NHK(日本放送協会)の平均賃金が高いことを国会で指摘されているらしく、そのことで、2013年度から職員らの給与を1割削減するということです。
NHKはご存じの方も多いかと思いますが、テレビ放送会社の一つで、「公共放送」(こうきょうほうそう)と呼ばれるものの一つで正式な名称は「財団法人日本放送協会」という名称となっています。これだとテレビの企業としては堅苦しいのでその頭文字をとってNHK(Nihon Hoso Kyokai)という成り立ちということです。正式名称をローマ字表記に直して、その頭文字をとるというシンプルな略称をとっています。通常企業は正式名称を英語の表記に直して、その頭文字をとるのが普通なのですが、このNHKは日本語をそのまま頭文字に充てたという何ともユニークなネーミングとなっています。
でも「NHK」と言って、テレビとは違うものと連想する人は少ないかと思います。それだけNHKは国民の生活に根付いているということです。
けれどもNHKは先に「公共放送」とお伝えしたように、あくまでも「みなさんとともに実施する放送」ということなので、他の英国のような「国営放送」ではないのです。ですから、NHKの職員は「公務員」でもないですし、税金からの運用でもありません。
では、その運営費はどうやって捻出しているのかといえば、当然、ガスや電気などの「公共料金」とともにNHKも視聴者から集めたお金で運営しているのです。
それでは、どうやってNHKの視聴者を認定しているかといえば、基本的には視聴者からの申し出になります。NHKの視聴者から集める費用を「受信料(じゅしんりょう)」と呼ばれています。
しかし、その受信料の支払い義務は、NHKを見ているか見ていないかではなく、テレビ放送を受信できる受像機(つまり「テレビ」)が設置されいつでもみれる状態であるかどうかという事を、NHKの受信料の支払い義務としています。さらにそのことは、法律でも規定され、放送法第34条でテレビ放送を受信できる受像機を設置している者は、日本放送協会に受信料をしはらわなければならないという旨の条文をも設けてあります。
ですから、その義務はテレビが箱から出してあっていつでもボタンを押せば見れる状態であれば、その義務は成立するので、
次のような方でも支払いは義務となります。
・NHKは一切見ないがフジテレビなら見る。
・テレビはみてないけど設置だけはしてある。
でも以下の内容の方は、NHKに受信料を支払う義務はなくなります。
・テレビは箱に入っていてみていなけど、NHKのラジオは聞きます。
こういった内容が放送法第34条だと、納得をしていない人も多々存在するかと思います。
そのまま「支払って下さい」という呼びかけで、法律にも罰則規定がないと支払いをしない人も当然存在するので、NHKの方でも訪問契約などを積極的に行うようになります。そのための職員の給与も当然、視聴者からの受信料から成り立っています。
現在と30年前や20年前と比較すると「テレビ」の国民としての存在は圧倒的に小さくなっています。1995年頃のインターネットの急速な普及に伴い、テレビを見ない人も一層存在しています。
そのため、NHKの歳入(受信料)はかつてより大幅に減少するため、何らかの固定費用を削らなくてはならないことになります。
通常、経費の削減(リストラ)は色々な物や設備投資を行った上で最後は人件費に手をつけるのですが、NHKの場合は、その過程があったのかはわかりませんが、労働組合もが「しぶしぶ」だとおもいますが、給与の削減(今回は1割減)に合意をしています。
日本の労働の慣例では、基本的な賃金が少なくなるという事は許されないこととなっています。但し「合意すれば」話は別なのですが、そうやすやすと「合意する」はずはありません。
ということは、NHKはそれだけ財源が苦しい状態となっています。テレビはNHKだけではなく、民間の放送もNHKに負けずに活動をしています。でも民間の放送はCMなどのスポンサーがあって成り立つものなので、そのスポンサーやそのテレビ放送会社の株主に不利となる報道は例え事実であってもやりずらくなってきます。現に民間のテレビ放送は勿論のこと新聞社もそいう傾向は今でも顕著です。
それでは、NHKは「公共性が高い」のだからいっそのこと「受信料」ということではなく「税金」から捻出して「国営放送」にしたらいいのではないかという話もでてくるのですが、そうなると今度は「国」(行政や立法府)そして、与党政権よりの放送となってしまうため、それらに不利と言える報道はやりずらくなってしまいます。
ですからテレビにおいてはNHKは「国営放送」「民間放送」ではなく、「公共放送」として独立した重要な役割を果たしていることになります。
そのためにはNHKもいまより信頼性の高く、質の高い放送サービスを提供するのがより必要になってきます。国民からの信頼を得ることそれが今のNHKには最大の課題かと思います。やはりNHKの存在は重要です。
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