2011年09月29日

民事再生から破産へ移行した時の傾向と安愚楽牧場被害対策

民事再生から破産へ移行した時の傾向と安愚楽牧場被害対策


 前回は、安愚楽牧場が民事再生してからのスケジュールや経緯をお伝えしましたが、
民事再生手続きが頓挫(とんざ)した時に「破産」へと移行した時の状況をおつたえします。
 必ずしも「破産」になるとは限りませんが、今までの状況や過去の類似した事件とを照らし合わせると「破産」に移行する可能性が充分にございますので、「破産」になった時の安愚楽牧場の状態などのイメージをしておくことが十分に必要になります。
 特に預託農場や和牛オーナー債権者も安愚楽牧場の今後がイメージや予想を立てるということが、今後の被害対策や自分自身の生活の再建の手助けとなるので、「安愚楽牧場の今後」についてイメージをしていただけたらと思います。
 

 なぜ、以前から「破産」を強調しているのかといいますと、安愚楽牧場の倒産宣言(つまり2011年8月1日)をした時の負債が4330億円でしかもその負債の97%強の約4200億円が7万人いるオーナー債権であるということを考えれば、やはり東日本大震災の影響ということには当然考えられず、それ以前の2010年の「口蹄疫」による損失拡大と考えても少し無理があるような負債の比率なので、やはり経営に無理があったのかということになります。当然自転車操業(チャリンカー)も倒産宣言直前において、「被災地応援コース」と題して、今までとはかんがえられないような年8%もの利息を付けるような配当を「約束」するなど、やはり損失や配当を新たな出資金で賄おうと考えても当然ではないかと思われるような運営となっているため、やはり「破産」で倒産処理を行わなければ、本当の安愚楽牧場の被害回復は望めないそのような結果となっているということです。


 今後、民事再生を進めていく上でまず、破産となる可能性の第一歩が来年2月14日に提出される「再生計画案」に対する採決(賛成か反対かをきめること)になります。
 その日付はあくまでも2月14日になので、実際に投票する日はそれよりあとになります。先日もおつたえしたようにこの再生計画案の提出は延長することができます。そうなると5月14日という事になり、実際の投票は夏になってしまうとう事も大方予想されます。

 それ以前にも、何らかの犯罪の発覚などがあれば、破産となったりすることがあったり、また民事再生でも管財人が立つような事もあるのかと思いますが、それらはあまり発覚する確率が低かったり、管財人を立てるにはよほど裁判所が納得する理由や証拠もないかぎり安易に認めることがないので、やはり「民事再生法」における再生計画案の採決が最初の「破産」への登竜門になるのかと思います。

 仮に採決で賛成票が上回り、再生計画案が実行されるとしたら、恐ら「く再生計画案の提示内容」が債権者にとってやや有利となるような内容であると考えられますので、それが実行されるとしても、まだ計画不履行などが生じて、その後において破産になることも充分に考えられます。したがって、民事再生法を最後まで突き通すことは考えにくいところに来ています。

 では、再生計画案が延長され2012年5月14日に計画案がでると、2012年7月や8月の投票と考えられます。そして、否決多数で否決されると、現在の経営陣は、退陣して、破産管財人が立ちます。破産管財人は現在の監督委員(弁護士)が横滑りで就任することが慣例になっていますので今回も恐らくそのようになるのかと思います。
 すると、破産管財人は安愚楽牧場の真の財務内容を精査作成していくことになるので、民事再生では見えなかったことが見えてくるようになります。そしてその発表である第1回の安愚楽牧場の債権者集会(破産)で明らかにされます。しかしその期日は大型の倒産処理でもあるため、「破産債権届け」なども発生するため、破産となってから約1年近くの期日が必要になるのかとおもいますので、来年の2012年中には「破産者株式会社安愚楽牧場第1回債権者集会」の実現は難しい模様です。するとその期日はいつになるかといいますと2013年6月位が大方予想されます。

 第1回の破産での債権者集会では、破産管財人から安愚楽牧場の破綻の経緯やその財務状況と現時点(債権者集会当日での)残余財産の状況そして、不正らしきものがあった場合はその報告もあわせてなされます。

