●原発事故の賠償請求は、とても大きなお金が動く事件で、弁護士による過払い金請求・交通事故(自動車保険などの案件も含む)・労働紛争とともに大きな仕事の市場となる事が大きく予想されています。
なぜ原発賠償の専門の解決センターを設けているかというと、被害者の東電への賠償が出来ないとなると、当然裁判(民事訴訟)で解決しなければなりません。裁判は原告・被告双方とも労力と時間とお金がかかり、さらに裁判官の負担迄大きくなります。裁判官が暇であれば、まだそれでいいのですが、裁判は刑事事件・民事事件とも裁判官にとって過密スケジュールでひとりの裁判官が何軒も事件を抱えているという事もあり、その前段階といえる裁判外紛争解決で裁判による大きな負担を避けさらに「迅速な解決」を目指していこうというのがここでの目的になるのかと思います。
労働問題では、会社と従業員との個人的な紛争(個別紛争)が多くなり、厚生労働省による紛争解決が設けられました。それに相当するのが政府の裁判外紛争解決手続きと言えるのではないのでしょうか。
裁判ではないので、その判定に納得が出来ない場合は、振り出しに戻して「裁判」ということになるのだと思います。
さらに労働問題では、裁判所の管轄といえる「労働審判」が2006年から施行されました。これは、調停と口頭弁論の両方を兼ね備えたといえるもので、その部分がまだ原発事件に関しては設定されていないので、今後の紛争の数においては、このような裁判前の審判とも言える、「原子力損害賠償審判」なる機関が設けられる可能性もあるのではないかと思います。
特に今回は安愚楽牧場(安愚楽牧場被害)は原子力損害賠償と大きく絡んでいることもあり、その部分で「早期」に解決しなければ、被害の拡大(仕入先や預託農家の連鎖倒産)が危ぶまれますのでその部分も含めて迅速な解決金が払われるような体制をとっていただきたいものです。
原発賠償へ解決センター、弁護士ら50人が仲介〜皮肉にも過払い金請求・交通事故(自動車保険)・労働紛争と並んで大きな市場へ
福島原発
東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償をめぐり、東電と被害者が賠償額などで合意できない場合、和解を仲介する政府の裁判外紛争解決手続き(ADR)の組織概要が16日、明らかになった。
原子力損害賠償紛争審査会の下に裁判官経験者を委員長とする「総括委員会」を新設し、和解仲介の司令塔の役割を持たせる。また、法曹三者を幹部とする「原子力損害賠償紛争和解仲介室」を文部科学省内に設け、総括委を事務面で支え、必要に応じてトラブル事案の調査も行う。
政府はこれら組織を一括して「原子力損害賠償紛争解決センター」と名付け、9月から業務を開始する予定だ。
ADRは、中立の立場の弁護士らが、当事者の間に入り、裁判以外の方法で仲介する民事上の紛争解決手段。今回、その中核となる総括委は、裁判官経験者の委員長と、弁護士、学者の2委員で構成される。この総括委の下、弁護士ら約50人が「仲介委員」となり、東京、福島で個々の事案の和解・仲介に当たる。総括委は事案の割り振りや進行状況を管理・点検する。
(2011年8月17日03時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110816-OYT1T01184.htm
posted by 管理人B at 12:45| 東京 ☀|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
原発事故損害賠償請求
|

|