2011年11月13日

焼肉酒家えびす集団食中毒:発生半年、補償(任意整理)進まず、特別清算の方向へ、 年内にも「被害者の会」結成

 先週の11月4日の話になります。
 食中毒事故により店舗や会社の運営ができなくなり清算となった、「焼肉酒家えびす」は、その被害者に対しての補償が充分になされない形の可能性が大きくなってきています。
 それは会社の資産をもって、弁済に宛てようとしても、債権者となる人が多くの債権額と被害者への弁済額を合わせた額が資産を大幅に上回る「債務超過」という結果となるからです。

 そこで、焼肉酒家えびすを運営する「フーズ・フォーラス」においては、もう会社の運営をやめるということで、裁判所を通さない方法での倒産処理である「任意整理」という方法で行うことにいたしました。
 しかし、先にも述べたように、金融機関をはじめとする債権者は被害者を優先する債権分配に反対をしめしているため、ここでの、処理は不成立に終わる事となります。

 そうすると次の段階は、「清算型民事再生手続き」という言い方に近いのかと思いますが、「特別清算」(とくべつせいさん)取る方向でいくとのことです。

 しかし、その場合であっても、「特別清算」での計画案(協定案)可決のハードル(債権者数の過半数かつ総債権額の2/3以上の賛成)が高いという事もあるため、そこでの清算手続きは成立しない可能性も充分あります。

 そのため、その場合、それ以降は「破産手続き」となるわけですが、その破産手続きも、金融機関を含む一般債権(この被害者の弁済金も「一般債権」とみなされる事になるため)結局のところ、本来の被害額を全額弁済できるという見通しは全くないことになります。

 そのため、食中毒の被害者において、全く非がないのに、被害弁済が全額なされないのは、当然「たまったものではない」となるので、
 その被害回復を図るために、被害者当事者自身が「被害者の会」(焼肉酒家えびす食中毒被害者の会 など)という名称で被害回復に向けた活動をすることになります。
 
 食中毒の被害者及び被害者の遺族は、その被害の条件は同じであり弁済はどのようなことであっても被害者を中心として公平になされるべきであるから、それなら、同じ目的の者同士が団結して交渉するのが得策なのだから、被害者の活動サークルである、「被害者の会」をつくるという結果となるのです。

 比較的少人数の被害者であれば、被害者自身が中心となって、行なっていく活動で、そこに弁護士が代理人として追随していく形になるのかと思います。
 しかしこの場合死者が5人でも患者が170人ということであれば、被害者主導型の被害者の会より、弁護士が主導となる「被害対策弁護団型」の方が結果的にやりやすいかと思います。

 それ以降を注視していきたいと思います。少しでも被害回復となればと願うばかりです。

 

焼肉酒家えびす集団食中毒:発生半年、補償(任意整理)進まず、特別清算の方向へ、 年内にも「被害者の会」結成


焼き肉店集団食中毒:発生半年、補償進まず 年内にも「被害者の会」結成

 死者5人、患者170人以上を出した焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」をめぐる集団食中毒事件で、遺族や患者家族らが「被害者の会」を年内にも結成する方針を固めた。連携して賠償交渉を行うほか、再発防止に向けて食の安全を高める活動などをする予定。事件は、富山県警などの合同捜査本部が業務上過失致死傷容疑で強制捜査に入って6日で半年になる。だが食中毒の原因となった病原性大腸菌の発生源特定は難しく、捜査は難航している。チェーン店の運営会社も既に解散して治療費などが補償される見通しも立っておらず、被害者の不安は高まっている。

 会結成を目指しているのは、妻と子ども2人が入院した富山県高岡市の建設会社経営、矢嶋真志(まさゆき)さん(32)ら。既に複数の遺族や患者家族と連絡を取っており、県や県弁護士会を通じて他の遺族や患者の参加も呼びかけたいとしている。妻と義母を亡くした男性(48)は「生肉の規制を徹底していなかった国や県にも責任がある。裁判をしてでもそれをはっきりさせたい」と語った。

 捜査本部は、菌の発生源を特定するため、店や納入業者に残っていたユッケ肉を押収。関係者から事情を聴いている。しかし、店のユッケ用マニュアルや納入業者は約2年前から変わっていないのに、なぜ今回だけ食中毒が発生したのか不明のままだ。このメカニズムの解明は責任者の特定に欠かせないが、難航している。

 運営会社のフーズ・フォーラス(金沢市)は7月に解散した。同社の清算人は5億円以上が見込まれる被害者への補償を優先するとし、銀行などに債権放棄を要請しているが厳しい見通しだ。債務超過となる可能性が高く、年明けにも金沢地裁に特別清算を申し立てる方針だ。1000万円近い治療費を抱える遺族男性は「同社から連絡は何もない」と顔を曇らせた。【宮本翔平、大森治幸】

毎日新聞 2011年11月4日 東京朝刊

「えびす」食中毒:補償進まず…年内にも「被害者の会」
生肉食中毒:富山の中2死亡 5人目の犠牲者
食中毒:修学旅行の高校生114人に症状 京都の旅館
生食用牛肉:新基準来月施行 ユッケが高級食になる可能性
焼き肉店集団食中毒:5人目死者 富山の中2が死亡−−入院半年、意識戻らず
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111104ddm041040035000c.html
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