●商工ローンの大手と言えばロプロ(旧 日栄)と経営破綻したSFCG(旧 商工ファンド)で、その資金回収方法に大きな問題があったということで、両者の代表が国会で証人喚問までいたったことは有名な話です。
その後、この2社は現名称に名前を変えて営業をつづけていましたが、意外にもこの2社が名前が変更になったという事に気が付いていない人も少なくなかったようです。
商工ローン自体は個人の消費とは関係がないのかもしれません。当初の設立時は、銀行が資金を貸せない事業者のための救世主ともなっていたのですが、やはり与信能力が当然劣ることもあり返済できないという事態に発生することも
少なくないようです。その結果強引な回収もなされたのかもしれません。当初の理想とは裏腹に現在ではそれが淘汰されてきているような気がします。
商工ローンの現場で何が起きているのか? 放置される“金融難民”
「商工ローン」と聞いて、あまり良いイメージを持っていない人も多いだろう。厳しい取り立てで社会問題にもなった商工ローンだが、かつての“勢い”はどこに行ってしまったのだろうか? とうこうの片岡社長が、業界を取り巻く現状について語った。
[土肥義則,Business Media 誠]
中小零細企業の経営者が利用する商工ローンが、“窮地”に追い込まれている。商工ローンといえば厳しい取り立てが社会問題にもなり、「あまり良いイメージがない」といった人も多いのではないだろうか。 しかし商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)は、過払い返還請求の影響などで経営が急速に悪化。2009年2月に経営破たんに追い込まれた。「銀行が貸さないところにもお金を貸す、最後の“砦”(とりで)」(業界関係者)ともいわれてきた商工ローンの現場で、いま何が起きているのだろうか。7月29日に行われた早稲田大学消費者金融サービス研究所のシンポジウムにて、とうこう(東光商事)の片岡龍郎社長が、業界を取り巻く現状などについて語った。
とうこうの会社概要本社所在地:新潟県新潟市
設立:1920年3月、資本金:3億2000万円
従業員:110人、事業所:7拠点
年間融資総額337億円
“銀行に近い形で”お金を貸している商工ローン
とうこうの片岡龍郎社長 そもそも商工ローンのマーケットはどのくらいあるのだろうか。資金事業者(経営者や個人事業主)に資金の借入先を聞いたところ、「銀行」が断トツで54.2%(日本貸金業協会調べ)。次いで「信用金庫、信用組合」(33.6%)、「日本政策金融公庫」(30.5%)、「親族、友人、知人」(13.0%)と続き、「貸金業者(クレジット、信販会社含む)」という人は12.9%と、全体の1割ほどだ。
商工ローンの商品構成は単純だ。かつてのとうこうは、無担保であれば融資金額は100万円までで、金利は29.2%まで。第三者保証が付く場合は200万円までで、金利は20%ほど、不動産担保が付けば500万円以上で金利は年15%、3000万円以上の大口になると10%以内といった具合だ。
しかし金利を引き下げた現在は、無担保だと500万円まで借りることができ、金利は年12.0%〜14.0%。担保があれば5000万円までで、年8.0%〜14.8%、不動産担保付融資は10億円までで、年4.0%〜9.8%までとなっている。
とうこうの融資残高の平均金利を見てみると、2000年3月末には23%だったが、2008年3月末には7%まで低下。金利が低下した背景には、2000年当時は無担保・無保証での融資が大半を占めていたが、2008年になると不動産担保付の融資にシフトしているからだ。もちろん貸付平均金額も上昇しており、かつては200万円前後と小口融資が中心だったが、2009年3月末時点では1010万円に膨らんでいる。ちなみに日銀の資料(2009年3月末)によると、国内銀行の平均融資額は1536万円、信用金庫で同1223万円。片岡社長が言うように、もはや商工ローンは“銀行に近い形で”お金を貸しているのだ。
貸出金利を引き下げたのは、とうこうだけではない。多くの商工ローンではここ数年、金利を引き下げに踏み切っているが、こうした動きの背景にはどのようなことがあるのだろうか。
小口を捨て、大口に傾注
商工ローンも消費者金融と同様、改正貸金業法が適用される。改正貸金業法の大きな柱は「上限金利の引き下げ」と「総量規制」の導入だ。これまで出資法の上限金利は29.2%だったが、それが元金10万円未満であれば20%、元金10万円以上100万円未満で18%、元金100万円以上で15%という金利が上限になる。「金利が下がると、“金融過疎地”が拡大する」という片岡社長。金利の引き下げと金融過疎地にはどのような関係があるのだろうか。
片岡社長は「金利を引き下げたことによって、収益力が低下し、不採算店舗が増えた。そのため店舗の統廃合を進めざるを得なかった」と振り返る。日本貸金業協会のデータによると、商工ローンの店舗数は2008年4月には252店あったが、2009年3月には81店と、実に3分の1ほどに縮小している。もちろんとうこうも例外ではなく、10年前の1999年には68店あったが、現在では大都市圏を中心に7店しか残っていない。
また上限金利の引き下げと同時に、総量規制もスタートする。この総量規制が始まれば、貸金業者は利用者の年収の3分の1までしかお金を貸すことができなくなる。例えば年収300万円の人であれば、上限枠は100万円だ。現場サイドではすでに総量規制をにらんだ動きが始まっており、「数少ない優良顧客をめぐって、貸金業者は融資合戦を繰り広げている」(大手消費者金融)
しかしこうした小口のお金を貸すのは、消費者金融の方が強い。消費者金融の店舗数や無人契約機の台数、人員――すべてに劣る商工ローンは後手に回ってしまい、ジリ貧状態に陥っているのだ。その結果、小口を“捨て”、大口の不動産付融資に傾注しているのが実情だ。
店舗の統廃合と融資金額の大口化への流れは、借り手にとってどのような影響を与えているのだろうか。片岡社長は「無担保で200万円前後のお金を借りたいという人は、貸金業者の審査をパスすることは難しい」とし、そんな人たちのことを「“金融難民”だ」と指摘した。
事業者向けの融資残高は2年間(2007年4月〜2009年3月)で4.2兆円から2.9兆円に縮小している(出典:日本貸金業協会)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0908/04/news004.html
(2009/8/3/business Media 誠)
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