インプラント(デンタルインプラント)の治療を行っている歯科「シティデンタルクリニック」(福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目)が7億円を超える負債を抱えて倒産(破産)となりました。
そこで問題となったのは、治療に関して多額の前払い金(100万円等)を払っていながら治療を殆ど行われていないなど、未治療や未完成で放置されてしまっている患者が多数出てきているということです。
当ブログで多くお付き合いをされている方には言うまでもありませんが、その事業者(法人・個人)が破産となってしまうと、直接取り立てを請求したり、裁判を起こすこともできなくなってしまい、その事業者を新たに清算のために引き次ぐ「破産管財人」に対して、法律に則った届出をすることしかできなくなってしまうというのが現状です。
その歯科の患者さんの中で「ピ〜ン」と来ていた人の中には、破産前に、支払金額を「全額」取り戻している人もいたのかもしれません。でもここまで来てしまうと、もう「裏口回収」も難しくなってきてしまいます。
この記事だけでは詳細はわかりませんが、取締役等の経営者においては個人の破産をしていない場合は、「善管注意義務違反」などで、会社の倒産(破産)への責任を追及することができます。
こうなって(シティデンタルクリニックの破産)しまった場合は、もう債権者(患者)個人では、どうにもならないことが多々あります。そこで、同じ境遇の人があつまって被害回復を試みる「被害者の会」というサークルをつくることが、その被害回復の早道なることが少なくありません。
今回の事件の場合、債権者(患者)の誰かが「被害者の会」(サークル;「シティデンタルクリニック被害者の会」)を立ち上げて、同じ境遇の患者に呼び掛けているというところとなります。それにより被害回復を図ろうとしているところです。
そしてその被害者の会が軌道に乗り出すところで、当然いろいろな壁にぶち当たります。
まずは「法律行為」の問題。この場合、もっとも手っ取り早いのが、顧問の弁護士をつけて行う事。これにより難題の部分も弁護士にある程度任せることができます。多額の委任費用も賛同する患者(債権者)を多く集めることにより安く済ませることも可能となってきます。
次に「役務負担」の問題。これはこの被害者の会を立ち上げたり、募集活動をするのに、費用も当然かかることながら、その役務を行う時間が膨大にかかります。下手すると、主宰したものにおいては、自身の被害額より労役に費やした時間で得られたであろう収入の方が大きくなることも充分あり得ます。加入者の中で話し合って、活動資金の寄付(カンパ)や年会費のようなものを設定する方法もありますが、加入者の中には「タダで何かしてもらおう」とう人もいたり、金額の折り合いが合わなかったりと、この「活動資金の捻出」がとても難しい点です。
法的な倒産処理(破産)ということですので、債権者(お金を払いっぱなしもしくは、治療を完了していない患者)と思われる方は債権届(破産債権)を破産管財人に提出することにより、その歯科に残っている財産を公平に分配してもらう権利を有することができますので、それをすることにより、支出した何割もしくは何パーセントかの配当を受け取ることができます。
ですから「被害者の会」に賛同や加入しなくても、この権利は届を出すことによって確保ができます。しかしそれだけだとそれ以上のアクションは起こせず微々たる破産配当をもらって終わりとなります。
こういった倒産(破産)のケースの場合、「戻り(支出した金額の)」はどうなるのか気になるところですが、誰も正確な金額及びその概算までも予測することは不可能です。ただ今までのケースを考えてみると、よくて(支出額の)半分、最悪の場合は1%〜20%と言う所です。これが仮に「破産」ではなく、「民事再生」ということであれば支出額の半分が戻ることも少なくありません。今回は「破産」なので「民事再生」をしようとする気力も資産もないのですから、半分も戻ることは「稀」といってもいいかと思います。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 13:42| 東京 ☀|
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消費者問題
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