林原メセナは「当面継続」〜不採算事業はやはり撤退が好ましい？

●会社更生手続き中の林原は「メセナ」という林原美術館や類人猿研究センターや恐竜化石発掘調査の事業をやっているところとのことです。その事業にかんしては、あまり収益の出ない事業だそうです。
　美術館なんかは、美術品自体が価値ある資産なので不動産投資同様、この美術品を飾って入場料を取ればそれないの収益はあるのかと思います。類人園研究センターや化石の研究などは「民間の事業」としては、あまりどころか採算が取れない事業なのだと思います。儲かっている時はそれでもイメージのために寄付的な社会貢献としてよかったのかもしれませんが、倒産したスポンサーがそういうものまで引き継ぐのはとても厳しい状況かと思います。長瀬の社長の発言は誰でもが当然行う当然のことです。
　倒産した会社を引き継ぐというのは、負債を大きくかぶることなのですから、引き継ぐという行為だけでもすごいのかと思います。
従業員も転職や再就職をする人はいると思いますが「雇用」の確保をするということで、その部分もかなり力のあることだと思います。

林原メセナは「当面継続」〜不採算事業はやはり撤退が好ましい？
2011年08月05日

会見であいさつする林原の福田恵温社長を見つめる長瀬産業の長瀬洋社長（左から４人目）＝岡山市北区

■長瀬産業社長　長期的には含みも
　　経営破綻（は・たん）したバイオ企業・林原（岡山市）のスポンサーに決まった化学品専門商社「長瀬産業」（大阪市）が４日、林原の本社で会見した。地元や学術界から存続を望む声が強いメセナ事業について、長瀬洋社長は「当面は継続する」としたが、長期的に引き継ぐかは明言を避けた。
　会見には、長瀬産業の経営陣、林原の管財人である松嶋英機弁護士、林原の福田恵温社長らが出席した。
　林原の今後について、長瀬社長は「今のまま岡山に軸足を置いて事業を続けてもらい、林原の会社名も当面は残す」との考えを示し、従業員の雇用も継続すると断言した。
　７００億円の買収額についても、「私どものグループになって相乗効果で将来の発展を考えれば高くはない」とし、強い期待をうかがわせた。
　報道陣からは、林原美術館や類人猿研究センター、モンゴルでの恐竜化石発掘調査などメセナ事業の存続について質問が相次いだ。
　長瀬社長は「林原のメセナが社会的にも意味のある事業であることは理解している。当面はそのままの継続を考えている」と説明。だが「長瀬には、あまり事業に関係ないことを大々的にするという文化はない」とし、「将来、もっといい主体が出てきたら引き継ぐか考えたい」と述べた。
　「当面」の時期については、「２、３カ月ということはないが、１年なのか数年なのか十数年なのかは、今の時点でお答えしかねる」と答えた。
　会見内容を知った林原自然科学博物館の男性スタッフは、「ありがたい。メセナを続けてよかったと思われるよう、これからも研究や展覧会を頑張りたい」と安堵（あん・ど）した様子だった。
　また会見で、林原の管財人は、林原が所有するＪＲ岡山駅前の駐車場について、本業やメセナとは別の入札で売却先を決めると説明。来月をめどに決定するとし、「（入札に参加しているどの企業も）相当立派な商業施設の開発計画を持っていて素晴らしい」と話した。（吉村治彦）

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