この経緯は、財布を拾ったとされる男性会社員が取調室において、大阪府警察本部東警察署警部補である高橋和也被告人より、脅迫を伴う取り調べや自白の強要を行われたということです。これがICレコーダーにより録音されたということで事実が公になりました。
その後取り調べられた男性は弁護士を通じて、大阪地方検察庁の特捜部に告訴をしました。しかし、その「刑事処分」は非常に軽い、脅迫罪であり、しかも罰金以上科されない「略式起訴」(大阪簡易裁判所)によるものでした。その後裁判所としては「略式起訴は相当ではない」ということで、審理を大阪地方裁判所へ移送されました。
そして本日正式な起訴後の公判がなされたという次第です。
ここでもう一つの疑問となるところがあります。この罪は「脅迫罪」が成立することは勿論なのですが、「特別公務員暴行陵虐罪」という脅迫罪より幅広い解釈が行える犯罪でありかつ、裁判・検察・警察及び刑務所の刑務官や公安調査官等が業務によりおこなったことで加重する罪の方は公訴において適用していないということです。
実際問題このようなことは公に無言で認められているのではないかそういう憶測も見受けられます。「検察が証拠を作っているんだから警察は当然やっているはず」これが世間での見方です。
これは、相当と認められれば、「特別公務員暴行陵虐罪」の判決を言い渡されるはずです。
しかもこの被告人は退職も転職もしておらず、「減給処分」とされているだけで社会的な制裁(つまり辞職していること)は受けていないという見方もされています。裁判官の今後の判断が注目されます。
大阪府警警部補、任意聴取での暴言認める 地裁初公判2011年2月21日14時55分
. 遺失物等横領容疑事件をめぐり、任意で事情を聴いた大阪府内の30代の男性に「殴るぞ、お前」などと暴言を浴びせたとして、脅迫罪に問われた府警東署警部補の高橋和也被告(34)=減給処分=の初公判が21日、大阪地裁であった。高橋警部補は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
高橋警部補は昨年9月3日午後、大阪市内に止めた車の中や東署の取調室で、約3時間にわたって男性に「なめとったらあかんぞ」「手出さへんと思ったら大間違いやぞ」などと脅したとして起訴された。男性は隠し持っていたICレコーダーでやり取りを録音。男性側は昨年10月、高橋警部補と、取り調べに同席した巡査部長について、特別公務員暴行陵虐とICレコーダーのデータを消去させようとした証拠隠滅などの疑いで大阪地検特捜部に告訴した。
特捜部は両容疑での立件を見送り、大阪区検が同12月に脅迫罪で略式起訴。これに対して大阪簡裁は、区検が罰金刑を求めた略式起訴は「相当でない」として正式裁判を開くと決め、先月には審理を大阪地裁への移送を決定する異例の経過をたどった。
.
ラベル:大阪府警 大阪府警警部補 任意聴取 任意聴取での暴言 地裁 地裁初公判 遺失物等横領容疑事件 大阪府内 殴るぞ、お前 脅迫罪 府警東署警部補 高橋和也 高橋和也被告 高橋和也被告(34) 不動産投資 退職 転職 大阪地方検察庁 大阪地方検察庁の特捜部 大阪府警察本部東警察署警部補 略式起訴 大阪簡易裁判所 特別公務員暴行陵虐罪 間違いありません 高橋警部補 大阪地検特捜部 ICレコーダー データを消去 異例の経過 審理を大阪地裁への移送 区検
【関連する記事】
- 酒気帯び運転で覆面パトカーに追突(埼玉県朝霞市) 現行犯逮捕〜「飲んだら乗らない..
- 「法廷で経緯明らかにして」=誤認逮捕(大阪府警北堺警察署)、起訴の男性〜無罪の判..
- 70歳男性に育毛剤万引容疑で岡山県津山警察署が誤認緊急逮捕、〜適正な手続きで行な..
- 大阪府警警官らが虚偽調書作成、偽証容疑も〜代用監獄と警察の管轄の境目における不適..
- タレント武井壮さん運転所有の「ポルシェ」に麹町警察署の捜査車両が衝突(速報)
- 当て逃げ、虚偽証言させた神奈川県警元警部補に罰金25万;横浜地裁〜「ゴメン」で済..
- 都内の30歳男逮捕=PC遠隔操作で業務妨害容疑−猫に記憶媒体、防犯カメラで浮上〜..
- 警視庁亀有警察署地域課巡査長が指紋などの証拠品紛失 自転車収納箱に保管中〜重要情..
- 習志野署長 被害届受理先送り知りながら慰安旅行を許可〜つまりいくら法律で義務付け..
- 被害届け先送り(ストーカー事件)で千葉県警習志野警察署が親睦旅行 「命守る」原点..
- 那須塩原署地域課長を書類送検 少年への暴行・虚偽報告容疑など 停職1ヵ月、辞職へ..
- 那須塩原署(栃木県警)警部が職務で少年3人に暴行及び嘘の書類を作成行使し、送検と..
- 特別公務員暴行陵虐致死罪認定の難しさ、「有罪求める」検察官役の弁護士 安永さん事..
- 取り調べ暴言被害者の男、窃盗容疑で逮捕 (その2)
- 警官暴言被害者を逮捕 大阪府警が別事件の窃盗容疑
- 大阪府警警部補の暴言取り調べ事件 大阪簡易裁判所、「略式は不相当」と判断
- 暴言警部補は通常裁判で 略式起訴は「不相当」(12/28 11:48)
- 脅迫的取り調べ、録音で判明 大阪府警、いす蹴り大声 2010年10月27日9..
- 弁護士、取り調べ録音を公表 大阪府警の暴言問題2010年10月8日
- 大阪府警が違法な取り調べ 男性が告訴へ < 2010年10月7日 15:09 ..