石川県加賀市にある温泉旅館である「山中プリンスホテル」が破産手続き開始決定となりました。負債総額は約3億円ともいわれています。
敗因は近年多く発生している震災の影響が尾を引いているということです。
しかし、気になるのは、そのホテルをバックアップしている会社が、会社の福利厚生事業で有名な「紀州鉄道」という会社で出資も100%ということですから、実質的に「紀州鉄道」の一事業所と言っても過言ではありません。
「紀州鉄道」とは、その名の通り「鉄道会社」ではあるのですが、和歌山県御坊市で紀州鉄道線を運営しているのみでその営業距離数も2.7kmと非常に短い距離です。むしろ、「鉄道」というネームバリュームや信頼性を元手に、不動産事業やリゾート、それに付随する会社の福利厚生などをメインとしたことで有名な企業です。よく就職活動などで気になる「福利厚生」についての質問などに、「当社は『紀州鉄道のエメラルドグリーンクラブ』にも入っているので、福利厚生が充実しています」という触込みもあり、それだけ多くの企業には利用されていたという実績もあるくらいの企業です。
しかしこういった「リゾート」は、どうしても「不景気」の影響をモロに受けやすく、会社が経費削減をするならばまっ先に「福利厚生のリゾート関係」は削除されるのは当然のところかと思います。
本来、当の「山中プリンスホテル」関係者は、ホテルが火の車なのに、親会社の「紀州鉄道」は、痛みを負わないのか。そんな罵声が出てきてもおかしくはないかと思います。
しかし、紀州鉄道の完全子会社とはいえ、山中プリンスホテルも1つの法人(会社)でありますから、見殺しにすることも可能です。でも親子のこうした関係で、あえて、子会社を破産させてしまうわけですから、「紀州鉄道」も会社経営にはくるしいのではないかということが「表面上」察せられます。
ところが、この「紀州鉄道」という会社も実は「鶴屋産業」という会社の子会社であって、高いところからこの状況を眺めると、「鶴屋産業>紀州鉄道>山中プリンスホテル」 というような形となっていて、
本来なら鶴屋産業株式会社紀州鉄道事業部山中プリンスホテル部 なんていう会社の事業形態になるのかもしれませんが、この企業グループではあえて、それらを独立した会社(法人)にして、ダメだったら「切り捨てろ」(倒産隔離という考え方)というスタンスなのかもしれません。
こういった会社は、他を見渡すと、よく「投資」のターゲットや金融商品の温床となっている所も少なくないです。
例えば、紀州鉄道が山中プリンスホテルリゾート債なんていう金融商品を出して大きく利益を狙おうなんていうこともできそうなのですが、そういった話もないわけですし、危ないと言われる会社(ここでは「山中プリンスホテル」)に「匿名組合」という金融商品をくっつけて、延命を図ろうとしているわけではないから、元々不動産業の会社なのだけど、「正直な会社」なのかもしれません。
今MRIインターナショナルとか安愚楽牧場など、一般市民から資金をあつめ、身の丈以上の企業経営をして大きな問題となっていますが、やはり企業は「身の丈」にあった企業活動をするのが当然です。経営危機で銀行から金を借りられない、だから高利回りの魅力をつけて一般市民から金を吸い上げようという行為は許されません。
倒産はもちろん債務を踏み倒す行為で、許された行為ではないけど、できない時は「倒産(破産)という白旗を堂々と揚げる」「経営者が両手を高く上に挙げて公の前にやってくる」そういった倫理観はとても大切なことです。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 11:11| 東京 ☀|
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倒産(その他不動産会社)
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