●少々厄介な労働問題が発生しています。毎日新聞によると、明治時代創業で現在まで品川駅前で営業をしている「京品ホテル」についてです。
「京品ホテル(けいひんほてる)」とテレビやラジオの音声では、その呼び名で呼んでいます。この品川駅は「京浜急行(けいひんきゅうこう)」のメインの駅なので、かなり紛らわしい名称なのですが、東京の「京」と品川の「品)を取ってつけることにより、東京の品川という意味を示しているものと思います。通常は「京浜」つまり東京と横浜という意味合いでこの地域は使われることが多いです。
このホテルは5月ごろに経営側から解雇をする旨を伝えていました。しかし、その頃、従業員の多くは、はなんとかスポンサーを見つけて営業を継続するような構えでいたようです。経営者側もなんらかの形で会社を譲渡していくような姿勢のようでした。ところが、ご存知の「リーマンブラザーズ証券」の問題の余波を諸に受けて、会社の資産や営業している借用地などの内容が著しく毀損することとなったため、廃業して解雇という状態になったとの経緯です。
ある意味ではリプラスがリーマンからのあおりを受けた部分も似通っていますが、経営の内容がかなり危篤になったときに少し前から告知して心構えがあると言う部分は違うようです。あとは従業員の団結力にかけるしかないのでしょうか。
テレビでも昨日は大きく報じられましたが、ホテルの建物の屋上に、大きく「アルデプロ(先日「経営の継続の疑義」のIRを出した東証マザーズ上場の東京都新宿区の不動産業)の看板が目立っていたのが、何か関連していたのかと思うような映像でした。
(以下毎日新聞より)
<京品ホテル>品川駅前の明治創業「老舗」、廃業に従業員反発 職場占拠して「独自営業」へ
10月21日7時5分配信 毎日新聞
檄布を貼ったホテル前で解雇撤回を訴える労組メンバー=15日、東京都品川区の京品ホテル前で
東京・品川駅前で明治期に創業した老舗「京品ホテル」(東京都港区、小林誠社長)が、経営の悪化などを理由に廃業を決め、20日付けで従業員約130人を解雇した。経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズ(リ社)の日本法人子会社「サンライズファイナンス」(サ社、港区、民事再生手続き中)が債権者だったこともあり、従業員労組が反発し、解雇に反対し職場を占拠して独自に営業を続ける構えだ。
労組などによると、5月8日に小林社長から廃業と全員の解雇が告げられた。「がらんどうにして売却することが相手との約束」と、営業譲渡ではなく廃業と説明した。債務の累計は約60億円に上り、サ社が分散していた債権を買い取り一本化したことが分かった。
従業員らは個人加盟の労働組合「東京ユニオン」に加入し、京品ホテル支部を結成、解雇の撤回を求めてきた。小林社長との交渉以外にも、「経営に影響力を持つ実質的使用者だ」とサ社にも団交を求めたが拒否され、リ社の破綻で交渉は更に難しくなった。21日には東京地裁に地位保全の仮処分を申請、ホテル内の飲食店で自主営業をする予定だ。
小林社長は「これ以上経営を続けるのは無理だ。解雇についてもきちんと説明している。リ社の破綻は関係ない」と話している。一方、組合の金本正道支部長は「昨年も8000万円の利益が出ており廃業は納得できない。放漫経営であり、労働者を債権回収の犠牲にするな」と訴える。
京品ホテルは1871年に旅館として開業、戦後米軍の接収や火事などに遭いながらも営業を続けた。【東海林智】
最終更新:10月21日12時45分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000001-maiall-soci
(毎日新聞/2008/10/21←2008/10/22留)