AIJ投資顧問は、「投資顧問会社」という部類に入る会社で、投資に関してあれこれ指示をしたりすることが仕事です。
そこで、今回のAIJ投資顧問の行っていたことは、「年金」の運用となります。
ご存じの方も多いかと思いますが、年金は国民が入らなければならない義務のもので、ある一定年齢(65歳など)を過ぎれば、定期的に支給され、基本的に本人が死亡するまで支給されます(配偶者や18歳未満の子息等がいる場合は引き継ぎ継続されます)。この基本的なものが「国民年金」といわれるものでこれがビルの建物でいうと1階に相当する部分です。
そして、それだけだと支給が多い人でも70万(月に6万円〜7万円)という形なので、もう少し多く支給するために、その上の階層である(ビルの2階部分に相当する)ものが「厚生年金」「共済年金」と言われるもので前者の場合は企業に適用され、後者は公務員や学校法人などの公的な機関に従事する人の上乗せ年金に相当します。
そしてさらに「上乗せ」のものがあり、それがビルの建物でいえば3階に相当しますが、これが、「厚生年金基金」などと言われるものであり、「厚生年金」が公的機関(日本年金機構)が運用するものでありましたが、その層(「厚生年金基金」)になると民間の金融機関が運用することが許されております。それは、主に銀行や信託銀行などがおこなっていましたが、最近の規制緩和で「投資顧問会社」が関わることができるようになりました。
今回問題となったのは、その「年金の3階建て部分」と言われる「厚生年金基金」の部分です。
以前は当ブログで「九州石油厚生年金基金」が大きな損失を出したことでそれを取りあつかっていたりそなグループに対して損害賠償請求訴訟(民事裁判)が発生した事をとりあげたことがあります(2011年1月)
今回の問題について、詳細な部分はここでまだわからないのですが、企業から「年金」となる資金を「信託銀行」が受託(受付窓口)となって、その資金を投資顧問会社が投資の指南(もしくは運用)をするというのがオーソドックスな形です。
そうなると、資金をどのような形で運用して、その結果どうなったかという報告を信託銀行なりにしていきます。そして、投資してくだた企業に対して報告をしていきます。
その報告が「デタラメ」なのではないか、ということでそれを監督する「証券取引等監視委員会」が調査を始めたということです。正直なところ、この「運用方法」が実際と異なるものであっても「儲かって利益が出ていれば」利益を還元すればいいだけのことになりますので(本当はいけないことですが)このような問題は発生しなかったのかと思いますが、大きく損失を下上にしかもその運用が「嘘」であるから「大問題」に発展しているということです。
ある質問で、最近経営破綻した「安愚楽牧場」とこの「AIJ投資顧問」の詐欺性(犯罪性)が類似しているのにどうして、捜査機関や公的機関の動きに違い(「AIJ投資顧問」は早いのに「安愚楽牧場」はのらりくらり)があるのかという話が持ち上がっています。
その違いは、「法律の枠組み」の違いとなります。
AIJ投資顧問の場合は「金融商品取引法」という枠組みに規制されており、それに明らかに違反やその可能性が高いということであり、監督官庁も金融庁と監視体制がしっかりしているから当然何かあった時には動きが早いのが当然です。
しかし、「安愚楽牧場」の方は監督体制のある「金融商品取引法」の枠組みではなく、「預託法」という別のもの(弱いといわれる監督体制)に縛られてるということだけなので、何か不測の事態があっても(金額的には大きな金額でも)その結末(倒産)があることも想定しているため、外観だけで直ちに違法性をしてきすることや検査に取り掛かることが難しくなっているため、こういった「公的機関」の動きに早い遅いの違いがあるということになります。
もちろん安愚楽牧場に関してはこれだけ法律に縛りがいまいちというところもあるため、「裏の人脈」が入り込む余地は十分にあります。でもその「裏の人脈」はあるところまで「しゃぶりつくしてしまった」後は「あとはよろしくね!」でそこ(「安愚楽牧場」)をさっさとあとかたもなく(証拠を残さないように)去ってしまうのが定石ともいえます。
ですから法律の枠組みの規制が緩やかなものに関しては「しゃぶりつくす」人物が寄ってたかる可能性が充分にあることを認識してください。
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ニュース元・資料
posted by 管理人B at 14:28| 東京 ☀|
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