半導体製造装置メーカーの大畠製作所が、民事再生手続き廃止という事になり「破産」へと移行することになったようです。
それ以前に他の従業員を雇用したいという「逆指名」のような雇用もあり、負債だけとなった処での破産ということになっています。
半導体関係はこの企業に限らず、先に会社更生法手続きとなった「エルピ―ダメモリ」や集積回路などで経営困難となっている「ルネサスエレクトロニクス」も含めて、大小様々な規模の企業が非常に苦戦しています。
もう、日本の半導体関連企業は、技術力及びコスト面で世界で戦えなくなってしまっているのが本当の原因です。
そこで半導体関連企業をはじめ、電気機器メーカーやその他製造業は、どのように凌いでいるのかというと、やはり「人件費の大幅削減」です。でも今の労働慣習では、現在の「正社員」(一度入社すると定年迄雇用が継続されるという前提で採用された従業員)を簡単にクビ(解雇)にすることは難しいのが現状です。
企業によっては、肩たたきや嫌がらせ退職をさせているところもあるのですが、それよりも、「欠員」があった部署に「派遣社員」もしくは「アルバイト」というものを配置したり、新入社員を「契約社員」で採用するという方法でコスト削減を行なってる企業も多くなってきています。
では、そのコスト削減はどこにツケがまわっているかというと、やはり働く被雇用者(つまり労働者)にきているということなのです。
契約社員や派遣社員は本来の正社員の年収の半分とも言われており、その半分はどこにいっているかというと雇用企業のところや、派遣元である派遣会社がその費用を授かっています。
日本の景気が良くならない限り、どうしてもそういった労働体系が益々浸透する恐れが充分にあります。
大畠製作所破産手続きへ・・・地裁岩国、民事再生手続き廃止決定
6月に山口地裁岩国支部に民事再生法の適用を申請した柳井市の半導体製造装置メーカー「大畠製作所」が、同支部から再生手続きの廃止決定を受けていたことがわかった。決定は5日付。
読売新聞の取材に対し、同社の保全管理人の弁護士が明らかにした。今後、約1か月間の異議申し立て期間などを経て、破産手続きに入ると見られる。
同社は2008年秋のリーマン・ショックを機に業績が低迷し、経営が破綻。民事再生法のもとで再建を目指していたが、事業継続のめどが立たなくなったとして、8月31日付で全従業員89人を解雇していた。
元従業員については、地元のハローワークに、県内外の機械メーカーなど約20社から「雇用したい」との申し出が寄せられている。
(2012年9月9日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20120908-OYT8T01082.htm
「ぜひ我が社へ」解雇従業員に採用申し入れ殺到
経営難に陥った山口県柳井市の半導体製造装置メーカー「大畠製作所」が8月31日付で全従業員89人を解雇したところ、同社の元従業員を指定し、「雇用したい」という申し入れが地元のハローワークに相次いでいる。
求人企業は5日までに19社に上り、再就職を支援するハローワーク柳井は「これほど集中するのは珍しい」と驚いている。
大畠製作所は1946年設立。県内の中堅企業で、機械部品から半導体製造装置に事業を拡大し、2007年1月期には約38億円の売上高があった。しかし、08年のリーマン・ショックを機に需要が落ち込み、経営が悪化。今年6月、山口地裁岩国支部に民事再生法の適用を申請し、再建を目指したが、「事業継続の見通しがたたない」として全従業員を解雇した。
ハローワークに相次いでいるのは、求人条件を特定の企業出身者などに限定する「指名求人」。19社は山口、広島両県の機械メーカーで、大畠製作所の取引会社や関係職種の企業が多い。半数近くが採用人数を示し、それぞれ2〜十数人を雇用する意向という。
ハローワーク柳井の山下宣孝所長は「大畠製作所の商品の品質や、長年もの作りに携わってきた従業員の技術が高く評価されている証しでは」と分析。今月中旬までに求人情報をまとめ、再就職希望者に提供するという。
(2012年9月7日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20120907-OYT8T00297.htm?from=popin
posted by 管理人B at 23:35| 東京 ☀|
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