2011年09月04日

損害賠償請求訴訟、9月8日から控訴審、賃貸住宅での自殺での遺族への負担はどうなる

●大家にとって、物件で事故(家賃滞納・著しい汚損毀損・自殺等)があると、やはり困ってしまいます。
結局賃借人が起こしたことだから賃借人に請求することになるのですが、自殺の場合は大家は当然賃借人の親族にも大きな負担がかかります。

 最近はそういったことまでカバーできるような少額短期保険も出てきたため、そういったものを賃借人が利用すれば、問題はないのかと思います。賃借時の連帯保証人代行自体もそんなに古い商売ではないので、今後も少額短期保険においては、浸透していくものと見ています。

 家主や管理会社の方としても、やはり借り手には、最低賃借条件を主としている火災保険だけでなく、自殺をしてもその負担を拠出してくれるような「少額短期保険」に加入してもらうべきだと思います。

 しかし、保険の実施している現状が、「自殺により」の保証が月200円で最大100万円となると、全賃借数に対する自殺の割合は1万件に1件位の割合の発生や補償額が100万円では済まなくなることも多いという事を考えると、少額短期保険の開発などが途上の状態なのではないかと思います。




損害賠償請求訴訟、9月8日から控訴審、賃貸住宅での自殺での遺族への負担はどうなる


損賠訴訟:賃貸住宅で自殺、遺族に賠償請求 8日から控訴審

 ◇借り手つかず減額の家賃、修理費… 「全額請求は不当」遺族反論
 賃貸住宅で起きた自殺について、大家が遺族に損害賠償を求めた訴訟の控訴審が8日、東京高裁で始まる。1審は遺族に約160万円の支払いを命じている。自殺者が年間3万人を超え続ける今、賃貸住宅をめぐって何が起きているのか。【中村美奈子】

 東北地方に住む自営業の男性(56)は09年3月、大学生の長女を自殺で失った。長女は住んでいた首都圏のワンルームマンションの居間のドアで首をつり、当日発見された。

 部屋の契約者は父親だった。翌月に部屋を退去する際、不動産仲介業者と工務店員計6人が立ち会いに現れた。修繕箇所を指摘されることはなかったが、仲介業者は父親に「入居者がいないかもしれない。ご負担をお願いするかもしれません」と告げた。

 5月ごろ、仲介業者から「ユニットバスの天井が破損している。空室分の家賃や修繕費、原状回復費用、部屋の供養料など284万円の支払いを求める」という内容証明の郵便が届いた。

 父親は自営業だが、景気低迷で年収は約200万円。教育ローンや店の借金を毎月50万円返済しており、金銭的な余裕は全くない。「あまりに法外な金額だ。生活できなくなる」と困り果てた。

 09年11月、大家が293万円を求めて提訴した。月8万円の家賃を4万6000円に下げたといい、請求額の大半は減額分だった。遺体の発見場所は居間だったが、大家側は浴室で自殺したと主張し、浴室の修繕代も求めた。借り手である父親が娘に注意を払っていなかったとして注意義務違反も主張した。

 宅建業法の条文から、自殺があった物件は借り手への説明が義務づけられていると解釈されている。敬遠されて借り手がつかず家賃を下げるのが慣例となっており、大家側は、長女の自殺は物件に心理的瑕疵(かし)(心理的欠陥)を与えたと主張した。

 これに対し父親側は「自殺者は正常な判断能力に欠け責任能力はなく、支払う義務はない。心理的欠陥は偏見に過ぎない。損害を遺族に全額請求するのは不当」と反論した。

 今年1月の地裁判決は、父親の注意義務違反と物件の心理的瑕疵を認め、約160万円の賠償を命じた。減額した家賃の補償については、大家が6年分を請求したが、判決は2年5カ月しか認めなかった。父親は控訴した。

 父親側の金塚彩乃弁護士は「賃貸住宅と自殺をめぐる訴訟では、高裁にかかったのが初めてとみられ、リーディングケースになる。今後は、心理的瑕疵をどう解釈するかが焦点だ」と語る。

 大家とその弁護士は毎日新聞の取材に応じず、「裁判所が判断する話」とだけ答えた。

   ◇  ◇

 賃貸業者はどう考えているのか。

 大家が会員となっている「全国賃貸住宅経営協会」の稲本昭二事務局長は「国が賠償のガイドラインを作るべきだ。現状では遺族や保証人にお願いするしかないが、大半の大家は自分も費用を負担している。物件が築浅で大家にローンが残っていれば、請求額は大きくなる」と話す。

 「裁判例はまだ2件程度だが、昨年暮れから訴訟や調停が目立ち始めた」。控訴審弁護団の和泉貴士弁護士は指摘する。東京地裁では07年と10年に判決が出ており、ともに大家が勝訴。それぞれ132万円、361万円の支払いを遺族や連帯保証人に命じた。

 和泉弁護士によると8月、関西のワンルームマンションで自殺した女子大生の父親に対し、契約者として大家が損害賠償を求めた調停が和解した。大家は3年間の空室補償約300万円を請求したが、調停委員が強く和解を勧め、100万円超で折り合った。

 自殺による賃貸住宅の家賃保証や原状回復費用をカバーする保険も出てきた。エース損害保険は昨年4月、物件の管理会社向けに国内で初めて発売。1戸室当たり月200円の保険料なら100万円を支払う。

 アイアル少額短期保険は今年8月、大家も管理会社も加入できる商品を発売した。月額300円の保険料で最大300万円が保険金として下りる。大家の問い合わせは多いが、所有物件が20戸室以下との条件に合わず、加入できないケースが大半だという。

   ◇  ◇

 遺族側も情報収集や対策に動き始めた。

 全国自死遺族連絡会(仙台市)は7月、自殺があった賃貸住宅の補償に関するシンポジウムを東京都内で開いた。田中幸子代表によると、遺族の多くが大家の言い値で泣き寝入りするという。

 連絡会は9月11日午後1時、東京都の江戸川区総合文化センターで「全国自死遺族フォーラム」(入場無料)を開き、午後3時半からこの問題について議論する。

 ◇海外では
 欧米の事情は日本と異なる。息子を自殺で亡くした米国の社会学者、ウィリアム・フィーゲルマンさんは「米国で同様の訴訟は聞いたことがない。明らかに自殺に対する偏見だ」と話す。

 同氏によると米国では、自殺など死亡現場となった物件の扱いは州によって違う。ニューヨーク州やフロリダ州、アリゾナ州などは物件での死亡を欠陥とは見なさず、次の借り手への告知義務はない。カリフォルニア州では3年間告知義務がある。賃貸仲介大手エイブルによると、英国では自殺の告知義務はなく、家主の判断に任されるという。

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 ■体験お寄せください

 賃貸住宅での自殺をめぐる体験談を募集します。郵便は下記の宛先、メールはページ上段のアドレスへ。ファクスは03・3212・5177。

札幌・中2自殺:現場近くの階段に「死ね」の落書き
高1自殺か:踏切に侵入はねられ死亡 姫路・JR山陽線
民家に2遺体:48歳自殺…不正受給? 押し入れに母遺体
震災関連自殺:6月だけで16人、50歳以上8割 内閣府
訃報:伊良部秀輝さん42歳 自殺 元ヤンキース投手
毎日新聞 2011年9月1日 東京朝刊

http://mainichi.jp/life/housing/news/20110901ddm013100007000c.html



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posted by 管理人B at 13:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 賃借人・不動産所有(持家)関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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