2010年11月09日

新卒の採用開始時期を遅くすると、何が解決するのか?

● 誰もが今一番関心を持っているのは、経済情勢で特に雇用の問題は大学新卒だけでなく、現在従事している職員までもが関心が高いです。賞与の激減はもちろんのこと、早期希望退職・リストラ(退職勧奨)もやはり避けられないといわれる企業も少なくありません。

 また22歳新卒者(大学卒)の60歳までの生涯賃金は大企業で3億円、中小企業で2億5千万円とも言われています。当然ですが、サラリーマンをやっている間から、みずから起業を起こして成功すれば何十億・何百億という収入がありますし、投資家となれば、サラリーマンの生涯賃金を早くも突破することになるかもしれません。いうなれば、三億円(もちろん自分のお金です。借りたとかは反則ですよ)が現在の手許に用意できるようであれば、

ついこの間まで新卒採用の開始制限などというものが設けられていたものと思いますが、今では大学3年の半ばから企業訪問なども始まっているのが常識化しており、「不況」があってのことだけに、企業も学生もその本来あまり必要としてはいけないような「無駄なエネルギー」を注ぎ込んでしまっているのかもしれません。

 それが逆に好景気であっても、企業も学生もそれらにエネルギーを注ぎこむのかと思いますが、エネルギーの質が「余裕のエネルギー」となっているものと思います。
 つまり、たとえはちょっと外れている方向かもしれませんが、人間の血液の流れにおいて注目されるのが「コレステロール」というものです。よく「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」というものが存在していますが、、善玉は血液の流れをさらさらにするもの、逆に悪玉は血液をドロドロにして、血管に垢のようなものを不着させ、血液の流れをとめてしまうものと言えるものです。

 これを企業の採用活動と学生の求職活動に照らし合わせてみると、好景気の場合企業は「お金があります」人・物も余裕があります。さらに発展しようとします。当然「人材」もいつの時代も「いい人」を採用しようとしますが、採用の仕方にゆとりがあり、よりよい人材を採用することができます。お金があるので、それに関わる職員の経費も会社の余裕の経費ともいえます。だからモチベーションもあがります。それに学生も、そんなに媚やノウハウをつかわなくても自分の目指す企業にこだわっても企業がなんとか目をつけてくれるだろうということで、それなりの学生の求職へのこだわりはあるものの、「採用してくれればいい」とか「なんとか安定して食べていければいい」というような悲観的な消極的発想はありません。
 
 一方現在のような不況の場合、企業は間接部門(お金に結びつかない部門)である採用の部分にはできるだけお金をかけたくありません。リクルートやアイデムのような有料広告もできるだけ控えて、ハローワークへの求人のみにしたいところです。そういうことになるから企業は「いい人材」をつかむ余裕もすくなくなってきています。
それにたまたまその企業の募集に目をとめたひとだけが来るという結果ともなってしまっています。
 学生も同じく、前者でのべたように、自分のやりたいことなどは二の次にしてできるだけ安定しているところを目指し、しかもいつどうなるか分からない中小企業はより遠ざけて、安定した大企業へとよりシフトしていきます。

 同じエネルギーでも好景気は善玉コレステロールで余裕のエネルギー、不況は悪玉コレステロールで無駄なエネルギーと、エネルギーの質が大きくちがうのです。


 今は不況のじきなので学校の勉強と並行して、なんとか就職内定(しかも安定したより大きな企業)をこぎつけるのがやっとなので、就職活動により力を入れなければならなくなっていますので、企業としては新卒採用の時期を遅くすと「無駄なエネルギー」をつかわなくってもよいことになります、し大学生も本来の「勉強」をより深く触れることができるものと考えます。

 
 

新卒の採用開始時期を遅くすると、何が解決するのか?
就職活動の早期化是正のために、大手商社が大学4年生の4月以降に採用活動を行う方向になっている。しかし、「就職活動の最大の問題は、学生が職業や就職を意識するのが遅すぎることではないか」と筆者は主張する。
[川口雅裕,INSIGHT NOW!]

