米ＭＦグローバルが連邦破産法11条の適用申請、影響は収拾可能の見通し〜しかし、顧客の口座に手を付けてしまった穴埋めには相当時間がかかるのでは？

米の大手証券会社が経営悪化のため（借りたお金などを返せない見通しがたったため）、連邦破産法１１条（日本でいう民事再生法）の適用を申請したとのこと。
　これを見る限りでは、２００８年９月に起こった「リーマンブラザーズ証券」の経営破綻（リーマンショック）を思い出させるような出来事ではありますが、記事では「小型で収拾がつく」とのこと。

　しかし、顧客の口座から資金を流出させていることなど、本来やってはいけないこともやっているかのようなため、単に「小型で、なんとかなる」という甘い考えはできないかと思います。

　そして、その影響は世界的に広まり、また新たな「連鎖倒産」が引きおるのが最も怖いことのひとつです。

経済の「大地震」版と同じなので、その余派（津波）は対岸とも言える日本には早かれ遅かれ訪れることと思います。

　ただ、これは、「顧客の口座」に手をつける前に「白旗」を振っていただきたかったです。
どこがこの負債を穴埋めするのか、その行方が気になります。

米ＭＦグローバルが連邦破産法11条の適用申請、影響は収拾可能の見通し〜しかし、顧客の口座に手を付けてしまった穴埋めには相当時間がかかるのでは？
2011年 11月 1日 04:38 

　［ニューヨーク　３１日　ロイター］　米ＭＦグローバル・ホールディングス(MF.N: 株価, 企業情報, レポート)は３１日、ニューヨーク州マンハッタンの裁判所に連邦破産法１１条の適用を申請した。裁判所への提出書類で明らかになった。

　関係筋が明らかにしたところによると、破産法の適用申請は、インタラクティブ・ブローカーズ・グループ(IBKR.O: 株価, 企業情報, レポート)への資産売却をめぐる協議が同日に決裂した後に行われた。

　ＭＦグローバル・ホールディングスともに、ＭＦグローバル・ファイナンスＵＳＡも破産法の適用を申請した。

　ＭＦグローバルの最高経営責任者（ＣＥＯ）を務めるジョン・コーザイン氏は、米ゴールドマン・サックス(GS: 株価, 企業情報, レポート)のＣＥＯやニュージャージー州知事を歴任。ユーロ圏債券への投資に社運を賭けたことが裏目に出た。

　ただ、市場関係者の間ではＭＦグローバルの破産法の適用申請の影響はリーマン・ブラザーズの破たんほど大きくなく、収拾は可能との見方が出ている。

　ＣＲＧパートナーズのリストラアドバイザー、マイケル・エプスタイン氏は「ＭＦグローバルはある意味ではリーマン・ブラザーズの小型版のようなものだ」としている。

　コーザイン氏はリスクの高い自己勘定売買を推進。低金利と欧州ソブリン債への積極投資で痛手を受けた。

　ＭＦグローバルの株価と社債はこのところ急落していた。四半期決算が赤字となったと発表した前週は、株価は３分の１の水準まで下落。社債格付けもジャンク（投機的）等級に引き下げられている。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23924620111031

米ＭＦグローバル、顧客資産流用認める　米紙報道 
2011/11/2 10:03

　10月31日に日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条を申請した米金融大手ＭＦグローバル・ホールディングスが、米当局に対し顧客の口座から資金を流用していたことを認めていたことが１日、わかった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙（電子版）が当局者の話として伝えた。

　顧客資産の流用は違法行為にあたる。当局者によると、ＭＦグローバルは同業のインタラクティブ・ブローカーズ・グループへの身売り交渉で顧客資産の不足を認識したという。顧客資金の行方や流用に関与した人物、流用がどのように広がったかなどの詳細は依然として明らかになっていない。

　当局者はＭＦグローバルの顧客資産の扱いに問題がなかったか、会社の財務状況の悪化に伴って経営幹部が流用に関与したのかなどを判断するためにさらに調査を続ける方針。ＭＦグローバルはウォール紙の取材に対しコメントしなかった。

　ＭＦグローバルの顧客資金が行方不明になっていることに関しては、米ニューヨーク・タイムズ紙（電子版）が10月31日に報じていた。額は数億ドルに上るもようだと伝えている。

（ＮＱＮニューヨーク＝滝口朋史）
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E0E2E3908DE2E0E3E3E0E2E3E39790E0E2E2E2;at=ALL
(日本経済新聞）