第1回無担保社債(私募債)発行のお知らせ〜株式会社Casa(カーサ)
http://www.casa-inc.co.jp/pdf/20110704_osirase_sibosai.pdf
破産者株式会社リプラスのホームページが先月(2011.6.30)で終了し、もうリプラスと言える精算活動は終了しています。
破産してから約2年と9ヶ月が立ちました。また、当時の事業内容の一部であった滞納家賃保証の分野である株式会社レントゴー保証(現在は 株式会社Casa)も株式会社デジタルチェックが事業を譲り受け(スポンサー)順調に推移しているという状態です。会社法や破産法などの法律の観点からすれば、リプラスの賃貸保証事業というのは、消滅とみなしているのですが、実務上を考えると、その運用システムは健在に残っているということになります。リプラスの株主や債権者からすると腸綿が煮え繰り返っても当然の事です。
さて、社債を発行するということは、ある一定の財務内容がしっかりしていないと発行できません。という事になります。社債には、3つの種類があり、@普通社債 A転換社債 B新株引き受け権付社債の3つがあり、AやBは株式と絡んでおり何らかの条件で株式に替えられるということです。ここでは@に相当します。
また普通社債の中でも、通常発行債、電力社債、NTT社債と一般事業債に別れていて、ここでも通常発行債にあたるのかと思います。電力社債やNTT債は公共性の高いものとして特別視されていますが、電力社債(特に東京電力)に関しては、株式よりは優先して債権が与えられますが、この福島第一原発の処理を受けて、間格付けが「投資的確」から「投機的」に変更され正直先行きは不安なものです。
さらに、社債でも公募債と私募債がありここでは、その名の通り私募債ということですが、公募債だと、証券会社などを通じ一般の投資家からも資金を集めるのですから、当然格付け機関のお墨付きを得るなど、私募債よりは厳しい条件が課せられています。一方私募債は、金融機関や特定の人、縁故でお世話になっている人などを対象にするので、条件的には緩やかになっています。
それで、社債を発行するということはどういうメリットがあるのかといいますと、まず、前述の通りの段階を踏んで発行するのだから、当然「財務内容がいい会社ですよ」と大声で(ニュースリリースなどしかないのでしょうが)言えることです。特に上場していない会社にとっては、副産物となりますがアピールできる点だと思います。
もう一つは税金面などで優遇されていることと、銀行からの直接借入などよりも実質的な借入コストの負担が減ることが上げれます。それについづいして、債券の期間や利率なども発行側(ここでは、株式会社Casa)の自由な設定で行えますので、大変資金の調達がしやすい方法ともいえます。また、株式増資で資金を調達する場合は、経営が乗っ取られるなどの危険性もあったり、投資家としては、株主であるから、倒産したときは最も最後の「債権者」となる危険性もあるということなどから、双方のメリットを考えると社債発行ということにたどり着くのです。
先日不動産投資はもちろんのこと、破産者や民事再生・過払い金請求も扱う業務の「ミレ二アム司法書士法人」・資金を貸し付ける武富士・ロプロ(旧 日栄)・SFCG(旧 商工ファンド)が破綻したり、リプラスも同じですが、本来「債権債務事務」に従事する企業なのだから、自動車保険や生命保険会社同様「倒産してはならない企業」が倒産するという事態が発生しています。
今回の株式会社Casa(カーサ)もその責任を他の企業より一層重視することになるのですが、今後の日本の景気の牽引役のひとつの会社として健全に成長していって欲しいものです。転職や再就職される方・司法試験や司法書士試験を目指している方もその後の就職に関してはもこういった財務状況はしっかりとつかむべきです。