 それが何を示すかといいますと、刑事事件の発端となる「証拠」が明るみになります。不正等がなければそのようなことはありませんが、そのような事実があれば、その材料をもとに被害者と言える人が刑事告訴なり、またオーナーの代理人である被害者弁護団が「やる気があれば」告発もしくは依頼者の代理で告訴という運びになります。

 それ以前でも、「不正」や「詐欺容疑」が明らかになれば、当然警察での強制捜査の対象になりますが、民事再生においては、従業員が内部告発をしたりしない限り発覚することは難しく、刑事事件として進展するオーソドックスな機会が破産後の「債権者集会」となるということになります。


 また破産における破産管財人の任務は、いち早く財産をお金に替えて、債権者に分配し、会社の責任を免責させることが目的ですので、不正があったからと言って、刑事告訴するということは積極的には行いません。

 また、その時点になって(現在から第1回の破産時の債権者集会迄2年近くの歳月を要すると残余財産が牛の餌でなくなってしまう可能性もあります)残余財産が今より大きく減っている可能性があるので、ややもすると、最も優先的に支払われるべき「破産管財人の報酬」(約1億円)も満足に支払われないこととなると、債権者への配当は勿論、どこかで廃止(異時廃止)ということにもなりかねません。

 だから民事再生を続けるという意見もあるのかもしれませんが、現時点で配当率が1%ではないかといわれている現在を考えれば、民事再生も破産も同じ結果となり、民事再生では真の理由があきらかにならず、破産ではかなりの事が明らかになるという違いがでてくることの違いだけです。もちろん、破産では明らかになるわけですから、その責任対象も明確になり、管財人から旧経営人に賠償請求を起こすことも充分有りうることになります。(これは刑事事件は消極的だけど、破産会社の権利を主張することは積極的に行います。)


 そうなると「わかる債権者」(情報を収集している債権者)としては「破産」の方がスッキリするという選択をするということになります。 「破産」の続きは別の機会に。




【関連する記事】
この記事へのコメント
全国弁護団に入るか悩んでいます。説明会に出られませんでしたので、申込み書類一式を郵送で取り寄せました。委任書は内容が理解できません。理解しないまま署名したくないです。全国弁護団は委任前に相談の機会を設けないとのこと。でも入らないと不利益?毎日悩んでいます。
Posted by 悲嘆 at 2011年10月02日 22:07
悲嘆 様

 こんばんは、コメントありがとうございます。
弁護団の委任関しては、内容を理解して加入されるべきだと思いますので、理解しない(もしくは理解できる機会がないまま)まま委任をしてしまうと、やはり後々になり「こんなはずじゃなかった」ということでトラブルとなりやすいので、加入するのであれば「理解」(及び納得)された上での加入すべきです。

 そして「理解」された事を前提で話を進めたいと思います。

 もし悲嘆 様が「もう全財産をつぎ込んでしまい少しのお金でも出したくない」というのであれば、委任はおすすめしません。
 なぜなら、委任をしない方が委任をするより結果的に手元にお金が多くもどってくるという可能性も充分にあるからです。

 弁護団に委任するというのは最終的には、関係者(法人としての安愚楽牧場以外の関係者、例えば、経営陣など)に対して「損害賠償請求訴訟」を起こす段階に持ち込める事によって、初めて委任者に実質な効果があるので、それが果たして実現できるかどうかわからない現在では、おすすめできません。
 さらに先に述べたように、委任した方が足がでてしまったという事も充分有り得ますのでおすすめはいたしません。


 もう一つは悲嘆様が手持ち資金に困っている訳ではない場合は、委任されることをおすすめします。
 実際にこの問題を解決するには被害者が結集しなければ声をあげることができないので、一人でも多く集まる事が問題解決への一歩となるのです。そして、大人数が集まれば集まるほど、できないことができるようになるのです。
 ただ先にも述べたように、委任しないほうが金銭できな面では結果的によかったということも充分にありえます。


