「重工業」は船をはじめ、飛行機・電車車両・原子力発電プラント(原子力発電所)などをつくる企業といわれています。
日本では、三菱重工業を筆頭に、川崎重工業、石川島播磨重工業(IHI)などがその代表選手となっており、日本の明治・大正・昭和の日本の経済を支えてきた企業としての実績があります。
勿論平成の今となった時代でも、それらのものは無くてはならない存在なので、「廃れる」という事は直ちにはありません。しかし、最大手の「三菱重工業」でも約2兆1000億円(単独)約2兆8000万円(連結)の年間売上、その次の「川崎重工業」は約18100億円(単独)1兆2800万円(連結)、第3位の石川島播磨重工業は約1兆2500万、そして、今回の合併交渉があった「三井造船」は約5700億円と重工業から派生した「自動車工業」の国内最大手のトヨタ自動車が単独売上で年間約9兆7000億円(連結では約22兆円)、本田技研工業が、年間単独売上で約2兆7400億円(連結で約7兆円)と連結や単独年間売上を比較しても重工業の市場規模がさほど大きくないことがわかります。
同様に総合建設業(ゼネコン)に比較しても住宅メーカーの方が年間売上が高く、日本のみならず、世界全体の「経済市場」は、一般消費者に関連のある事業に規模が大きくなっていることがわかります。
さて、その中の今回話題になった国内第2位の企業である、「川崎重工業」は勿論有名な会社ではありますが、一般消費者に親しみやすい事業といえば、オートバイの製造ではないかと思います。それ以外は電車の車両や造船などの一歩消費者から遠のいた事業となります。
その川崎重工業が第5位の「三井造船」と合併を試みたのですが、それが「別の形」で白紙に戻されました。
その戻し方も「社長解任」という経営陣の意見の考え方の食い違いによる「クーデター」というものです。
恐らく、経営陣は川崎重工業に長年君臨(生え抜き入社)している人が多く、合併されると、「経営としては合理化」となるのですが、取締役の椅子が「合併」により少なくなったりするので、そういった立場(自身がリストラされるのでは)という事も含めて、今回の「事件」がおきたのではないかとも見ています。
ご存じの通り、会社には運営をする役員(主に取締役)と従業員(非取締役の役員・部長以下の役職と社員・準社員など)で構成されています。企業の中においては「役職」は役割として重要視されますが、外部(株主など)や法律上の構成からみると、会社は株式(株主)と運営者(取締役)の構成のみを見ているので、会社の重要な決定は「株主総会」と「取締役会」とされています。したがって、「代表取締役」は法律上サブ的な要素となっているため、「代表取締役(主に社長と会長)」が独断で決められるという事はできないような形となっています。
そのため、会社の運営で重要な決定を占める「取締役会」は当然取締役で構成されているのですが、特に代表取締役は、自分の意思と疎通する「仲間」(与党取締役)を持つことが、自分の立場を守るために重要となります。
その結果今回の「クーデター」の社長解任劇は、社長に対して「与党取締役」が少なかったからによることとさらに社長の方針が多数の取締役にとって不利な内容であったことが、伺われます。
ところでこの重工業や建設業などで、合併が多くなされていますが、それだけ、その方面の「インフラ構築企業」の市場は小さくなっていることがわかるかと思います。
もう「競争」して同業同士が行っていくには今後においても非常に厳しいことが予想されます。このような企業は無くてはならないのですが、かつてのように成長があまり望まれなく、それに目して集めた「従業員」のコストをどうするかとても悩む部分があります。
今の日本をはじめ、世界的に「未来へ向かって、宇宙に向かって」というアクションがなされていないので、かつての世界的な成長を望むのなら、技術開発や宇宙開発に向けるのが、今後の大型の景気回復のひとつではないかと思います。
アメリカの「アポロ計画」以来40年が経ちますが、それを超える宇宙開発はこの21世紀の今もありません。ここはひとつアベノミくスも重工業の将来をなんとかしなければならない時期が来ているのかと思います。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 14:34| 東京 ☁|
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