ライブドア株主の損害賠償請求訴訟の控訴審の判決が東京高裁でありました。
ここでの注目すべき点は「賠償の基準となる株価」ということであり、
1審の東京地裁では、200円とう事になり
2審の東京高裁では、増額して550円 という事になりました。
一審では3300人が訴訟に臨み、原告勝訴の判決ではありますが1株200円を基準とした判決。
それに不満は1750人(約半数の原告)が控訴したけど、そのうちの1530人(控訴した中の約87%)が途中で、
和解に臨んで妥協(当然200円よりは多い価格での妥協)、
それでも妥協を許さなかった残りの220人がそのまま判決まで突っ走った結果、なんと判決は1株550円と大きく前進。この価格が控訴審の判決までのこった株主にとっては「ほぼ満額」という事です。
普通株主の投資に関する訴訟はここまで来るとう例は少ないです。
この勝訴となった部分で言えるのは、ライブドアが上場している(つまり細かな証拠が証券取引市場で刻々と刻まれている)ということがポイントだと思います。
これが非公開株・匿名組合などの投資であれば、なかなか資金の流れや株価の価値が決めずらいので、「株価チャートとそれに対応する事件」の組み合わせが訴訟をやりやすくなっているのではないかと思います。
幸い「ライブドア」は清算手続きというところなので気になるところです。かなり重たい賠償ではありますが、220人に12億円をはじめとする賠償が現実に回収できるかどうかが気になります。。
当然判決迄となった人は「年5%の民事法定利息」も別途請求しているのかと思います。
ライブドア株主の損害認定額を増額 株主側「画期的判決」 〜1株基準が200円から550円に増額/東京高裁
2011/11/30 11:02 (2011/11/30 12:35更新)
旧ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件で株価が下落し損害を被ったとして、株主が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。下田文男裁判長はライブドア株1株当たりの損害認定額を一審の200円から550円に増額、総額約11億円の支払いを命じた。
賠償の基準となる1株当たりの損害額が最大の争点だった。一審・東京地裁判決は200円と認定。法人を含む一審原告約3300人のうち、約1750人が控訴したが、約1530人は控訴審で和解、残る約220人が訴訟を続けていた。
下田裁判長は控訴審の判決理由で「粉飾がなければ投資家の見通しは極めて悲観的なものになっていた」と指摘。有価証券報告書の虚偽記載などがなければ、投資家はライブドア株を購入していなかったと判断した。
そのうえで、約53億円という大規模な粉飾の影響を考慮。粉飾発覚後のライブドア株の値下がりはそのほとんどが粉飾によるものと認め、損害認定額を550円に増額した。
一、二審判決によると、ライブドアは2004年9月期の有価証券報告書で架空の売り上げを計上するなどして約53億円を粉飾した。
株主側弁護団は「請求のほぼ全額が認められた画期的判決。粉飾決算に厳しく臨む司法判断が定着していくだろう」と評価した。
LDHの話 判決は承服しがたく、速やかに上告する方針。
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819695E1E2E2E39A8DE1E2E3E3E0E2E3E39191E2E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
ライブドア集団訴訟、12億賠償命令…東京高裁
ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件を巡り、株価の暴落で損害を受けたとして、個人株主226人と法人株主1社が、LDHや堀江貴文・元ライブドア社長(39)(実刑確定)らに計約12億4700万円の損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審で、東京高裁は30日、ほぼ全額の賠償を命じた。
LDH側は上告する方針。
下田文男裁判長は「株の取得前に虚偽記載が明らかになっていれば、原告らは株を取得することはなかった」と述べ、1株当たりの損害を550円と算定した。1審・東京地裁は、株価の下落は、虚偽記載以外の要因も大きかったとして損害額を200円にとどめたが、2審は虚偽記載が株価下落の主原因だと認定した。
2009年5月の1審判決は、個人株主3316人と法人株主24社の原告のほとんどの請求を認め、LDH側に計約76億2800万円の賠償を命じた。1審判決後、原告の大半が和解した。LDHは8月の臨時株主総会で解散を決議し、清算手続きを進めている。
(2011年11月30日12時42分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111130-OYT1T00613.htm
ライブドアに11億円支払い命令=粉飾決算の株主訴訟―東京高裁
2011年11月30日13時6分
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ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件で株価が下落し損害を受けたとして、株主約220人と法人1社がLDHや堀江貴文元社長(39)ら旧経営陣に約12億4700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(下田文男裁判長)は30日、堀江元社長らの不法行為責任を認め、約11億8000万円の支払いを命じた。
株主約3300人と法人24社が提訴し、一審東京地裁は2009年、LDHなどの責任を認め計約76億円の賠償を命令。その後、原告の大半が和解に応じていた。
下田裁判長は、一審が認めなかった一部の旧経営陣の不法行為責任を認め、堀江元社長らに株の取得価格と処分価格との差額全額の支払いを命じた。
LDHなどについては、株価下落分の95%の支払いを命令。賠償額は一審の1株当たり200円から550円に増額された。一審は、下落額の約3分の2は、東京地検の捜索など有価証券報告書の虚偽記載以外の要因によると判断していた。
[時事通信社]
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201111300042.html
ありがとうございます。オリンパスの方が結果的には私も賠償が大きくなるものと思います。上場企業は、それだけ保護されるべきなのかと思います。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1179007636
情報提供ありがとうございました。