ご無沙汰してしまいすみません。
安愚楽牧場の件において1月9日に東京地裁において第一審の刑事事件の判決が出ました。
予想通りでしたが、検察側の求刑(懲役3年)に対し、判決は元代表の三ヶ尻久美子被告人に対して、懲役2年10ヶ月の言い渡しがなされました。
通常求刑に対して判決は「8掛」とも言える相場なのですが、今回の求刑に対する判決の
比率は34ヶ月÷36ヶ月=94.4%となります。
従って世間相場から言えば、検察の求刑と判決は近似しているともいえます。
しかし、この事件の最高刑は懲役3年(複数以上の犯行をしているので、基礎となる懲役2年×1.5倍)でこの罪においてはそれ以上科すことができないので、求刑と判決が近似しているのも当然と言えるのかと思います。
ここで注目すべきことは、当初この裁判での行方は、地裁での判決を素直に受け入れて、判決を確定させるのかと思ったのですが、下野新聞の記事によれば、「弁護側は判決を不服として控訴する方針」ということなので、弁護人は「執行猶予」を求めて東京高裁へ「控訴」することになるのかと思います。
1月9日は木曜日なので、控訴の期限はその日を入れて15日の24時迄なので、1月23日(木)の24時が控訴期限ということになります。
通常判決を不服としている事が明らかな場合は、その日もしくは翌日には控訴する旨を提出するのが普通なので、もうすでに控訴しているものと思います。
来る東京高裁での審理が今までの状況から、弁護側の要求は「刑が重すぎる」「執行猶予をつけろ」この2点になるのかと思います。
弁護側の要求は高裁・最高裁へ行っても恐らく地裁での判決と替わることはないかと見ています。
もし執行猶予などがつくことがあるとすれば、それは、刑事事件にノミネートされた被害者に弁済ができたことに限るかと考えています。
報道では「弁護側」が独自の判断で控訴をしているような書き方となっていますが、弁護人は「私選弁護人」であることから、当然、被告人の意向に基づいておこなっているはずです。したがって、元社長の三ヶ尻久美子・大石勝也被告人らは、地裁の判決には納得せず、「執行猶予付き」を狙っているということに他なりません。
今後の着目点は、「懲役」という焼きごてを突きつけられいるのを避けるため、もしかしたら、被告人らは「弁済」をするの「かも」しれません。
逆に刑が決まって、刑務所に入ってしまえば、被害者に償う時間は無いですし、刑期が終了して、世間にもどってきても、もう法的には責任はないので、償うことはないと見てよいかと思います。
両被告人とも「お金が無い」ような話をしているかと思いますが、こういった事件においては、どこかに刑務所を出て無職でも一生暮らせるだけのお金(3億円くらい)を確保しているはずです。
その他の可能性のある「隠し金」で被害者に弁済するかどうかがこれからの見所になります。
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