2012年02月27日

金融庁、信託銀も調査へ AIJ年金消失問題、管理責任見極め〜「嘘」の運営で損失が著しく大きい。

AIJ投資顧問は、「投資顧問会社」という部類に入る会社で、投資に関してあれこれ指示をしたりすることが仕事です。
そこで、今回のAIJ投資顧問の行っていたことは、「年金」の運用となります。

 ご存じの方も多いかと思いますが、年金は国民が入らなければならない義務のもので、ある一定年齢(65歳など)を過ぎれば、定期的に支給され、基本的に本人が死亡するまで支給されます(配偶者や18歳未満の子息等がいる場合は引き継ぎ継続されます)。この基本的なものが「国民年金」といわれるものでこれがビルの建物でいうと1階に相当する部分です。
 そして、それだけだと支給が多い人でも70万(月に6万円〜7万円)という形なので、もう少し多く支給するために、その上の階層である(ビルの2階部分に相当する)ものが「厚生年金」「共済年金」と言われるもので前者の場合は企業に適用され、後者は公務員や学校法人などの公的な機関に従事する人の上乗せ年金に相当します。

 そしてさらに「上乗せ」のものがあり、それがビルの建物でいえば3階に相当しますが、これが、「厚生年金基金」などと言われるものであり、「厚生年金」が公的機関(日本年金機構)が運用するものでありましたが、その層(「厚生年金基金」)になると民間の金融機関が運用することが許されております。それは、主に銀行や信託銀行などがおこなっていましたが、最近の規制緩和で「投資顧問会社」が関わることができるようになりました。

 今回問題となったのは、その「年金の3階建て部分」と言われる「厚生年金基金」の部分です。
以前は当ブログで「九州石油厚生年金基金」が大きな損失を出したことでそれを取りあつかっていたりそなグループに対して損害賠償請求訴訟(民事裁判)が発生した事をとりあげたことがあります(2011年1月)

今回の問題について、詳細な部分はここでまだわからないのですが、企業から「年金」となる資金を「信託銀行」が受託(受付窓口)となって、その資金を投資顧問会社が投資の指南(もしくは運用)をするというのがオーソドックスな形です。
 そうなると、資金をどのような形で運用して、その結果どうなったかという報告を信託銀行なりにしていきます。そして、投資してくだた企業に対して報告をしていきます。
 
 その報告が「デタラメ」なのではないか、ということでそれを監督する「証券取引等監視委員会」が調査を始めたということです。正直なところ、この「運用方法」が実際と異なるものであっても「儲かって利益が出ていれば」利益を還元すればいいだけのことになりますので(本当はいけないことですが)このような問題は発生しなかったのかと思いますが、大きく損失を下上にしかもその運用が「嘘」であるから「大問題」に発展しているということです。


 ある質問で、最近経営破綻した「安愚楽牧場」とこの「AIJ投資顧問」の詐欺性(犯罪性)が類似しているのにどうして、捜査機関や公的機関の動きに違い(「AIJ投資顧問」は早いのに「安愚楽牧場」はのらりくらり)があるのかという話が持ち上がっています。
 その違いは、「法律の枠組み」の違いとなります。
 AIJ投資顧問の場合は「金融商品取引法」という枠組みに規制されており、それに明らかに違反やその可能性が高いということであり、監督官庁も金融庁と監視体制がしっかりしているから当然何かあった時には動きが早いのが当然です。
 しかし、「安愚楽牧場」の方は監督体制のある「金融商品取引法」の枠組みではなく、「預託法」という別のもの(弱いといわれる監督体制)に縛られてるということだけなので、何か不測の事態があっても(金額的には大きな金額でも)その結末(倒産)があることも想定しているため、外観だけで直ちに違法性をしてきすることや検査に取り掛かることが難しくなっているため、こういった「公的機関」の動きに早い遅いの違いがあるということになります。
 もちろん安愚楽牧場に関してはこれだけ法律に縛りがいまいちというところもあるため、「裏の人脈」が入り込む余地は十分にあります。でもその「裏の人脈」はあるところまで「しゃぶりつくしてしまった」後は「あとはよろしくね!」でそこ(「安愚楽牧場」)をさっさとあとかたもなく(証拠を残さないように)去ってしまうのが定石ともいえます。
 ですから法律の枠組みの規制が緩やかなものに関しては「しゃぶりつくす」人物が寄ってたかる可能性が充分にあることを認識してください。
 http://re-plus.seesaa.net/article/253764539.html#comment

