「行政書士」とは、権利義務の書類を業として代行する職業です。その昔、行政書士の職業の呼称を「代書人」、弁護士の事を「代言人(だいげんにん)」と言われていました。つまり行政書士は「お金をもらって、権利義務の書類を業として行う」職業というか資格となっています。
「行政書士」の資格を取得するには、行政書士国家試験に合格するか、行政事務の公務員を高校卒業後17年従事したとかということで得られます。それ以外の取得方法はありません。
但し、税理士・弁理士・公認会計士などの資格を持っている場合はその資格を流用して「行政書士」の登録をすることができます。また行政書士の資格を持っているだけでは「行政書士」の仕事をすることはできず、「行政書士の登録」をしなければ、「違法」になります。
さらに行政書士の登録して活動するには、登録料などが必要になってきます。それがあってはじめて「行政書士」としての活動ができるのです。同様に弁護士・弁理士・税理士・公認会計士なども同様の方法で活動が合法的にできるのです。
ですから、「行政書士」を名乗っている以上、「お金」がかかっているのです。
そして「行政書士」の仕事をする以上、登録料をはじめ、必要経費の捻出はもちろん、それで「飯」を食っていかなければなりません。
では「行政書士」がどういう仕事をしているのかというと、身近な主なものとして、運転免許証の書類の記載の代行(新規取得や更新など)、自家用車の登録の届出、警察への車庫証明の届出やその証明書の発行をはじめ、古物商の申請・風俗営業の警察への届出、飲食店の保健所への届出、その他、役所への公的な届出の書類の記載の代行など、数えてみると非常にやることが多いものです。けれども、前述のをみても「自分でできる」というものもかなりあり、行政書士に頼らなくてもいいものも少なくありません。
ですから、単に「行政書士」の資格を取得して、それ「だけ」で飯を食っていこうというのは、かなりの至難の業といえるのかもしれません。その上、「行政書士の資格」は他の隣接する法律の仕事をみても比較的容易に取得できるとも言われています。
そのため、「行政書士」単独ではなく他の資格「社会保険労務士」「司法書士」などを併せて取得して同時に行っている人も少なくありません。
前置きが長くなりましたが、今回全国初の「行政書士法人」の倒産となった「セントレッグ」は、「車庫証明」の取得が主な業務だったらしいのですが、本業とは違う業務、つまり「第二分野」(第二ステージ)という活動が足を引っ張ってしまったということです。それは何なのかはわからないのですが、不動産なのか、そういったところで失敗していると考えられます。
行政書士「法人」を運営するくらいですから、当然他に類を見ない本業に「強み」があったのか、それとも本業以外の第二分野の儲けが「法人」の運営をささえていたのかわかりませんが、通常の行政書士の仕事ではあまり考えられない「多額の借入」をやっていたところになにかの胡散臭さを感じるところです。
特に行政書士や弁護士に言えることなのですが、資格の取得は業務のほんの「入口」にすぎず、開業後資格取得だけでは学べなかったことを大量に「実務」として身につけなくてはなりません。今後行政書士や弁護士が強くなっていくには、同業他者ではできないことをやるということが生き残っていく秘訣と必然的になります。
一昨年も同じ名古屋(名古屋市東区)で「ミレニアム司法書士法人」が2億の負債を抱えて倒産(破産)したのが記憶にあたらしいです。
2011年07月02日
ミレニアム司法書士法人:破産、負債2億3000万円 /愛知〜過払い金返還等の業務にはあまり積極できではなかったのか
http://re-plus.seesaa.net/article/212925800.html(2011/7/2/リプラス情報収集組合)
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