2011年12月08日

東京電力:実質国有化へ 資本注入1兆円 政府、改革を主導−−来夏にも

東京電力が国有化となる方向へと向かっているらしいです。
その理由として、東電が自力で再建するのが難しく、弁済が困難となり他からのスポンサーの要素がなければ、当然、法律に基づき、倒産処理(法的な倒産処理)を行わなければならないからです。

 そうなると、東電においては「会社更生法(会社更生手続き)」が最もふさわしい方法となるのかと思います。
しかし、法的な倒産処理となると、それにしたがうのだから、次のような不都合が行われることになります。

 1、被害者への弁済が不十分になる。東電の場合は国が足りない分お金を出すことになるのですが、法的な倒産処理から、スピート感が無くなるので、被害債務の拡大が懸念される。

 2、株主・債権者(特に金融関係)が泣くことになる。株主は泣くのは仕方のないことですが、金融機関は銀行なので、さらなる市民生活に影響がでる。

 そのようなことだから、法的整理状態前に、国の資本注入がやはり望ましいといえます。ただし無条件に資本注入をしてしまえば、東電の経営責任があいまいになるので、国が乗っ取る形、株式を増資して第三者(ここでは国)に割り当て、国の傘下として動くことが最も効率的であるものと考えられます。

 あと東電の考え(原発を再稼働させなければ採算が合わないなど)と国の考えと国民が望んでいることに、ずれが生じているので、それを打開して意思統一(特に国民の多数の意志を優先させるには)するには、東電を国の傘下に入れることもその目的の一つということになります。

 






【経済】

東電実質国有化へ 公的資金注入
    
2011年12月8日 夕刊

 
 政府が、福島第一原発事故に伴う巨額の廃炉費用の負担で東京電力が債務超過に陥るのを防ぐために、東電に一兆円を超す公的資金による資本注入を検討していることが八日、分かった。廃炉には福島第一原発の1〜4号機だけで三兆円が必要との見方があり、資金調達力が低下した東電が事故収束や被害者への賠償を確実に実行するためには、実質的な国有化で経営破綻を防ぐ必要があると判断したためとみられる。
 政府は、事故の賠償金支払いを支援する原子力損害賠償支援機構と東電が来春をめどに共同で作成する総合特別事業計画に、経営改革の柱として公的資本注入を盛り込みたい考え。東電の西沢俊夫社長は八日、本紙の取材に対し、財務基盤強化に向けた公的資本注入は「一つの手だ」と述べ、受け入れる可能性を示唆した。
 資本注入は、来年六月の東電株主総会で株式の発行枠を拡大した上で、新株を支援機構が引き受ける方法を検討中。実現すれば注入額は一兆円を超す規模となり、政府が設立した支援機構が株式の大部分を保有し、東電は実質国有化される。これに伴い、東電の現経営陣は退陣となる可能性がある。
 廃炉費用について、東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告書は、福島第一原発の1〜4号機で一兆千五百億円と試算した。だが、今回の事故は大半の核燃料が溶け落ちるなど試算の参考とした米スリーマイル島事故より深刻。政府関係者は「1〜4号機だけで三兆円が必要になるだろう」と指摘している。5、6号機や福島第二も廃炉となればさらに費用は膨れ上がる。
 東電は二〇一二年三月期の連結決算で純損益が五千七百六十三億円と巨額の赤字となり、純資産も七千八十八億円まで減少する見通し。事故被害の賠償費用として国から九千億円の資金援助を受けているが、原発停止による火力発電の燃料費増などもあり、廃炉費用が確定していくに従って債務超過に陥るのは確実な情勢になっている。
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011120802000193.html?ref=rank
(2011/12/8/東京新聞)

東京電力:実質国有化へ 資本注入1兆円 政府、改革を主導−−来夏にも

 政府は、東京電力に少なくとも総額1兆円規模の公的資本を注入する方向で調整に入った。福島第1原発の事故対応費用の増加などで、13年3月期に東電が債務超過に陥る可能性が高まっているため。来年6月の定時株主総会で新株を発行する枠である株式授権枠の大幅拡大について承認を得た上で、原子力損害賠償支援機構が東電の新株(優先株)を引き受ける形で来夏の実施を目指す。勝俣恒久会長ら東電の現経営陣の大半を退陣させ、東電の一時、実質国有化に踏み切る構えだ。

