2011年07月12日

「債務超過は7億円」えびす債権者説明会〜武富士の清算の可能性とミレニアム司法書士事務所の破産との違いは?

●ここ数日は武富士(DIP型会社更生法)とミレニアム司法書士事務所(破産)と、焼肉酒家えびす(フーズ・フォーラス;任意整理)の倒産事件を取り上げていますが、今回えびすについての最大の難点は食中毒を引き起こさせた被害者への弁償をどのようにおこなうかということとなっています。
 当初は、会社の不動産投資物件(店舗・土地建物)や株・預金・保険の財産をかき集めればなんとかなるであろうという考えもあったのかもしれませんが、蓋を開けてみれば、この間までは3億円の債務超過の予想で、今となっては7億円という数字に膨れ上がっています。被害者弁済を優先したいのは誰もが持っている気持ちはあると思います。しかし、債権者の方も貸し倒れのようになってしまっては、たまったものではありません。現在の任意整理では大変難しい事になります。この社長の懇願している「債権放棄」がまとまらなかった場合は、「特別清算」にうつるという話です。特別清算は破産のように、会社の事業を閉じることとそれに向かっての債権債務の「精算」作業なので、実質的には会社を閉じる事にはかわりがありません。では何が違うかというと、任意整理の場合は、申し立ての代理人弁護士も含めて、裁判所を通さない話し合い等で清算を行うことですが、特別清算となると、裁判所が入ってきて、「特別清算」に従ったルールを適用して清算作業が進んでいきます。いうなれば「ミレニアム司法書士事務所」が行う「破産」と同じように見えるのですが、破産は、破産管財人が利害関係のないところから裁判所の選任により登場し、債権者の意見というよりは、破産法のルールと破産管財人(弁護士)によるやや一方的な処理が多いのが実情です。
 しかし特別清算が破産とは違うのは、まず「債務超過」は実際におこったことではなく、明らかにこれから起こりそうという内容であることと、特別清算人が今の申し立ての弁護士(顧問弁護士)が付くことが多く(武富士のDIP型会社更生法も申し立て弁護士が更生管財人として就任しています。)、議事の進め方も、再生型の倒産処理のように債権者の出席数や意見などの多数決がまず尊重されるので、こういった意味で今までと違うのは裁判所が介入したということでいいのではないかと思います。

 おそらく「特別清算」と言っても、裁判所が介入しているだけの事になるのかと思うので、それが成立しない可能性もございます。その時は「破産」という手続きに入って、(公租公課や転職・再就職した人も含めて未払い賃金などの労働債権の優先弁済が行われ)法律と破産管財人の裁量でおこなっていくのではないかとおもいますし。その可能性が高いのではと私的には思います。
(債務超過になったという実績がないのにいきなり「破産」ということはないです。武富士の場合を見ると仮に過去において、過払い金の請求が大きく起こるであろうであれば、破産はダメだけど特別清算はヨシとなります。そのため「特別清算」という方法が用いられるのです。)

 そうなると被害者への完全弁済は厳しくなります。そのため勘坂康弘社長をはじめ、取締役等個人への経営責任を問うための、「損害賠償請求訴訟」を提起される可能性が高いかと思います。
「債務超過は7億円」えびす債権者説明会〜武富士の清算の可能性とミレニアム司法書士事務所の破産との違いは?


集団食中毒事件を起こした焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の運営会社で、解散して清算手続き中の「フーズ・フォーラス」(金沢市)は11日、金沢市内で債権者説明会を開いた。債務超過は7億円、被害者補償は5億円超とし、補償を最優先するため、債権放棄を求めたが、応じない債権者もいるとみられる。債務超過が解消できない場合、特別清算を裁判所に申し立てるとしており、被害者補償を十分に行うことは、困難な状況となっている。

 説明会では冒頭、勘坂康弘元社長が「深くおわび申し上げます」と謝罪し、「被害者優先、債権放棄にご賛同いただきたい」と訴えた。
 清算人らは、同社の負債は11億円超で、現時点では約7億円の債務超過と明らかにした。そのうえで、被害者補償について「5億円は下らない」とした。
 同社は9月末までに、債権や、被害者からの治療費について申告を受け、10月中旬から11月にかけて債権放棄を求めるが、理解が得られない場合、特別清算に移行する方針。その場合、清算手続きが終わるのは来年6月頃の見通し。
 説明会や記者会見によると、同社は、店舗売却や預金、保険金などで最大5億円近くを見込んでおり、債権放棄への同意が得られれば、これらを被害者への補償に充てたいとした。富山など4県の20店舗の売却では、全国でレストランを展開する企業と最終交渉に入っていることも報告した。
 治療費などの支払いについて、保険を使った場合でも早くて秋頃とした。しかし、現時点で預金は銀行3行が凍結しており、解除の見通しも立っていないことなどから、代理人弁護士らは「被害者らに100%満足してもらう補償は難しい」との認識を示した。
 説明会後、ある取引銀行の担当者は「凍結した口座預金と債権を相殺し、残りの債権を放棄する形で妥協したい」とし、債権放棄には応じるものの、担保として凍結している預金の解除には否定的な考えを示した。
 また、OA機器業者は、「会社には社会的責任を果たしてほしい」と債権放棄に理解を示す一方、食品卸業者は「未払い金を回収できなければ倒産する会社も出てくる。債権放棄には応じられない」とした。

(2011年7月12日  読売新聞)
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http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20110711-OYT8T00956.htm



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