野尻眼鏡工業とノジリ（福井県）が自己破産申請へ 高級品販売が不振〜低価格なメガネ店進出も追い打ちか。

街の中でメガネ屋さんをよく見かけますが、値段をよくみると一つで3000円、5000円、7000円と格安の看板を掲げているところを多くみられます。その値段もメガネ一式ということですから、フレームやレンズもついてのその価格です。非常に安い値段です。
　さて福井県でメガネのチタンフレーム枠を製造しているという大手の「野尻眼鏡工業」が先の2月10日に自己破産申請の準備にとりかかったということです。

　やはり敗因は低価格嗜好と逆行していたことが原因で高級品の眼鏡はその傾向から遠ざかっていたという結論にいたるかと思います。

野尻眼鏡工業とノジリ（福井県）が自己破産申請へ　高級品販売が不振〜低価格なメガネ店進出も追い打ちか。

　自己破産申請の準備　野尻眼鏡工業とノジリ
    
2012年2月12日

 
　帝国データバンク福井支店によると、県内大手の眼鏡枠メーカーの野尻眼鏡工業（鯖江市鳥羽町、福永邦男社長、資本金９８００万円）と、同社の関連会社のノジリ（同、同、資本金２０００万円）が、自己破産申請の準備に入った。同支店は負債総額は調査中としている。
　野尻眼鏡工業は１９４７（昭和２２）年に創業。鯖江産地のメタルフレームメーカーの大手で、金を使った高級フレームの製造技術に定評があった。
　業界に先駆けて中国に進出し、チタンフレームの製造を開始。大手眼鏡業者の相手先ブランドによる生産（ＯＥＭ）を中心に、ピーク時の９７年１２月期には４３億９９００万円の売上高があった。
　しかし、近年は金無垢（むく）フレームなどの高級品の販売不振に、金相場の高騰が追い打ちを掛けて収益が悪化。中国での中級品の生産や人員削減で立て直しを図ったものの受注が安定せず、中国進出に伴う借入金などが資金繰りを圧迫し、先行きの見通しも立たないことから、事業継続を断念したらしい。
　一方のノジリは１９９５年に野尻眼鏡工業の販売部門として設立され、２００４年１２月期には１１億９１００万円の売上高があったが、連鎖的に行き詰まったとみられる。　（北原愛）
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20120212/CK2012021202000103.html
(2012/2/12/中日新聞）

野尻眼鏡工業が自己破産申請へ　高級品販売が不振
（2012年2月11日午前9時26分）
　帝国データバンク福井支店によると、眼鏡枠製造の野尻眼鏡工業（鯖江市鳥羽町、福永邦男社長）が１０日、自己破産申請の準備に入った。負債総額は調査中としている。

　同社は１９４７年に創業し、メタルフレームを主体に金無垢（むく）や金張りなどの高級フレームを得意とした県内大手。業界に先駆けて中国進出を果たしチタンフレームの製造を開始したほか、相手先ブランドによる生産（ＯＥＭ）を手掛け、ピーク時の９７年１２月期には年売上高約４４億円を計上した。

　しかし近年は景気の低迷から高級品の売り上げが落ち込み、さらに中国進出に伴う多額の投資が財務面の弱体化を招いた。一時、中国で中級品の生産に注力、人員削減なども行い業績は回復したが、今期に入り再び受注が低迷。資金繰りが厳しく、先行きに好転の見通しが立たないことから、自力での再建を断念したとみられる。

　また、同社の販売部門であるノジリ（本社同、同社長）も自己破産申請の準備に入ったとみられる。

　野尻眼鏡工業の玄関には同日、破産手続き開始の申し立ての手続きに入るとした弁護士による張り紙が張られ、関係者らが確認に訪れていた。

【福井の経済ニュース】
≫合同開発が自己破産を申請　負債総額２８億円（１月２０日）
≫福井のＩＴ企業、３割が受注減少　昨年調査、スマホに注力へ（１月１８日）
≫県内企業「景気改善」４３％　１２年見通し、本社調査（１月１１日）
≫県内倒産２年連続１００件下回る　負債総額も３年連続減少（１２月２９日）
≫原発停止で「売り上げ減」９６％　嶺南１６８社調査、業種幅広く（１２月６日）
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/economics/33013.html
(2012/2/11/福井新聞）