●今、「ワーキングプア」という人が増大しているのがやはり社会問題となっていることがひしひしと感じます。
例えば時給1000円のアルバイトを1日8時間で週5日という普通の会社員と同じ働き方で考えた収入は次のようになります。
1000円/h×8×20(月20日労働と考えます)×12ヶ月=年収192万円(16万円/月)
つまり1000円の時給で1年間正社員と同様に働いても年収は200万円に届かないという計算になります。
これでも一人暮らしで月5万円のアパートを借りて妻子がいない場合を考えればなんとかなるのかもしれませんが、貯蓄もろくにできず、将来への不安は当然隠しきれないのが実情でしょう。
ところでこの辺で少し安心しているのは、武富士・アイフル・アコム・プロミス・レイクなどの過払い金で話題になっている消費者金融への考え方を厳しく受け止めている点です。消費者金融(サラ金)やクレジット会社の存在というのは、それに携わる「大きな雇用」も生まれ、消費を拡大させ結局のところ「お金」の大きな流れが産まれるのだから、日本の経済の活性化にとっては必要にはなってきます。しかし、本当の生活を考えれば「借金」に頼る生活というものは意味をなさず、将来へのリスクを背負って生きるものです。まして過払い金で本来不要な利息を支払う(過払い金)という高利息が加われば生活の困窮に拍車をかけるのが実情です。
逆にアパート収入を得ているオーナーについて見てみても、祖先代々から受け継いだ土地であるだけに、そのままにしておくと「固定資産税」だけで多額にもっていかれるので、「借金」(不動産投資ローンなど)をして、アパートを経営しているという人も少なくありません。だから空室や家賃滞納者など増やしてしまうとそれだけオーナーのローン返済にも大きなリスクが生じます。だからといって、この現状で家賃を値上げするのも市場価格や借地借家法の規定などで容易ではありません。
今「コストダウン」ということで、どの世界にも「経費節減」がなされていますが、その節減の最も最たるものが人件費の削減です。企業は当然利潤を産むのを最たる目的ですし、不採算の事をわざわざする企業もいるわけないのですから、正規従業員を転職や再就職させて、アルバイトでできるものはアルバイトにという事に置き換えてしまうのは、必然的になってしまいます。
国家の大胆な政策や企業の倫理でその負のスパイラルをなんとか絶たない限り、アルバイト員を増やしてしまう「ワーキングプア」が一層増える危機を感じます。だから今、アメリカのアポロ計画や宇宙開発が少なくなった分何かに公共事業(例えは悪いですが中国の高速鉄道)や設備投資などの大プロジェクトをつくっていかなければならないのです。皮肉ですが今東日本大震災があり、その復興を急務としています。復興に「ボランティア」という概念も悪くはないのですが、それよりも国が雇用ということでそのボランディアではなく対価を支払って行うのも将来に向かった経済政策を考えれば必要なのではないでしょうか。
ニュース元・資料