●ここ1年、当ブログでも逐次お伝えしていますが、地方の「老舗」であるスーパーマーケットがことごとく倒産(民事再生ならまだ期待できるのですが、自己破産へと)という目にあっています。
その理由として、不景気なところの消費の低迷や低価格嗜好などというところに東日本大震災に遭遇するなど、体力の無い中小スーパーマーケットにとっては耐えられない(特に資金繰りが)状況に陥ってしまうからです。
そのような中、今の日本の政治のように、流通業界もこの2つの2大スーパーマーケットグループに集約されつつあります。セブンアンドアイホールディングスは政治の世界で言えば自民党に、イオンは同じく民主党に例えられます。
昔の流通業は、百貨店(デパート)→スーパーマーケット→中小小売商店 というようなかたちで、資本力等や規模が小さくなるという形でしたが、この不況になると低価格嗜好で、デパートに訪れる人は当然少なくなります。
そして、スーパーと小売商店では低価格競争や品揃えなども見ればやはりスーパーの方に軍配が上がります。
したがってそのサイクルが続き、プライベートブランド(自社のブランドで低価格商品をだすこと、イオンでは「トップバリュー」、セブンアンドアイでは「セブンプレミアム」で呼称している商品)の登場が、小売商店から客を奪い、中小小売商店は力尽きて倒産するという結果に至るのです。
セブンアンドアイもこのまま2位に引き下がる玉じゃないので、今後の巻き返しを図ってくることでしょう。
ところで、イオンも牛肉にはかなりの力を入れており特に「黒毛和牛」などのブランドにはうるさいということがイオンのスーパーの肉売り場に行けばそれがよくわかるかと思います。
安愚楽牧場の件について少しでもイオンに気づいてくれれば、民事再生中の全額や半額の弁済は無理だとしてもそれでもかなりの額の弁済は期待ができ、少しは預託農家や和牛オーナーが報われるのかと思います。
ただ、牛を全部イオンがサポートしたとしても実際にいる牛とオーナー出資額に著しく乖離(かいり)があるのであれば、振り向いてはくれないかと思います。
イオン、買収によりセブンアンドアイホールディングスを抜いて業界最大手に
イオン 買収で業界最大手に
10月5日 16時28分
流通大手の「イオン」は、地方の営業基盤を強化するため四国や中国地方で最大手の食品スーパーの「マルナカグループ」を買収することになり、売り上げで業界トップになる見通しとなりました。
イオンは香川県に本社がある「マルナカ」と、同じグループで岡山県に本社がある「山陽マルナカ」の株式のほぼすべてを来月下旬に449億円で取得し、子会社化することで合意したということです。2つのスーパーを展開するマルナカグループは、四国や中国地方で最大手の食品スーパーで、合わせて211店舗を展開しています。イオンは、独自に企画し販売する「プライベートブランド」の商品を供給したり、物流の効率化を図ることなどで、手薄だった四国や中国地方での営業基盤の強化を図る方針です。今回の買収によってイオンのグループ全体の売り上げは5兆4000億円を超え、「セブン&アイ・ホールディングス」を抜いて流通業界で最大手になる見通しです。国内のスーパーは、人口減少による市場の縮小で競争が激しさを増しており、セブン&アイ・ホールディングスが近鉄=近畿日本鉄道の傘下のスーパーに資本参加するなど、地方スーパーを巡る再編の動きが相次いでいます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111005/t10013053571000.html
イオン、「マルナカ」を400―500億円で買収へ=関係筋
2011年 10月 5日 14:26
[東京 5日 ロイター] 小売り大手のイオン(8267.T: 株価, ニュース, レポート)が、四国・中国地方で地場最大手の食品スーパー「マルナカ」(高松市)を買収することが5日、分かった。買収金額は400―500億円で、同日午後に正式発表する。
複数の関係筋がロイターに述べた。イオンは中国・四国での出店が160店舗程度にとどまっており、マルナカ買収で、四国・中国地方を強化し、集中した店舗展開を行いたい考え。
関係筋によると、イオンは「マルナカ」とグループ会社の「山陽マルナカ」(岡山市)のほぼ全株を取得する。マルナカの負債約500億円もイオンが肩代わりする。店舗名は、基本的に「マルナカ」を継続する。
イオンが行った買収のなかで、負債を含む買収総額は、ダイヤモンドシティ(1663億円)に次ぐ規模となる。
マルナカの2010年3月期のグループ売上高は3561億円。マルナカ単体では売上高が2050億円、経常利益が57億円。四国4県と淡路島で約140店舗を展開しており、岡山を中心に兵庫、大阪、広島に出店している系列の山陽マルナカを併せると、グループでは200店舗を越える。
買収により、四国・中国地方のイオングループの店舗は360店舗強に増え、域内の出店数ではトップになるほか、同地域での売上高も第3位から1位に躍り出る。
2011年2月期の連結売上高ではセブン&アイ・ホールディングス(3382.T: 株価, ニュース, レポート)がトップだったが、マルナカグループが加わることもあり、イオンが日本の小売業で売上高トップになる見通し。
イオンの広報担当者は「ノーコメント」としている。
マルナカは、昨年8月、プライベートブランド(PB)商品・電子マネー・物流システムなどでイオンと業務提携を結んでいた。マルナカは1952年設立の老舗で、今年度に創業50周年を迎える。長男で専務の中山明憲氏への社長交代を明らかにするなど、世代交代も進める中で、イオンの傘下に入り、あらたな展開を模索する。
マルナカの株式は、中山芳彦社長が36.5%、マルナカ開発が30.5%、中山喜美代氏が22.6%、中山明憲氏が10.4%を保有している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23491120111005