 


金融庁、信託銀も調査へ AIJ年金消失問題、管理責任見極め〜「嘘」の運営で損失が著しく大きい。


AIJ問題:監視委、金商法違反の疑いで調査


AIJ投資顧問の入るビル=東京都中央区で、山本晋撮影
 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都)の年金消失問題で、同社が顧客に繰り返しうその運用報告書を提出していた疑いが強いとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反(虚偽の運用報告書の交付)などの疑いで本格的な調査を始めたことが26日、分かった。同法違反には刑事罰が規定されており、不透明な資産運用の実態解明を進める。

 関係者によると、AIJは金融派生商品を扱った「安定収益の確保」をうたい、中小企業の企業年金を中心に運用資産を受託。集めた資金は租税回避地の英領ケイマン諸島に登記された「私募投資信託」に流れていたことが分かった。

 金商法では投資顧問会社に半年に1度、定期的に資産の運用報告書を顧客に開示し報告することを義務づけており、報告書には▽主要な売買銘柄▽運用実績▽損益▽資産・負債の状況−−などを記載する。しかし、AIJはケイマン諸島の私募投資信託を扱った正確な運用成績や実態について、顧客に情報開示していないという。

 私募投資信託は特定投資家に販売する金融商品で、運用コストが低く金融派生商品の売買をしやすいメリットがあるとされる半面、私的信託のため秘匿性が高く、本来開示されるべき情報が閉ざされているとも言われる。

 AIJ幹部は監視委の検査に「数年前からうその報告書をつくっていた」などと証言。資産運用の実態を意図的に不透明にしたまま安定した収益を上げているように数字を偽った疑いがあるという。

 AIJは関東財務局に対しても同様にうその事業報告書を毎年提出。これについても監視委は同法違反(虚偽の事業報告書の提出)となる疑いがあるとして調べる方針。

毎日新聞 2012年2月27日 2時31分

【第一報】AIJ投資顧問:企業年金2千億円消失…123社分の大半
<AIJ企業年金消失>金融派生商品、運用失敗か 日経オプション、高リスク「売り」駆使
<AIJ企業年金消失>資金の大半、小規模年金 50億円未満 高リスク傾斜要因か
【AIJ企業年金消失】業務停止命令 企業年金、揺らぐ信頼 設立以来、検査受けず 「高収益」が発覚の端緒に
<AIJ企業年金消失>どれだけ影響あるか…委託企業に戸惑い
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120227k0000m040113000c.html




金融庁、信託銀も調査へ AIJ問題、管理責任見極め

 AIJ投資顧問(東京都中央区)が企業などの年金基金から運用を任された資産約2100億円の大半を消失させた問題で、金融庁は、運用に携わっていた信託銀行の調査に乗り出す。AIJとの取引実態を把握して信託銀に管理責任があるかどうかを明らかにし、再発防止策も検討する。

 投資顧問会社の多くは、信託銀を介して年金資産を運用する。お金の決済など複雑な手続きを任せられるからだ。信託銀は、投資顧問会社に指示された通りに株や債券などを購入し、決済などを行う。

 各年金基金は利用する信託銀を選べるため、約120の基金が契約していたAIJの場合、大手信託銀の多くが運用に携わった。各信託銀はAIJの指示で、英領ケイマン諸島のファンドが出す私募投資信託(少数の人向けの投信)を買ったとみられる。海外に移されたお金はさらに香港の欧州系大手銀行に渡った後、消失している。

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http://www.asahi.com/business/update/0227/TKY201202260470.html
(2012/2/27asahi.com)




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posted by 管理人B at 14:28| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 先日、「AIJ問題」というのが表沙汰になりましたね。 これは、人を欺き、お金を奪うという許せない事件です。 「AIJ問題」について詳しく書かれた記事はこちら(社会サークルリプラス情報収集組合) 考..
Weblog: 節約術、投資術、稼ぐ技術
Tracked: 2012-03-07 14:22
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