弁護士は、営利目的で法律関連の支援やサービスを提供できる唯一の職業といえます。勿論他の法律と照らし合わせれば、限定的ではありますが、司法書士や行政書士などそれらの職業も同様です。
特に弁護士しかできない大きな業務は、現行法では140万円を超える金額の民事訴訟の「代理人」と刑事事件の被疑者及び起訴後の被告人に対する「弁護人」ということになります。他にも法的な倒産処理における、破産管財人も弁護士に限定された独占業務ともいえます。
あと弁護士の業務は、司法試験に「合格」したり、その後の「司法研修」を終了するだけでは、「弁護士」の業務をすることはできず、からなず各地都道府県にある弁護士会へ「登録」して業務を実施しなければ、弁護士としてみとめられません。
ですから、同類の「法曹」ともいえる、裁判官や検察官においては、弁護士と同じ能力をもっていたとしても「弁護士」の登録をしていないため弁護士の業務をやることは違法になります。
それから弁護士の重要な役割は法律の知識に乏しい一般市民に対し法律の知識を緊急に授けたり、本人に変わって代行(代理行為)したり、本人を守る(弁護する行為)ことです。特に「本人を守る」という「弁護人」としての行為は、刑事裁判においての弁護になるわけですが、本人の主張(例えば自分は無罪であることなど)の他に、仮に本人が「有罪」を認めていても、弁護人が本人のとは違う判断で独自で「無罪」だということを主張する事も可能となっています。逆に、本人が無罪を主張しているのに、弁護人が有罪を主張するのは違反です。
その他弁護人としての注意事項は、本人(被告人)に嘘を言うよう要求することも禁止されています。
さて、今回の事件は弁護士が犯人と見られるものを「積極的に」逃がした疑いが掛けられているということで「犯人隠避(はんにんいんぴ)」という刑法第103条の罪で逮捕されたということです。
刑法で規定されている条文(およびその他の規定から)からこの犯人というのは、罰金刑以上の形に相当する罪を犯したものとされているので、罰則のある条文(刑法にかぎらず)で最高刑が「罰金以上」という容疑がかけられているものもしくは容疑に値する者を取り締まるということになります。
したがって今回の場合、脅迫をした部下(刑法第222条〜脅迫の罪〜生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。)は懲役2年で罰金刑以上の刑なので、その人を匿ったり、遠くへ逃走経路を施して逃がした場合は、この罪(刑法第103条〜犯人隠避・犯人蔵匿の罪)にあたるという訳です。
そして、弁護士がどこまでの行為が許されるかといえば、裁判において被告人や被疑者の行為を嘘であっても代弁できることや弁護士が独自で無罪と判断して主張することができるということなので、顧問弁護士がその部下において実際にあって「法律の知識(特に犯人隠避のための)」を緊急に授ける(レクチャーする)ことは許される範囲で、逃走したいという事の相談を受けたり、逃走を消極的に見届けるようなことは可能ですが、弁護士自ら、逃走経路を施して逃走資金を貸与するようなことは、弁護士の範囲を逸脱しているということで、逮捕に踏み切ったということになります。
これらの件に限らず弁護士も少なからず、金に目がくらんでいることなのか、「反社会的な」勢力に手を貸しているところもしばしばみられます。しかも元検察官(ヤメ検)も少なくありません。やはりこういったことは弁護士とは言え人間として、毅然とした対応をしていかなければならないかと思われます。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 18:25| 東京 ☀|
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