著者プロフィール川口雅裕(かわぐち・まさひろ)
イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ」
 大手商社が大学4年生の4月以降に採用活動を行う方向になっているようで、目的は「就職活動の早期化・長期化が大学運営や学生生活に影響を与えすぎている状況を正常化することである」と言います。私としてはこの目的には賛成で、就職活動が理由で授業に出られない、クラブ・サークル活動ができない、といった就職活動が学生から学ぶ機会も楽しみも奪っているような面があるなら是正が必要であろうと思います。
 しかし、多くの人が指摘する通り、大学4年生になってから(それも選考はもっと遅くから)就職活動(採用活動)を行うようにするという方法は、この状況を根本的に解決できる策ではありません。
 学生は受けられる会社数が減るので、一発勝負の色合いが強くなり、就職に対する不安が高まるものと思います。表立って就活をする学生を見ることが減っても、学生生活に集中できるようになるわけではないでしょう。採用側にとっても、人気業界が「後だしジャンケンをします」と言っているわけですから、先に内定を出しにくくなるなど採用活動が難しくなるでしょう。短期決戦になれば知名度はもちろん、人や金が豊富な大手有利の傾向がますます加速すると思います。

学生が職業や就職を意識するのが遅すぎる
 「何が問題か」が重要ではないのでしょうか。「企業の採用活動の無節操さが、大学運営や学生生活のじゃまをしていること」が問題なのかどうか。私は「学生が職業や就職を意識するのが遅すぎる」ことを問題にしてみてはどうかと思います。

 社会に出て働くことをまったく意識させずに放置して、いきなり職業や就職を考えさせ、選択させることにはやはり無理がある。成り行きで社会に出ても、それなりの給与を支払いながら余裕を持って育ててあげることができる会社がたくさんあればいいのですが、そういう世の中ではなくなったので、やはり「早いうちから意識させる必要があるのではないか」ということです。
 本来なら子どものころから、父親や母親がそういう教育をすればいいのでしょうが、そうもいかないのであれば、中学校や高校からもっともっと本気で専門の教員や中高生版キャリアセンターが職業やビジネスを教えればいいのではないかと思うわけです。
 証券会社が将来の個人投資家を増やそうと、学校に出向いてお金の運用や投資を教えているものがありますが、そういうレベルの話ではありません。
 「公務員や大企業が安定しているようだ」「●●業界や●●業界はシンドイので早く辞める人が多いそうだ」「営業はノルマに追いまくられるに違いない」「旅行・食品・化粧品・パソコン・マスコミなど、なじみある商品に仕事のイメージがわく(だから人気になる)」「有名企業に入ったら、かっこいい」「大学の専攻が●●、だから●●業界に行くのが当たり前」など、あまりに表面的な理由で会社を選んだりしないようにするためには、もっと早くから職業やビジネスを教えてあげる必要があるでしょう。「つぶしがきくから法学部に行ったらいい」などと言う教師や親の進路指導も、いい加減にやめるべきではないかと思います。
これは、「若者に職業・ビジネスについて学び、考える時間をもっとたくさん、大学を卒業する直前ではなく、もっと前から与えてはどうか」という案ですが、大学を卒業した後に与える方法もあると思います。
 例えば、新規学卒者を採用する場合は3年間の有期雇用に限定する。学校を卒業したら全員が3年のインターンです。無期限の雇用契約が実質的に交わされる正社員の地位をどの業界やどの会社で獲得するかは、3年間の経験を踏まえて決めるというやり方。この場合には、若者の雇用を不安定にする側面があって、もちろん若者だけを不安定にするわけにはいきません。解雇規制を緩和し、全員がその不安定さをシェアする必要があります。(川口雅裕)

2010年11月09日 08時00分 UPDATE
(2011/11/9/Business Media誠)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/09/news009_2.html

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