2010年09月10日

日本振興銀:破綻 初のペイオフ発動、預金1000万円保護

● ついに日本振興銀行が経営破綻「民事再生法の適用申請」となりました。前々からこの日が近いと関係者は口々にしていましたから、特にその影響はすくないかと思います。しかし預金者の3%はこの銀行への1000万を超える預金者であり、しかもペイオフを初の実施ということで、たかが3%というかもしれませんが、今後の3%に対する預金者へのケアがどうなるかが不安の要素となっています。
 ちなみに「民事再生法」でとどまった場合のの債権者集会での残余財産などに対する配当率というのは約40%というものも多いですが、万が一破産となった場合は、1%も満たないのが今の倒産処理の現状です。
 


 

日本振興銀:破綻 初のペイオフ発動、預金1000万円保護
 経営再建中の日本振興銀行(東京都千代田区)は10日、10年9月中間決算で約1800億円の大幅な債務超過に陥る見通しとなったため、金融庁に預金保険法に基づく破綻(はたん)申請をした。同日中に東京地裁に民事再生法適用を申請する。これを受け、金融庁は振興銀の破綻を認定、預金者保護のため10〜12日まで3日間の業務停止命令を出し、破綻処理手続きに入った。預金者1人当たりの預金の元本1000万円とその利息までを保護する「ペイオフ」を初めて発動した。保護される範囲を超える部分は一部カットされる可能性が高い。週明け13日には16店舗で営業を再開する。  東京都千代田区の預金保険機構で会見した江上剛(本名・小畠晴喜)社長は経営破綻に陥ったことを陳謝したうえで、「新体制のもと資産を再検証し、債務超過が明らかになった。保護されない預金者を生み出したかもしれないことは忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。
 振興銀は04年、日銀出身で金融庁顧問も務めた木村剛被告=今年8月に銀行法違反(検査忌避)の罪で起訴=が中心となって開業した。中小企業向け融資に特化したビジネスモデルを目指したが、金融庁は09年6月から異例の9カ月に及ぶ検査を実施。今年6月、金融庁検査を妨害した銀行法違反の疑いで刑事告発し、木村被告や前社長ら経営陣が逮捕されるなど経営が混乱。社外取締役だった作家の江上氏が急きょ後任社長に就任し、国内外の金融機関や投資ファンドなどとの資本提携を模索していた。
 しかし、旧経営陣の下で行われた親密先企業への不透明な融資などに対する貸し倒れ引当金を積み増す必要に迫られ、9月末で1800億円程度の債務超過に陥る見通しとなったため、自力再建を断念した。振興銀は通常の銀行と異なり、定期預金だけを扱い決済業務を行っていないため、金融庁や預金保険機構は金融システムへの影響はほとんどないと判断。ペイオフ発動に踏み切ることにした。
 振興銀の6月末時点の預金残高は6101億円で、破綻した足利銀行の8分の1。預金者11万人のうち1000万円を超えるのは約3560人(計471億円)で預金者の3%にとどまる。【清水憲司】

 ◇週明けに払い戻し開始
 金融庁は10日、預金保険機構を金融整理管財人に選定した。今後は預金保険機構が預金など財産の管理をすることになる。預金保険機構は10日から、振興銀から預金者データの提出を受け、同じ名義の預金口座を一本化する「名寄せ」の作業を始め、週明けの13日には、預金保険制度で保護された元本1000万円とその利息の範囲で、預金の払い戻しを始める予定だ。

 一方、ペイオフで保護される額を超える預金は、振興銀の財務状況に応じて、カット率を決めたうえで返済される。預金保険機構は預金者保護のため、カット率の正式決定前に仮払いする方針だが、振興銀は債務超過額が大きく、超過分の全額返済は難しそうだ。
 また、振興銀は預金保険機構の管理下で、健全と判断された業務のみを預金保険機構の子会社の承継銀行(ブリッジバンク)「第二日本承継銀行」に譲渡し、数カ月から数年かけて民間の受け皿銀行を探す予定。一方、不良債権は整理回収機構に譲渡される。
 ペイオフについての問い合わせは、預金保険機構(03・3212・6030)。10日は11日午前0時まで、11〜13日は午前7時〜午後8時まで受け付ける。【中井正裕】

 ◇万全な対応指示、関係閣僚に首相
 菅直人首相は10日午前、首相官邸で記者団から「ペイオフ発動で金融不安にならないか」と問いかけられ、「しっかりやってもらっている」と語った。その後の経済関係閣僚委員会では「緊張感を持ってあたらねばならない一日だ」と対応に万全を期すよう強調した。【倉田陶子】

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 ■解説

 ◇預金者、影響少なく 1000万円超3%
 日本振興銀行に対し、金融庁がペイオフ発動に踏み切ったのは、振興銀が定期預金のみを扱う特殊な銀行で、破綻認定しても「金融システムの安定性に影響を与えることはない」(自見庄三郎金融担当相)と判断したためだ。

 預金を一定の範囲で保護する預金保険制度は、71年に導入された。政府は90年代の金融危機時、不安拡大を抑えるため、特例措置としてペイオフを凍結し、預金を全額保護していたが、02年に定期預金、05年に普通預金のペイオフ凍結を解除。それでも、03年のりそな銀行や足利銀行の破綻時は、金融システムや地域経済へ重大な影響が及ぶと判断したため、公的資金投入によって国有化することで預金を全額保護した。
 しかし、振興銀は普通預金や決済性預金を取り扱っておらず、金融機関同士の決済に使われるシステムにも入っていない。企業の決済などには利用できないため、金融庁は「他の金融機関へ影響が連鎖する可能性はほとんどない」と判断した。預金残高が小規模なうえ、1000万円を超える預金者が少ないことも、金融システムに影響が薄いとの判断を後押ししたようだ。
 一方、振興銀は04年の設立後から、「破綻しても1000万円とその利子までは国が保護する」ことをうたい文句に、他行より高金利で定期預金を集めてきた。3月末時点の預金残高は前年同月末比で4割以上も増加。ペイオフを意識した1000万円以下の預金がほとんどで、金融庁は「制度を悪用したモラルハザードだ」(幹部)との批判を強めていた。【中井正裕、清水憲司】
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 ■ことば

 ◇日本振興銀行
 大手行の貸し渋りを受けていた中小企業を支援する理念を掲げて、木村剛被告が東京青年会議所の有志らと開業。だが、経営陣の内紛など混乱が続き、不良債権の増加などで10年3月期連結決算は最終(当期)損益が51億円の赤字に転落して、木村被告は会長を引責辞任した。全国に114店舗を展開している。

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毎日新聞 2010年9月10日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100910dde001020003000c.html



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