2009年12月08日

ハウジングプア:増加 公的支援、求める声

●現在賃貸住宅に一生住むことと、住宅を手に入れることどちらが生涯支払うコストが違うかという議論がたびたび起こっています。
 現在ファイナンシャルプランナーや不動産関係者の間では、転勤などで住み替えがあるようであれば「賃貸住宅」、生涯そこに住み続けるのであれば「住宅所有」という意見は多いです。どちらも一長一短があるのでどちらが良いのかということは一概に言えません。
 しかし、最近は所得が少なく、住宅が所有できないので、やむを得ず賃貸住宅で過ごすという人も少なくありません。このような人は家賃を支払うのも苦しい状況となることが多いです。「全国賃貸保証業協会」ではデータベース化ということで、家主のリスクを回避をより向上させようとする、一方でレントゴー保証株式会社の率いる「社団法人 賃貸保証機構」では、一度事故を起こした賃借人の締め出しになるということで「データベース化」反対の主張をしています。大手の家賃保証企業にとっては、データベース化で、中小の保証会社や保証業務を行っていなかった管理会社も容易に賃貸保証に参加できるようになるので、面白くないところですが、こちらの方がより賃借人に立った立場のように考えられます。


 

ハウジングプア:増加 公的支援、求める声
 誰もが「夢のマイホーム」を目指した時代は遠のき、賃貸住宅の役割が増している。だが400万戸超の賃貸住宅が空き家となる一方で、安定した住まいを持てない「ハウジングプア(住まいの貧困)」層が増加。だぶついた賃貸住宅の有効活用と、賃貸で暮らす低所得者への公的支援制度創設など住宅政策の見直しを求める声が高まっている。【小林多美子】

 ◇賃貸の家賃補助、借り上げ 専門家「恒久的制度を」
 「家賃を払わない人を簡単に追い出せないというのは、家主がボランティアで住まわせるということか」。9月に開かれた国土交通省の民間賃貸住宅部会。弁護士の「不動産事業者には入居者の権利を保護する社会的役割がある」という発言に対し、業界団体の理事が声を荒らげた。

 部会は賃貸を巡るトラブルの予防策などを検討している。特に議論になっているのは、入居者の家賃滞納履歴のデータベース化だ。「悪質滞納者を判別することで市場の健全化につながる」との意見を基に8月の中間とりまとめに一案として盛り込まれた。その後、家賃保証会社9社で作る社団法人「全国賃貸保証業協会」が独自に取り組み始めた。しかし、部会内でも「ブラックリスト化する」との懸念が強い。
 民間賃貸住宅を巡る環境変化は激しい。規制緩和で進んだ都市開発で都心部に高層マンションが建ち並ぶ一方で、全体の2割以上が空き家となっている。20年前の約2倍だ。「人口減で、市場は部屋余りの状況。部屋不足で大家が力を持った時代は終わり、借り手市場になった」と「日本賃貸住宅管理協会」の末永照雄常務理事。求めているのは、退去を求めるのに厳しい条件を課している借地借家法の改正だ。家賃滞納者などを退去させやすい法制度にすることで、大家の立場を保護するためという。
 だが、部屋余りの現状とは裏腹に、雇用環境悪化や低所得者層の拡大から、安定した家賃の支払いができない「ハウジングプア」層が増加。滞納者に対し無断で鍵を交換したり暴力的な取り立てを行う「追い出し屋」が社会問題になっている。
 弁護士らで作る「全国追い出し屋対策会議」は相談者45人の生活背景を調査した。職業が分かった人の内訳は、アルバイトなど非正規職12人▽無職13人▽自営業7人▽正社員10人。正社員でも所得が低かったり、不安定な職種が多かった。対策会議の堀泰夫司法書士は「悪質な滞納者ではなく、やむを得ず滞納している人が被害にあっている。データベースができれば彼らは新たに住まいを借りられなくなる」と危機感を抱く。
 こうした社会構造の変化を見据え、家賃補助制度や公的住宅など低所得者向けの住宅政策の拡充を求める声が強まっている。政府は10月、失職で住まいを失う恐れがある人を対象にした住宅手当を作った。しかし、期限は最長6カ月で、失職者向けの緊急措置に過ぎない。低所得者を支える恒久的な制度の確立には至っていない。
 自治体の財政難などで戸数が減少傾向にある公営住宅に代わり、賃貸住宅の空き部屋を行政が借り上げ、安い家賃で提供する制度も提案されている。空き部屋対策にもなるため不動産業界内にも賛成意見がある。

 ◇低所得者の住宅、国に責任−−神戸大大学院・平山洋介教授
 「住宅政策のどこが問題か」(光文社新書)の著書がある神戸大大学院の平山洋介教授に賃貸住宅の現状を聞いた。

    *
 日本の住宅政策は「正社員として就職し、結婚し、マイホームを建てる」という標準コースを支援し、民間賃貸住宅を対象にしてこなかった。だが標準コースは崩れ始めている。持ち家は全住宅の約60%を占めるが、40代以下の持ち家率はここ20年で大幅に下がった。賃貸住宅に住み続ける人が増えている。
 問題は借家人の所得が下がり、高まる家賃滞納リスクを誰が負うのか、ということだ。一部の家賃保証会社が構想している家賃滞納履歴のデータベース化はそのリスクを避けたいという発想の表れだ。低所得者は市場では住まいを確保できない。彼らに住宅を供給すべきは政府だ。しかし、日本では公的住宅が住宅全体の6%しかない。先進国で政府の家賃補助制度がないのは日本くらいだ。賃貸住宅を政策対象とし、公的住宅手当を創設するなど住宅政策の転換が不可欠だ。
 住宅は社会問題だ。しかし、日本では「住まいが貧しいのは自分の給料が低いからだ」と考えてしまう人が多い。我々自身の意識改革も必要だ。

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派遣労働者数:08年度は4.6%増 約399万人に
ハローワーク:ワンストップサービス30日から77カ所で
毎日新聞 2009年12月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/housing/news/20091204ddm013100150000c.html



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posted by 管理人B at 18:32| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 賃貸保証・滞納家賃保証業界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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