●焼肉えびすが、今月末を目標に「精算」ということになりました。
この精算は裁判所を通さない「任意整理」という方法でおこなうとのことです。おそらく、被害弁済や一般の債権者などすべての債務となるべき負債と、現存する資産を見比べて、完全に精算できるだろうという目論見なのかもしれません。一見裁判所を通さない倒産処理なので、一見穏便に見える方法なのですが、よくみると資産が7億(不動産投資なども含めて)で負債が10億(再就職するかと思いますが雇用していた人の労働債権も含めて)・となっているので、当然3億は誰かが泣かなけれななりません。さらに、この事件で人の命が何人か落とされているので、その補填は通常自動車事故で過失死傷した時の余世の生涯賃金などの見積もりを考えても数億円となってもおかしくありません。したがって、裁判(民事訴訟)に発展する可能性も充分あります。
仮に自己破産を申請して、破産手続き開始決定となると、当然、その民事訴訟はできなくなります。破産前であれば、破産手続き開始決定になっても、その被告は「破産管財人(主に弁護士)」が受け継ぐことになるので、会社の残余財産においてより突っ込んだ賠償を求めることができるかと思います。
このブログは「リプラス情報収集組合」なので、リプラスを例にとらせていただきますが、リプラスの場合、3年近く前の2008年9月迄は会社の継続を(表上かもしれませんが)試みていましたが、もう継続はできないということで、民事再生を飛び越して、自己破産を東京地裁に申請いたしました。そしてすぐに破産手続き開始決定がなされて破産管財人が就きました。さらにその代表であった姜裕文 氏も、自己破産の申請をして開始決定となりました。そうなると、損害を受けた人の被害回復の大きな手段である民事訴訟はそれによりできなくなってしまいます。訴訟をしている時は中断となり破産管財人が受け継ぐということになります。一般債権者でも会社の残余財産を分け合うしかないのでとても厳しい状況になりますので、当然、債権者への支払いをしたあとの残余財産を分け合うという「株主」の損害賠償は絶望的となります。同様にその代表に賠償を向けても既に自己破産しているため、法人の破産同様、その賠償を訴訟で求めることはできなくなってしまいます。仮に債権届けというもので、個人の債権者集会にそれを求めても、個人の破産処理は、法人の処理と違って、「金の流れ」を残さないことが通常であるため、言い方は悪いですが、お金を隠すことが容易となります。そのようなことで表上、破産管財人がつかんでいる資産も極少額となっていることも少なくありません。
話は脱線しましたが、今気がかりなのは、亡くなった方への補償がこの会社がしっかりできるのかどうかということです。補償は金銭的なものでしか解決できないものですが、そのあたりをどうするかということです。