●飴の袋の裏の成分表に「トレハロース」、目のちらつきを抑えた受験生必需品の電気スタンド「バイオライト」(山田照明のZライト並みの威力のある照明器具)などで有名な林原(林原生物科学研究所)がついに法的整理である「会社更生法の適用申請」を東京地方裁判所に申し出ました。その前にも事業再生ADRというものをやっていたので、その時点で実質的な倒産といえるような状態だったのかもしれませんが、ここにきて、法的な債権取り立てを制限しなければ再建できないということで、このような方法をとったのだと思います。
しかるに、同族経営の暴走だったという声もあちこちで聞こえてきますし、やはり痛手をおったのは「不動産投資」での失敗が大きかったのかもしれません。リーマンショックなどの傷跡をすこしずついやしていたのでしょうが、傷跡の開き具合がその補てん速度を上回ってしまったためこういった結果となってしまったようです。
この会社は生物化学の発明や特許に特化した企業であるだけに今後の技術の転用などの面で心配な部分がでてきます。
林原 会社更生法を申請 不正経理で私的整理断念
毎日新聞 2月2日(水)20時2分配信
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記者会見に臨む林原健・前社長=岡山市北区の林原本社で2011年2月2日午後9時4分、石井尚撮影
東京都内であった第1回債権者集会で林原前社長は「透明化を忘れ、事実と異なる不適切な会計処理で信頼を裏切った。私に責任がある」と謝罪した。
同社の会計処理をめぐっては、約288億円の不正経理をメーンバンクの中国銀行幹部が毎日新聞の取材に対して認めている。
林原は2日夜に本社で記者会見。債務超過額が200億円にのぼることを明らかにした。また、社長と同時に辞任した弟の林原靖・前専務は、借り入れを経理操作で隠していたことを認めた。同社は不正経理に関する外部調査委員会を設置。
同社は非上場の同族企業。菓子や食品の甘味料などに使われる糖質「トレハロース」を量産する技術を開発し市場を独占しているが、バイオ分野や医薬分野などの研究開発費の増大や不動産開発などで負債が膨らんだ。【石戸諭】
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.最終更新:2月2日(水)23時48分
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