2011年07月08日

経営破綻の消費者金融「武富士」 元顧客ら創業家を集団提訴〜社会人サークルとスキームが類似した弁護士を通じた訴訟(集団訴訟)はどのくらいの回収率が見込めるのか

●東京地方も明日7月9日には梅雨明けになるのではないかということでその秒読み段階を今迎えています。明日梅雨明けとなれば、例年にない10日位早い梅雨明けとなるとのことです。
 一方、東京地方裁判所など全国他の地方裁判所においても6月30日武富士創業者一族への一斉提訴が行われました。集団訴訟というのは被害者(委任者)の募集の仕方ができるだけコストをかけない社会人サークルの考え方と似ている点がございます。
 今回の提訴の最も焦点となることは「過払い金の返還請求」になります。しかし、以下の東京新聞の記事によるとやはり、武富士の一方的な貸付や違法とも言える取立てが目立ちます。そういう事も考えれば、単に「過払い金の返還」とその経過利息の受け取りだけでなく、精神的な部分の慰謝料も求めたいところですが、武富士自体が裁判所による倒産手続き(DIP型会社更生法手続)に入っているので、その賠償ができるとしても、更生手続き中の武富士へ「債権届け」として慰謝料の請求を求めるしかメインな方法はございません。

 果たして、今回の武富士への提訴で、どのくらいの過払い金がもどってくるかというと、まず、「全額」及び、その経過利息を受け取ることはかなり困難だと思います。
 こういった損害賠償請求かつ集団訴訟の過去の例では、仮に全額認められるような判決(債権)を得たとしても、巨額の債権となるため、その被告にそれだけ支払える財産がないことが多く、そのため、「ない袖な振れない」という理屈から、どんなに強制執行という手段を行なっても、回収できないという可能性も充分にあります。
 また、訴訟を委任した代理人(弁護士)にとっては、当然公平性の観点から、委任者(原告)に公平に獲得賠償金を分配するのが普通の主義ですから、皆満額の債権から、割り引いた実回収額と弁護士の勝訴における報奨金を差し引いた残りの分配となります。そして、訴訟進行に伴って、武富士一族の誰かが、何らかの形で「自己破産」の申請をして破産手続開始決定となることも充分にございます。自己破産になっても訴訟同様、相手の財産(不動産投資や就職先や転職先の給与調査)の隠し場所がないかなども自らの調査で把握していなくてはいけません。(特にDIP型会社更生法のでの更生管財人は顧問弁護士が引き続きおこなっていることもあり、武富士がこの典型的な例です)そういったリスクをも考えると、どの位の割合で戻ってくるのかというのは担当している弁護士でも見通しがつきません。ですから、零という可能性は低いにしても債権額の半分や1/4などという可能性も充分にございます。

 最も回収でいい方法というのは、こういった倒産手続きが行われる前に、弁護士や司法書士などを通じて、過払い金返還請求を求めることだと思います。
 ですから、武富士にかぎらず、今生きている消費者金融(例えば、アイフル・プロミス・アコム・レイク・丸和商事など)で過払いがあると感じた場合は、弁護士や司法書士(場合によっては、行政書士でも)などに相談して早急に回収することが一番なのかと思います。倒産したら厄介な話になるのは必死です。 

【暮らし】

経営破綻の消費者金融「武富士」 元顧客ら創業家を集団提訴
2011年7月7日
「創業家の責任を追及したい」と語る新里宏二弁護士(中)=東京・霞が関で

 消費者金融大手・武富士が経営破綻したため、払いすぎた利息「過払い金」の返還が受けられなくなったとして、元顧客たちが創業者一族を相手に損害賠償を求める集団訴訟を全国で起こした。法人である武富士の責任を個人の創業家に求める今回の訴訟。弁護士でつくる「武富士の責任を追及する全国会議」は「違法な経営で得た利益が創業家に流れており、責任を追及したい」と主張する。 (稲田雅文)
 全国の地裁に一斉提訴した六月三十日、全国会議が東京・霞が関の司法記者クラブで開いた会見。武富士に三十年近く返済を続けた関東地方の男性(71)は「過払い金が返ってこないのは納得いかない」と訴えた。
 妻の病気で治療費がかさみ、家族に内緒で一九八二年に二十万円を借りた。毎月、まじめに返していると、武富士から「きちんと返すあなたは信用がある。もっと使いなさい」と、頼みもしないのに銀行口座に融資五十万円を振り込まれたことも。しかし、取り立ては過酷だった。
 取り立て規制が強くなる前は、返済が遅れると深夜に「借りた金は返せ」と電話がかかってきた。「借金をしていることを子どもの通う学校に言う」と脅された。
 武富士が破綻する直前は三十数万円の残高があり、「利子だけでいい」と言われて毎月七、八千円を返していた。しかし、返済が遅れると利子を千円上乗せするよう求められた。最後の返済は昨年九月二十四日。武富士が会社更生法の適用を申請する四日前だった。
 かつて消費者金融各社は、出資法の上限金利(29・2%)と利息制限法の上限金利(15〜20%)の間のあいまいな「グレーゾーン金利」で融資。二〇〇六年に最高裁が利息制限法を超える金利は無効との判断を示した。男性が市民団体に駆け込み、利息制限法の金利で計算し直すと、五百万円を払いすぎた「過払い」の状態だった。
 男性のケースでは、破綻前に請求していれば全額が戻った可能性がある。しかし、武富士の再建を目指す更生手続きを通じて、過払い金は九割以上帳消しにされ、数%しか戻らない見通しだ。武富士が男性と同様の過払い金がある人に届け出を呼びかけたところ、全国で約九十万件、計一・三兆円も届けられた。
 「違法な高金利で膨大な利益を得てきた上に、違法な経営で武富士を破綻させ、過払い金の返還をできなくさせた。私的な資産だけ残るのはきわめて不公平だ」。全国会議代表の新里宏二弁護士は、会見で力を込めた。
 訴状では、旧経営陣は▽利息制限法を超える利息を取っていると知りながら、違法な営業を放置した▽将来的に過払い金返還請求の増大が減収減益につながると認識しながら、株主への配当金を増やすなどして経営を破綻させた−などの責任があると主張。故武井保雄元会長や副社長だった次男の経営責任の追及だけでなく、妻と長男も武井元会長の責任を相続したと主張し、被告としたのが特徴だ。
 長男をめぐっては、武井元会長が生前贈与した海外の資産について、東京国税局が贈与税逃れだとして〇五年に追徴課税。長男が処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁は今年二月に取り消しを命じた。
 国は還付加算金約四百億円を上乗せした約二千億円を還付しており、新里弁護士は「公平な社会のためには、創業家の私財をきちっと吐き出させなければいけない」と述べた。会社更生手続きについても、過程が不透明だとして適正化を求めていく方針だ。
 今回の一斉提訴の原告は二十四都道府県の被害者八百四十九人で、請求額は十九億四千万円に上る。九月までに二、三百人が追加提訴する見込みだ。弁護団は顧客だった人に対し、相談を呼び掛けている。問い合わせは全国会議=電047(360)2123=へ。
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2011070702000044.html
(2011/7/7/東京新聞web)

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