2011年08月23日

二重ローン対策 企業支援も待ったなしだ〜債務整理(「私的整理」)の支援は急がなくては連鎖倒産などの被害に

●「二重ローン」という言葉がよく使われるところは、被災による不動産事業者物件についてがとても多いです。
例えば、2011年初めに土地付き工場を銀行ローンで購入と稼働を開始し、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)において津波で流されてしまいました。そして、また再び工場を立て直そうと新たな地で銀行のローンによって、工場を作って現在(震災の影響もなく)稼働しているという会社があるとします。

 その会社は物件は一つしかなくても以前流された工場のローンと現在の工場のローンの2つが存在するということです。当然両方払わなくてはなりません。流された工場の返済金が1箇月20万円で、現在の工場の返済が10万円とすると、毎月30万円の返済をしていくそんな事になります。
 それは毎月の売上から支払うので、何かの影響で売上が不振になったりして払われない場合は、当然「倒産」の坩堝(るつぼ)にはまってしまうことになるのです。
 地震保険に入っている人もいますが、地震保険も満足に全額補償ということも少ない部分がおおいです。また自動車(自家用車)の所有での二重ローンはまだ対象にはなっていませんが、現在の自動車保険は主に交通事故にたいするものなので、その部分までみると「二重ローン」の苦境の裾野は広いです。

 そんなことが無いように企業政府の対策として、「私的整理」の手法による債務免除をしましょうということを行うのです。それは被災地での個人での「住宅ローン」による考えも同じです。
 今問題とされているのはその受け皿(基金・ファンド)がまだしっかりと組成されていないということです。
その問題も急がなければなりません。
 弁護士の活躍の場も過払い金だけでなく、今年最大の倒産の安愚楽牧場被害問題やこのような被災地関連の債務整理関連と幅が広がってきています。言い方は悪いですが景気回復を迅速にするためにも「弁護士」の活動の場をつくって行くことも間接的な景気・雇用対策にもなるのかと思います。




二重ローン対策 企業支援も待ったなしだ〜債務整理(「私的整理」)の支援は急がなくては連鎖倒産などの被害に
2011.8.23 03:01
 東日本大震災の被災者や企業が抱える「二重ローン」問題で、個人が抱える借金について「私的整理」の手法に基づく債務免除の申請受け付けが22日から始まった。

 一方で債務総額1兆円超ともいわれる被災企業向け支援は遅れている。被災した中小企業の返済負担を軽減するためのファンド(基金)の具体像をめぐって与野党が一致しないからだ。

 企業再生は地元経済と雇用を支える復旧・復興の要だ。これ以上の支援の遅れは許されない。政府・与党案と野党案に決定的な違いはなく、政府は早急に合意に向けた取りまとめに動くべきだ。

 被災地では震災5カ月を過ぎた今も倒産や廃業が相次いでいる。二重ローンに苦しむ被災企業に対し、与野党は6月、融資元の金融機関から債権を買い取り、返済猶予や債権放棄などで支援するファンドの設立方針で合意した。

 ところが、それから2カ月過ぎた今も、どこが出資し、いかに運営するのかというファンドの姿が明確になっていない。

 政府・与党案は、現行の産業活力再生法に基づいて中小企業基盤整備機構が8割、被災地の金融機関が2割出資して被災県ごとにファンドを作る。これに対し、自民・公明両党は政府全額出資で2兆円規模のファンドを作る新たな法案を国会に提出した。法案は先に審議された参院を野党の賛成多数で通過し、衆院に送られた。

 与野党案の主な違いは公的資金の出資割合だ。加えて、野党側は「現行法に基づく政府案では農林水産業者が救済されない」などと指摘するが、与党側は現行法でカバーできるとしている。双方が歩み寄れない理由はみえない。
政治のもたつきに業を煮やしたように、支援を急ぐ岩手、宮城、福島の3県は来月のファンド設立に向けて準備を進めている。政府の支援が遅れたままでは、自立的に立ち直りに努めてきた企業までも巻き添えにしかねない。

 地元が望むのは中小企業を一刻も早く再生させ、雇用を生み出すことだ。国会会期末を控えて政党間の駆け引きが支援の足かせになっているとしたら問題である。

 個人債務の私的整理は「安定収入がある人」を除外するなど支援のハードルは依然高いが、ともかくもスタートを切った。この上は被災企業支援に与野党が最大のスピードで取り組んでほしい。

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http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110823/plc11082303010001-n2.htm
(2011/8/23/MSN産経ニュース)



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