派遣会社(労働者派遣業)を営んでいる「ワールド・ワーク」(茨城県水戸市)が11月1日に事業を停止して自己破産の申請をする準備に入ったということです。負債総額は約3億8000万円となっています。
ホームページなどでの情報によると、この会社は本社が茨城県水戸市にあり、支店は千葉・仙台・長岡(新潟県)にあるということです。
本社所在地は茨城県水戸市赤塚1丁目219−5で、平成2年(1990年)7月に設立、代表取締役は國村孝善 氏となっています。
事業内容をみると 1,特定労働者派遣事業 特08-301251
2,業務請負及びアウトソーシング事業
となっており、取引銀行が 常陽銀行赤塚支店、茨城県信用組合赤塚支店、筑波銀行赤塚支店
です。
ここで気になるのが事業内容の1、「特定労働者派遣事業」ということです。
派遣労働者というのは、大きく2つの事業形式があって、一つは「一般労働者派遣事業」もうひとつは、こちらの会社が行っている「特定労働者派遣事業」です。
この2つの形式は、経営者もそこで働く労働者にも大きな違いがあり、
一般労働者派遣の方は、派遣先で仕事をしている時には派遣元で雇用関係にあるのですが、派遣先から契約を更新しなかったりして仕事を離れてしまうと、雇用元からも契約終了となります。したがって、派遣先で就業している時だけ賃金をもらうという形となります。契約終了後は、派遣元では「登録スタッフ」というような名称で、派遣元が就業先を探すことになります。そうでない場合は、本人が別の派遣会社に登録して仕事を探すか、ハローワークや求人広告などを見て直接雇用の仕事を探すなどどれか一つの方法をとるのか、それぞれに登録して、同時に探すかなどということになります。
オーソドックスな「派遣社員」という身分はこの「一般派遣労働者」を指します。
一方「特定労働者派遣」というのは、自社の従業員を他の会社で就業させるという事を定義しています。派遣先へ就業しているときは当然賃金をもらう訳ですが、派遣先から契約を更新されなかったりなどで仕事を離れてしまっても自社の雇用関係はそのままです。したがって、派遣元はその従業員に仕事が無くても給料を払わなければならないので、その従業員を使ってくれるところを「一生懸命」探します。
結局派遣元で雇われている従業員にとっては、派遣元でずっと給料をもらい続けるという「雇用」関係にあるので、普通の会社に勤める従業員と何ら地位はかわりません。したがって、こういった形で働くスタッフは、紛れもなく「正社員」または「契約社員」という直接雇用と同じ地位です。ですから下記報道記事で「派遣社員」の登録は500人というのは、従業員(直接雇用の社員)が500人いるということと同じということです。
こうした2つの形態で考えてみると、派遣事業を開始しようと思うときは、「一般労働派遣」の方が断然有利だということがわかるかと思います。
しかし、派遣会社に関わらず、どの会社も「雇用」という関係ではなく、仕事があるときだけ給与を払うという形が望ましいのは当然のことです。したがって、労働者の立場を守るためなどの理由から一般労働者派遣の業務は許可が必要(特定の場合は届出で充分)で、特定労働者派遣業より規定が多くもられており、それにクリアしないと認められない形となっています。
尚一般労働者派遣となれば、「特定労働者派遣」の事業も可能となります。
結局この会社は非常にコストや雇用リスクの抱える「特定労働者派遣」であったため、就業先から仕事を切られてしまった時の影響が普通の企業の何十倍ともなったのかと思います。
細かい経緯は不明ですが、まず不況の時に煽りをうけやすいのはこうした特定労働者派遣になるかと思います。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 15:24| 東京 🌁|
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