●最近、被害に関係している人から示された内容なのですが、
安愚楽牧場での取引価格(オーナーへの募集価格)が本来の牛の相場なら、1頭50万円のところ、その10倍の価格の1頭500万円として取引していることは日経電子版でも指摘されていました。
1頭の牛に対する出資価格が10倍の価格の500万円というのは一体なぜなのか?ということを考えると次ぎのような費用を勘案しているものと考えられます。
(あくまでもザックリと勝手推測した例です)
1頭の牛の原価 50万円 (残りは450万円)
1頭の餌代(5年分)100万円 (残りは350万円)
1頭にかける従業員の労務工賃(5年分) 10万円 (残りは340万円)
1頭にかかる施設の費用按分(5年分) 5万円 (残りは335万円)
1頭の売買等に関する輸送や事務費(5年分) 5万円 (残りは330万円)
1頭当たりの利益 330万円 (残りは0円)
実際にはどのような配分になっているのか、どのくらいの費用がかかっているのか、どのくらいの利益がかかっているのかとういうことはわかりませんし、あくまでも上記は勝手に推測したものなので、あくまでも例となります。
しかし、実勢価格の10倍の設定をしているということと、8月1日の公式倒産の時に600億の負債が、簿外債務だったオーナーへの負債が4200億円(全負債の約97%)という、オーナーの負債が100%近いという異常な負債占有率を考えれば、上記のような配分は考えられるかもしれません。
10倍の値段に設定しているということは、その中に「費用」や「利益」を大きく計上できることとなり、特に上記の費用の勘案(あくまでも推測の例にすぎませんが)より、利益(中間マージン)の取得をその和牛募集のところどころで行なっていたのではないかと勘ぐりたくなります。
実際にオーナーの出資した額と、10倍設定された価格においての存在する牛がイコールという想定を考えれば、牛の飼育などの「実務」の部分は当然しっかりと存在はしているものの、牛の費用とは関係ない「利益」の部分の「だぶついた資金」は牛にかこつけた「マネーゲーム」のような存在(それに失敗すると安愚楽牧場被害となりオーナー資金は毀損し急な補填が必要に)になっていた可能性の部分も推測されます。
またその利益(ここでは例で330万円)となっていますが、それはどこに行ったのかというと、会社そのものの利益の他に(もしかしたら)不動産投資などに回ったり、利息分の配当に回ったり、果ては元本の返還にしようされたり、しているのではないかという事も考えられてしまうのです。
このような10倍価格の設定での財務内容も、しっかりとした「ひも付け」(つまり、出資した人のお金がどの牛であるのか、労務工賃やその他の費用をしっかりと因果関係を付けておく)をしていれば、公認会計士の監査もできるようになりますが、なんせ牛が途中で死傷したりと複雑な事に成りやすく、その過程でしっかりとした公認会計士の監査をしたとすれば、「債務超過」や「意見不表明」などを言い渡されることにもなるし、マネーゲームの結果が判明してしまうので、今回のような「財務内容」としている可能性があります。
実際の財務内容を精査しているので最新情報や真の姿はわかりませんが、このような仮説も有り得ます。
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