●昨日の安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)の「経営破綻」発表の翌日になりますが、出資金の返還はかなり厳しい状況に追い込まれるのではないかと、思います。出資した人も厳しい状況ですが、その「最悪のシナリオ」は覚悟しておいておいた方がいいかと思います。
しかし、そうは言っても、出資した以上元金(できれば配当相当の分も)を取り戻す事も落ち着いて考えなくてはなりません。諦めるのはまだ早すぎます。だからといって、「のほほん」としていてはいけません。このまま「のほほん」としていれば本来帰ってくるべきものも帰ってこないのが実情です。
では、どうすればよいか。それは、可能であれば出資者同士のサークル(社会人サークルと同様の運営でかまわない被害者の会)を作ることです。本来ならそのサークルを消費者系の弁護士が率先してつくれればいいのですが、こういった安愚楽牧場関係に過失(善管注意義務違反など)があるのかわからない状況では、なかなか出来ないのが実情です。
本来それだけの債務(負債が600億円超)という金額にもなれば、当然倒産(民事再生法の適用申請など法的整理)をしてもおかしくありません。それを行わないのは、やはりその破綻のきっかけが東京電力の福島第一原発の放射能汚染によるもので、その「補償金」の宛を見込んでいると目論んでいるのだと思います。
しかし、出資者への配当や返金どころか仕入れ業者への支払いも停止している現在、仕入れ業者にでも優先して代金を払って行かなければ、仕入先は安愚楽牧場より先に破綻してしまいます。東電や政府へがすぐにでも補償金を払ってくれるのなら別ですが、どう考えてもすぐにいや2〜3箇月後に払ってくれるような気配は今までの状況を見ても期待できないでしょう。となると安愚楽牧場への補償金の支払いよりも、安愚楽牧場の法的整理の方が先にきてしまいます。
そうなれば出資者独自の破綻原因究明も含めて、集団で訴訟を起こすしかないのです。その訴訟相手も安愚楽牧場だけでなく、東電と政府へも同様に被告として仕向けるしかないのです。
それに昨日の破綻の直前の知らせまで、当ブログでも「牛さんへのお小遣い」と題した広告宣伝が著しく頻繁に掲載されていたのも記憶に強く残っています。そうなると、8月1日近くに募集していた出資金についてはその使用に着手していない可能性も考えられますので、それだけ返金という事も考えられます。
◇那須塩原本社に
会員3万人の「和牛オーナー」制度で知られる安愚楽(あぐら)牧場(那須塩原市、三ケ尻久美子代表)の経営悪化が報じられたことなどを受け、同市埼玉の本社には出資者らが説明や出資金の返還を求めて駆けつけた。
代理人弁護士の通知書や出資者らによると、先月分の配当金などがまだ支払われていないという。
1日には本社の電話も通じない状況。門扉には「社員以外立入禁止」と書かれた張り紙が張られていた。警備員から通知書を手渡された出資者らが、不満を口にしながらもなすすべなく引きあげる姿も見られた。
通知書には代理人弁護士名で経営悪化が報告され「負債状況を正確に把握し、今後の方針を早々に決定する必要から、お支払いは目下停止させていただいている」と書かれている。
1億円を投資しているという群馬県内の主婦(47)は「先月の配当金が入らず電話も通じないので確認しに来ました」と夫と車でやってきたと話す。通知書を見て「どうなるのか」と不安を隠し切れない表情だった。
また、2500万円を出資しているという埼玉県内の主婦(61)は「元金だけは返してもらいたい」と怒りをあらわにしていた。
栃木県にも出資者から数件の問い合わせが寄せられたという。
同牧場は1981年設立。「繁殖牛のオーナー」として会員から出資を募り、生まれた子牛の売却益を配当金とする方式で資金調達してきた。
同社のホームページによると、「売買・飼養委託契約金」として100万円(4年契約)を同社に支払うと、年1回、3万8000円の配当が得られるとしている。金融商品としては年利3・8%の高利回りで人気となっていた。同社はその商法の元祖といわれている。
しかし、同種のビジネスを手がけた後続業者の中には、実際には牛を飼育しないで資金集めだけをする詐欺や、自転車操業による破たんなどが、90年代に相次いで発生、社会問題化した。同社は「最後の砦(とりで)」と言われていた。
同社が出資者に示した通知書によると、問い合わせ先は電話050・5505・3720。受付時間は月〜金曜日の午前9〜午後5時。【柴田光二、泉谷由梨子】
原発事故担当相:安愚楽牧場は「賠償対象に」
安愚楽牧場:資金繰り悪化 原発事故などが拍車
地デジ詐欺:チューナー代金1万2000円被害 神戸
地デジ:「難民」にならないためのQ&A
社債販売:詐欺容疑などで17人逮捕 実は実態なく
毎日新聞 2011年8月2日 地方版
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20110802ddlk09020231000c.html
2011/8/2/毎日新聞地方版
細野氏、原発事故で経営難の安愚楽牧場「賠償スキームの可能性十分ある」
2011.8.2 11:06
細野豪志原発事故担当相は2日午前の記者会見で、黒毛和牛生産を全国展開する畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県那須町)が東京電力福島第1原発事故で牛肉価格が下落したことなどから経営難に陥っている問題について「賠償スキームの対象になる可能性は十分にある。専門家でしっかりと確認してもらう」と述べた。
また福島第1原発1、2号機の原子炉建屋間にある屋外の主排気筒下部付近で、毎時10シーベルト以上の高放射線量が観測されたことには、「どういった形で外に出ているか解明できていないので確認しなくてはいけない」と指摘。収束に向けた作業について「当面の作業に影響は出てこないと思うが、状況次第では中長期的に対応していかないといけないことはあり得る」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110802/plc11080211080017-n1.htm
2011/8/2/MSN産経ニュース
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