海上自衛隊での「いじめ」による自殺の事件について、当初横浜地裁では当事者である所属の「先輩」による行為(故意)のみが認められました。しかし認められたと言ってもその責任の度合い(判決金額)は440万円と起きた事実と比較すればかなり低い金額ともみられます。
請求額1億5千万円の提訴をした母親(原告)から見れば、腸がよじれるほど不服だということで、上訴(東京高裁)しました。そして、その認定の仕方が充分ではないということでした。その内容は職場である自衛隊での職員の管理(環境の管理改善〜善管注意義務)が充分ではなく、しかも故意に隠蔽(いんぺい)をしたため、この認定が地裁では抜けていたということもあり、東京高裁では、賠償認定を見直したということになります。
そこにあるのはやはり裁判官の考え方というよりは、代理人弁護士の努力によるものと考えられます。
事実は恐らく1億5千万円分の責任が存在するのだと思いますが、それを最初から最後まで裁判所の法廷に持ち込んで説明するのは「原告」がやることになっています。そこには代理人(弁護士)の行動が必要不可欠で、その部分がポイントになっています。
特に民事訴訟においては、原告の証拠の提示とその説明が大きな鍵を握っています。