●預金連動型住宅ローンや、多くの消費者ローンをこの銀行でまとめさらに低利にする「おまとめローン」という他の銀行にあまりない画期的な方法が特徴の「東京スター銀行」が今年度は赤字に陥ることとなりました。赤字というのは好ましくありませんが、不良債権処理の費用が多くかかったとのことで、今回はこのような結果となったことです。
しかし、この「東京スター銀行」はかつて2008年3月迄上場(2005年に東証一部それまで非上場)していましたが、投資ファンドにより株の買い占め等が行われたため、株の上場基準に照らし合わせて、上場廃止ということとなりました。
恐らく投資ファンドのアドバンテッジパートナーズは、東京スター銀行でひと儲けできると目論んだため「借金」をしてまででも株の買い占めを行いました。その直後に襲いかかった2008年9月のリーマンショックにより、思い描いていた予測が大幅にずれてしまい、結局のところ、東京スター銀行の配当が見込まれなくなったため、返済ができなくなったということです。
結局のところこれは「投資の失敗」ということで片付くのですが、見ている庶民としては、不安を隠しきれない様子です。
先の話に戻りますが「東京スター銀行」はかつての第二地方銀行の「東京相和銀行」を立て直した形の銀行です。そのときアメリカの有名ファンドの「ローンスター」が経営に参入しました。その他にも他の銀行より画期的なことは、大抵の銀行は無料となるATMを備え付けたということであり、一般庶民が多く利用しやすい環境をつくりあげていることが特徴です。
しかし2009年頃、「三菱東京UFJ銀行」がその方法に難色を示し、ATMの相互連携を拒否した経緯があります。
つまり、東京スター銀行のATMでは三菱東京UFJ銀行のカードは利用できず、その逆も行われていります。
銀行業界も競争の部分があり、ネットで同一の銀行をする場合は何回でも無料の方法が多くの銀行で行われるなど銀行の収益に大きく圧迫が生じる部分もありますが、今後の「画期的な」展開を注目したいところです。
東京スター銀:共同経営へ 融資銀行団参加、立て直し−−最終調整
投資ファンド、アドバンテッジパートナーズの完全子会社である東京スター銀行の経営に、アドバンテッジに買収資金を融資した銀行団が参加する方向で最終調整に入ったことが23日、分かった。新生銀行やあおぞら銀行などとの共同経営体制で、最終赤字に陥っているスター銀の立て直しを図る。月内にも正式に合意する見通し。
買収資金約2500億円のうち約1700億円は、新生、あおぞらのほか、仏金融大手クレディ・アグリコル、米系ファンドのローンスターなどから融資を受け、利払いにはスター銀からの配当を充てていた。しかし、スター銀が10年3月期に27億円、10年9月中間期は不良債権処理などで31億円の連結最終赤字に陥り、配当を利払いに充てることが難しくなったため、銀行団と対応を協議していた。
具体的には、アドバンテッジと銀行団で新たに受け皿ファンドをつくり、スター銀の全株を移す方向だ。同時にスター銀の配当負担を減らし、昨年9月末時点で8・9%の自己資本比率を高めるなど財務体質の向上と経営の立て直しを進める。銀行団は債権放棄などはしないとみられ、アドバンテッジは従来通り、将来の融資返済にはスター銀株式の売却代金を充てる方向だ。【清水憲司】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110124ddm002020101000c.html