オリンパスの責任の所在がどこにあるかということについて、取締役責任調査委員会は、前会長ら旧経営陣に対してその責任があり損害賠償請求をすべきという結果が出ました。
会社(現経営陣)は旧経営陣に対し損害賠償請求を起こすことになるのですが、現社長自身も責任があるという見方となり、社長自身がどう金銭的な賠償に応じるのかが一つの見どころになるのかもしれません。
結局損失隠しで、株主が大きく損害を被っているので、ライブドア訴訟のような具体的な株価との連動した損失をどう裁判所が判断するかも気になるところです。
オリンパス損失隠し:旧経営陣を賠償提訴へ 調査委が提起〜現社長の責任の取り方も注目
オリンパスの菊川剛前会長=竹地広憲撮影
オリンパスの損失隠し問題をめぐり、弁護士らでつくる「取締役責任調査委員会」が7日、菊川剛前会長ら旧経営陣に対して、損害賠償請求すべきだとする調査結果をまとめたことがわかった。請求対象は菊川氏のほか、山田秀雄前監査役、森久志前副社長ら数人に上り、請求金額は数十億円程度になる見通し。高山修一社長ら現役の取締役も一定の責任を指摘されているとみられ、関係者によると、高山社長は月内にも辞任する意向を固めた。
オリンパス側は8日に委員会から調査報告を受けた上で、旧経営陣に対して損害賠償を求めて東京地裁に提訴する見通しだ。
オリンパスに対してはこれまで、国内の個人株主が取締役や監査役ら約50人に計1494億円の損害賠償を請求するよう求めている。会社法の規定で8日までに会社側が賠償を請求しなかった場合、個人株主が裁判所に株主代表訴訟を起こせる仕組みになっている。このため会社側は賠償を請求することにした。
関係者によると、委員会は、損失隠しを主導した菊川氏らについては、不正を実行して誠実な会社経営をしなかった善管注意義務違反があったと認定。国内外4社の買収をめぐって約1400億円の資金を損失隠しのために不正に運用したことで本来オリンパスが負担する必要のなかったファンド運営費用など数百億円の損害が生じたと判断した。このうち、合理的に支払いが可能かどうかなどを考慮し、数十億円程度が実際に請求されることになりそうだという。
オリンパス側は監査役会で正式に賠償請求の方針を決め、責任追及の姿勢を明確化することで、再生に弾みをつけたい考えだ。
また、今回の調査では、高山社長ら現役の取締役など数人も一定の責任を認定されたとみられる。高山社長は3〜4月に臨時株主総会を開き、経営陣を一新する意向を示していたが、月内にも辞任する見通しとなった。【竹地広憲】
毎日新聞 2012年1月8日 2時30分
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http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120108k0000m040107000c.html