安愚楽牧場に対する刑事事件の立件も少しずつ進んでいるようですが、現実的なアクションは理屈上「破産管財人」が財務内容を精査した上での事になるのが通常です。
ですから、具体的な「強制捜査」が入るのも、やはり早くても「債権者集会」(第一回財産状況報告集会)が行われた後になります。
そのためにも、債権者(被害者)が捜査機関(警察)に足を運んでいくことが必要となります。「誰かがやってくれるだろう」という「他力本願」では、誰も行わなくなってしまいます。それにより警察の取り組み方・(安愚楽牧場に関する)予算の付け方が自然と違ってくるからです。
ところで、今回の報道では、「債権を買い取る」という話が出てきているのですが、債権を買い取るには、それだけの「魅力」が無ければ買い取る意味がありません。
安愚楽牧場の和牛オーナー制度の場合は、どうでしょうか。
(例題)
100万円のコースに出資して、その後倒産(破産)という事になりました。
現在の予想配当率(破産配当)は0.5%とかそれ以下とも言われています。(それも実際のところ蓋を開けてみなければわかりません)
従って、最終的に破産手続きにおいて、配当を受け取れるのは、
100万円×0.5%=5,000円 という事になり、
100万円の債権を高くても5,000円での買い取りとなるのが普通です。
「高くても」というのは、この買取に色々な事務経費・営業経費がかかっていることと、買い取るに当たり「利益」も見込まなければならいので、実際には500円〜1,000円程度 でも債権の買い取りは高いのではないかと思います。
配当率が0(ゼロ)となることは今のところ考えられないので、100万円に対して1円の債権買い取り額の値段は付けられるかと思います。
このように考えると、それを買い取るような事は相当の抱き合わせを見込まなくてはなりません。
(例題以上)
東電への賠償請求・元社長個人への請求・国家賠償という可能性もありますが、
第3者の立場に立って考えてみると、この債権の買い取りは、現実的には相当に難しい事が考えられます。
この「債権買取」に、騙される人は、その部分の理屈や理論を把握していない人が多いので、今からでも少しずつでも、安愚楽牧場被害について、自ら考えていくことで、その「2次被害」は防げるのではないかと思います。
騙される人は1度だけではありません。2度・3度と繰り返される事が少なくありません。
そういった被害を防ぐためにも自ら他力本願をせず、「理論武装」をすることが必要です。
その他にも、こういった被害に「宗教」が入り込む事も充分に考えられます。
宗教は、あくまでも「自分自戒」のためにあるものと考えるべきであって、「他力本願」を排除すべきです。
この水を飲めば「債権が回収できる」そんな触れこみも多く出てくるかもしれません。宗教で自分自身の希望をかなえようという「他力本願」の考え方は避けるべきです。
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