 野田政権は藤村修官房長官が座長を務める「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで東電の経営形態について議論しており、年明けにも公的資本注入の方針を示す考え。東電側は原発の早期再稼働と電気料金の大幅値上げを強く求めているが、政府は「消費税率引き上げの議論もあり、国民の理解を得るのは容易ではない」と判断。電力の安定供給確保の観点から、東電を法的整理には追い込まず、資本注入をてこに経営改革を主導したい考え。

 東電は12年3月期で約5763億円の最終赤字を見込み、純資産は7088億円と1年前の2分の1以下に減少する見通し。自己資本比率も6%台に低下し資本増強が喫緊の課題だが、格付けの低下で市場からの資金調達は困難と見られる。

 東電は既に、損害賠償の費用として支援機構経由で国から計8900億円の支援を受けているが、使途は賠償費用に限られている。今後膨らむ除染費用や事故炉の廃炉費用の規模が判明していく過程で債務超過に陥るのは確実と見られている。

 廃炉を巡っては、内閣府原子力委員会の部会が7日に工程を盛り込んだ報告書を策定。具体額は未確定だが、政府の第三者委員会の試算では1〜4号機で1兆1510億円が必要とされ、5〜6号機を加えればさらに経費がかさむ。政府が今春に作成した財務試算資料によると資本注入の額は最大で2兆円。政府関係者は「現在の財務状況では最低で1兆円は必要」と話す。

 資本注入は、東電が発行する優先株を支援機構が引き受ける形で実施する。東電の発行可能な株式の総数が18億株なのに対し、現在の発行済み株式は約16億株。このため、優先株発行には株主総会で株式授権枠を拡大するための定款変更が必要になる。

 発行する優先株には議決権を有する普通株への転換権を付与する方向で、全体の株式数が増える分、既存株主が保有する株式の価値は低下する可能性が高い。

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 ■解説

 ◇「東電解体」にらむ
 政府が東京電力に公的資本を注入する狙いは、同社の経営改革を国が主導し、発送電分離や原発の国有化などエネルギー政策の抜本的な見直し作業を強力に推進するためだ。資本注入に加え、勝俣恒久会長ら現経営陣に代わる新しい経営者を外部から登用する方向で人選する意向で、東電の経営権を国が掌握することを狙う。

 東電は3月の福島第1原発事故以降、極めて厳しい経営状態が続く。電力の安定供給や確実な賠償の履行、市場の混乱回避などを優先するため、政府の原子力損害賠償支援機構が「実質的に経営を維持」(経済産業省幹部)してきたのが実情だ。

 それでも東電経営陣はあくまで自力再建を目指すが、今後は数兆円に達するとされる廃炉や除染の費用が重くのしかかってくる。東電は資産売却や人件費カットなどのリストラ策に加えて、電気料金の大幅な値上げと新潟・柏崎刈羽原発の再稼働で利益を捻出したい考えだが、枝野幸男経産相は料金値上げや再稼働に慎重姿勢を崩していない。

 値上げや原発再稼働がなければ営業損失を解消することはできず、東電内にも「資本注入は避けられない」との声がある。金融機関にも資本注入による経営の下支えに期待する動きがある。

 東電の経営形態を巡っては「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで、原子力部門を切り離して賠償支払いの主体となる清算会社として別会社化する案や、東電を持ち株会社に「原子力」「発電」「送電」の子会社を配置する分割案などが取りざたされている。東電はこうした事実上の「解体案」に強く抵抗しており、年明け以降は経営形態の見直しを巡って政府側との激しい綱引きが予想される。【斉藤信宏、三沢耕平、永井大介】

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 ■ことば

 ◇優先株
 株主総会での議決権が制限される代わりに、普通株に比べて配当利回りや解散時の財産配分などで優先される株式。発行する企業にはコストがかかるが、高配当のため投資家に買ってもらいやすく、自己資本充実のための有効な手段となる。普通株への転換権を付与するケースが多い。バブル経済崩壊後に大手銀行が公的資本注入を受けた際にも用いられた。

毎日新聞 2011年12月8日 東京朝刊

東電:実質国有化へ 政府、公的資本1兆円注入
東電:西沢社長、合理化断行の考え示す インタビューで
東京電力:「火力」新設見送り…方針固める
東京電力:「火力」新設見送り 共同出資施設は売却も
サッカー:仙台レディース始動 休部の東電マリーゼ移管
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111208ddm001020045000c.html
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posted by 管理人B at 17:28| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 2011年03月11日東北地方太平洋沿岸大震災情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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