなく、チャレンジして自分で舵をとってやっていきたいという人は、大企業にこだわらなくても、むしろ中小企業の方がその裁量は発揮されるかと思います。必ずしも大企業を超える生涯賃金を獲得できる可能性があるわけではないですが、ちょっとしたブレイクや成長によって勝ち取れる可能性は少なくありません。ただし、それなりの努力は必要です。
あともうひとつ気をつけたいのは、「急成長」している会社には一応気をつけた方がよろしいかと思います。急成長してるときは経営の本質が見えなくなってきており、何か無理がある部分もとても多いです。
就職と投資と考えてみるのは少々無礼な話となりますが、考え方や本質は同じです。
その後