 つまりまとめますと
弁護団に委任するには理解した上で、

もうこれ以上の出費はできないということであれば、委任しない。

 先の生活に困るわけではないのであれば委任する。

 この2つの状況と悲嘆様の状況を照らし合わせてご判断いただければよいのではないのかと思います。

 尚現在弁護団に委任することがどこまでやってくれるのかということは、恐らく、債権届けの代行と、今後訴訟を起こすことの委任する権利の2つではないかと思います。
 訴訟を起こす場合(2年とか3年近く先になるのではと思います)は新たに着手金が必要になりますし、民事再生(もしくは破産)手続きにおいて弁済が行われた場合は約1割位の「成功報酬」を支払うのが普通となっています。


 






Posted by 管理人C at 2011年10月02日 23:09
繁殖預託農家ですが、現在支払われている預託料(共益債権)が止まった時点で預託牛を債権担保として押さえることはできないでしょうか。やはり債権があっても返さなければならないのでしょうか?繁殖用の牛はそのまま屠畜しても運送費や屠畜料などで1、2万の値段にしかなりません。それに一度に出せる頭数も限られているので、その間の飼養費等で消えていきます。ですからちゃんと餌を与えて肥育(約1年)して、肉牛として売りたいのですが。また、若い牛は種付けをして子牛生ませたいのですが、どうなんでしょう?
Posted by お先真っ暗 at 2011年10月03日 15:47
お先真っ暗 様

 こんばんは預託農家様ということで今大変ご不安なことと、ご察しします。
 安愚楽牧場の方では代理人(栃木柳沢法律事務所)の裁量(アドバイス)で、預託料(共益債権)の支払いは、民事再生とは別個に一般債権に優先して支払いはしっかりとやるものと思いますが、預託料の滞納が長くづづけば、強制執行などの申し立てで現在の安愚楽の資産から分捕る方法がとれるものと思います。また、現在預かっておられる安愚楽からの牛は預託契約がどうなっているのかわかりませんが、担保であれば担保権を行使できますし、担保でなくても、預託料の滞納(金額にもよりますが)それを牛質にすることもできます。
 その時は、安愚楽もそういう危機が迫ってきたら事前に協議するでしょう。裁判所からも牛に関する共益債権に絡んでいるため現在の資産状況も報告を求めている決定があったようです。

 また安愚楽の方としても分取られると民事再生に影響がでるということであれば、裁判所に「分捕り禁止」などを要求することと思います。その時の状況で滞納額と牛の資産などを見比べて、裁判所の判断によるでしょう。

 ただそこまで来てしまうと、仮に牛をぶんどっても資産とはいえ、餌を与え続けなければならないし、逆に損をしてしまうという可能性もあるのかと思います。
牛を「お先真っ暗」様が買い取るとかそのような意志をしめすということであれば、安愚楽牧場はいち早く牛を処分したいと思いますので賛成を示す可能性もあります。
 話によると「預託システム」のようになっているから、自分で購入しないで、農家さんもやれるという話も聞きます。
 

 生き物だけにその判断が難しいところだと思います。
Posted by 管理人C at 2011年10月03日 21:57
こんにちは、親切丁寧なコメント有難うございます。
なぜ安愚楽牧場がこの様な事態になってしまったのか。

畜産業界では20年前から牛肉自由化と円高の影響をうけてそれまで肉牛の主流だったホルスタイン(搾乳用牛)の雄牛の価格が暴落し、とても補助金なしでは経営が成り立たなくなっていきました。
そこで外国の肉との差別化を図るべく和牛に注目が集まるようになりました。しかし和牛は高価で数も少なく、これをいかに多頭飼育できるかが当面の課題でした。そんな厳しい環境で銀行が融資をするはずもなく、そこに目を付けたのがオーナー制度だったのではないでしょうか。バブルが崩壊し都会で疲弊した日本人にふるさととの懸け橋的なイメージで会員を集めたこのシステムは低金利時代も後押しして瞬く間に拡大し安愚楽さん自身驚くほどの資金が集まり、その資金をもとにホテル、レストラン、食品加工などの事業にも手を伸ばし牛の施設も新規増設し拡大の一途を突き進んだのでしょう。安愚楽が拡大したもう一つの要因が乳価下落による農家の離農です。空になった既存の施設に牛を預けることで初期投資が全くいらずに増頭できるのです。
当然、安愚楽をまねて悪徳業者があらわれるのも必然でした。
しかし、悪徳なことをしなければならないほど和牛の業界はきびしい状況でした。施設、土地があっても決して楽な商売ではありません。安愚楽が今日まで生き延びられたのが常に不思議でなりませんでした。出資法、BSE、口蹄疫、と苦難はありましたがそれを乗り切りっていた様に思われますがそうではないと思います。当初から自転車操業の繰り返しでオーナーを増やし規模を拡大することでしか継続できない状況があったのでしょう。安愚楽にとってはオーナーに対する配当を滞らせることが致命傷とわかっていたからです。数年前から取引業者への支払いサイトがどんどん伸びるたびに畜産業界では危機説がうわさされていました。

