●林原の元経営陣は一般債権について「全額支払う」とのことですが、これまでの会社更生法の適用申請した会社を見る限り、いくら会社そのものに資産価値のある林原であっても、一般債権について全額補てんすることは到底無理のことと思います。もし、それができると確信しているのなら、最初から、林原の手持ち不動産(不動産投資)などの資産を切り売って、ADRレベルでの再建が容易に成り立つはずです。その前に優先債権である「財団債権」(税金・従業員の給与など)を完全に補填してから行わなくては「一般債権」への補てんができません。
ここでネックになるのは、どの企業でも同じですが、従業員の給与です。ここまで来るには退職勧奨(整理解雇の手前で自主的に退職を事業主が促すこと)で転職をしなければならなくなった人もいることでしょう。
また会社更生法は破産法の破産管財人と同じような行為なので、民事再生法が経営陣が退陣しないのに対し、会社更生法は破産管財人及び支援会社の経営者等が筆頭経営者となっておこなうため、債権者にとっても透明度の高い再建が行われます。その過程では、公認会計士から指摘された事項なども明らかにされ、刑事事件へと発展していく可能性も充分あり得ます。
林原 一般債権「全額支払う」 岡山で説明会
会社更生法適用を申請した林原(岡山市北区下石井)とグループ中核2社は5日、取引先などの債権者を集めた関係人説明会を岡山市内で開いた。出席した債権者によると、林原側は経営破綻に至った経緯を説明し、林原健前社長=2日付で辞任=が謝罪。一般債権は「全額支払う」とし、外部調査機関を設け、売上高の過剰計上などの不適切経理問題を徹底究明する方針を示したという。
今後は、東京地裁から選任された調査委員が3月4日までに同地裁に調査報告書を提出。その後、更生手続きの開始決定が出される見通し。
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2011020522441656/
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