元々検察官がその職務につき暴行を加えて逮捕起訴され有罪判決(執行猶予)ということが1994年にありましたが、今回はそれどころではない前代未聞の犯罪となってしまいました。
こういう犯罪が単に一人の勝手な犯罪ではなく、組織的なもみ消し事項となりました。現在は捜査を担当した主任検事だけではなく、その部署の特捜部長と副部長が逮捕されたわけですが、現在はそのトップである地検検事正までおよんでいるということです。果たして最高責任者である検事総長までが知っていたのかということが、今後の展開になるのかもしれません。
組織となっている以上トップの責任は悪意(知っているということ)がなくても免れないということになります。
【政治・経済】
2010年10月2日 掲載
大阪地検前特捜部長ら逮捕で幕引きか
●検察組織全体の腐敗ではないか
最高検は1日、犯人隠避の疑いで前大阪地検特捜部長、大坪弘道(57=現京都地検次席検事)と前副部長、佐賀元明(49=現神戸地検特別刑事部長)を逮捕した。大マスコミは「特捜検察への信頼が根底から崩れ落ちた」とか書いているが、これで幕引きではたまらない。事件は最高検も含めた検察全体の組織犯罪なのである。樋渡利秋・前検事総長こそ、事件の最高責任者だし、大林宏・現検事総長にも責任は及ぶ。最高検という黒幕がトカゲの尻尾切りで前特捜部長らを逮捕したところで、茶番劇だ。
郵便不正を巡る厚労省の村木厚子元局長の逮捕は、いわゆる高級官僚の犯罪だ。こういうケースでは、事前に上級庁と綿密に打ち合わせをする。もちろん、証拠を開示し、逮捕すべきかどうかを徹底討論するのである。
「今回のケースではまず、大阪地検の検事正室で小林敬検事正、玉井英章次席検事、大坪特捜部長、佐賀特捜副部長、前田恒彦主任検事、他の特捜検事らが集まり、捜査資料と証拠に基づき、捜査経過を説明、逮捕すべきか否かをあらゆる角度から検討する。この結論を踏まえて、小林検事正は大阪高検の中尾巧検事長に事前協議資料を送付する。これを受けて、大阪高検では斎藤雄彦刑事部長室に刑事部の全検事と地検の前田主任検事、大坪特捜部長らが集まり、もう一度、協議する。ここでもゴーサインが出ると、中尾検事長名で樋渡検事総長に事前協議資料が送付される。検事総長室で伊藤鉄男次長検事、鈴木和宏刑事部長らが協議を行い、最終結論を出すのです(いずれも肩書は当時)。これを『検察官一体』の原則と呼んでいて、前田主任検事が大坪特捜部長に報告したことは、最高検まで上がるのです」(検察官適格審査会に10人の検事の審査を申し立てた三井環・元大阪高検公安部長)
検察という組織を考えれば、小林検事正、玉井次席検事も当然、デタラメ主任検事、前田のフロッピー改ざんを知っていたはずだし、最高検にも報告が上がっていた可能性がある。しかも、彼らの“犯罪”は前田をかばった犯人隠避だけではないのである。
●問われる小沢捜査の正当性
「大阪地検の検事は『村木元局長の指示で虚偽の証明書を発行した』という厚労省元係長の検面調書を作成しました。これは虚偽公文書作成、同行使罪です。また、裁判では6人の検察官が取り調べのメモを廃棄したと証言していますが、これは偽証罪の可能性があります」(三井環氏)
叩けばいくらでもホコリは出てくる。この事件はデタラメの限りを尽くして、村木元局長を犯罪者にでっち上げた謀略・冤罪事件なのである。
「そもそも、この事件は民主党の石井一議員が知人のために厚労省に便宜を図るように依頼したことが前提だった。しかし、この前提は石井議員のアリバイによって崩れている。手帳が決め手でしたが、それを特捜部はひねり潰し、村木逮捕に暴走した。こんなことは上からの指示がなければできません」(司法関係者)
その背景に民主党潰しの思惑がチラつくのだ。だとすると、樋渡検事総長が指揮した小沢捜査にも同じような疑念が浮かぶ。イケイケの佐久間達哉特捜部長(当時)が手がけた小沢の秘書逮捕に対して、最高検はきちんと判断したのかどうか。
大阪地検特捜部解体説が出ているが、ちゃんちゃらおかしい。解体すべきは怪しい最高検の方である。
http://gendai.net/articles/view/syakai/126746
(2010/10/2gendainet)
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