そして今回の倒産で明るみになった4200億というオーナー債権額には近くにいた私も度肝を抜かれました。15万頭の牛の内、オーナーの牛である繁殖親牛は肉牛に2年半かかる計算から1/3でしょう。割り返すと単純に1頭840万の計算です。50万で買える牛の資金にこの金額!
こんな資金を手に入れて潰れることがあるの?どこにお金が消えたの?ふところ?政治資金?宗教団体?同○?や○ざ?七不思議です。

安愚楽が初めから詐欺目的であったとは思いませんが・・・・
しかし、ここまで拡大した安愚楽が倒産したことによって業界内ではほくそ笑む人が多いのも事実です。牧草、稲わら、敷きわら価格の暴落に頭数減による肉牛価格の回復など、でも安愚楽と関連する関係の被害者も甚大です。
今後どの様な展開が待っているかわかりませんが仲間と連携してもうすこし頑張ってみようとおもいます。

すみません長々と、思い返してるうちについ・・
オーナーの方々に比べたらまだ牛がいるだけましなのかもしれませんね。

Posted by お先真っ暗 at 2011年10月04日 16:16
お先真っ暗 様


 こんにちは、詳細なコメント情報のご提供までいただき有難うございます。

 なぜか大事なコメントに気が付かず、今になっての発見ですみません。


 今までマスコミ等で報道されていた話では少なくとも5年前にはこのような自転車操業がおこなわ
れていたという推測なのですが、お伝えいただいた内容だと、もっと前からということとなりこの事業が「負債の安定成長」なのか、実に不可解さを物語っている感じがします。

 私も当初安愚楽牧場は「詐欺」目的での活動ではないと思っています。しかし、その資金調達(いわゆる「直接金融」)は、誰かその方面の証券関連の人から伝授されたり後押しされてこの手法を編み出したものと見ています。

 実際企業(起業)は上手くいかない事の方が多いので、安愚楽牧場も預託オーナー制度のようなものを行わなければとっくの昔に頓挫していたのであろうと思います。
 でも多額の資金が調達できれば、実現しそうもない事業やハナッカラ嘘っぱちの事業も或ところまでは実現可能ですし、それらが上手く行っていれば経営者も「幻想」を抱いてしまうのかと思います。
 それを続行してしまえば「被害」の拡大につながるのは当然です。でもその「暴走」を止める人がいないのが現状なのです。行政でもやっと消費者庁が後付で動いたとうことがせめてもの救いなのかもしれません。

 だから、安愚楽牧場のオーナー制度というのは、当初は牛と出資金の結びつきがしっかりとした投資商品だったのかもしれませんが、その後は、牛でも馬でもどうてもいい、単なる資金調達の手段になっていたのだと感じています。
 そして、その資金の用途が、本来牛に限っていたのが、関係ない設備投資や従業員の給与そして、ホテルや不動産へと流れていったという勘ぐりをしています。
 最近の投資であれば、金融商品取引法などの網でなんとか引っかかる事が出来たのかもしれませんが、20年以上前からあるものが表上の投資事故もなく来ているのですから、盲点といえるのかもしれません。
 自分もニュースやtwitterや特にお世話になっている「小豆色ブログさん」http://move2600.blog96.fc2.com/ のところへも時々お邪魔して」学びながら、いろいろ情報収集活動をしていきたいと思います。

 同じ境遇のお仲間さんと連携して少しでも被害回復をお祈りいたします。今後ともよろしくお願いいたします。

 


Posted by 管理人C at 2011年10月08日 16:59
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