「生活保護」とは、憲法で保障された「人間として最低限の生活を保障する」という社会権(生存権)の要請に応じて、あるオーソドックスな制度です。
怪我・病気やその他の止むを得ない事情で、収入が無い場合は、国の保護を受けられる制度です。
そういう人たちにとっては大変ありがたい重要な制度です。
受給資格は、大変厳しい制約もありますが、いい方は不謹慎かもしれませんが、それをクリアすると、月にして、約12万円の支給があると言われています。
これはどのようなことなのかというと,下記の計算式のように解析できます。
12万円÷20日/月÷8h/日=750円/h
この式の計算結果から、月12万円の収入は1か月あたり20日間働いて、1日の労働時間は8時間とすると、1時間当たりは750円の時給に相当するということです。
つまり、東京以外でのコンビニやファーストフードで、よく「スタッフ募集!」で見られる求人の時給750円に相当します。(東京だと最低賃金時給に引っかかる金額かと思いますので、この時給表示はないかと思います。)
1日8時間一生懸命働いて20日間行った場合の給料に相当します。
さらにその収入の労働者においては、税金や年金・社会保険(フルタイムの労働者は、企業側折半のになります。)
などを差し引けば、その手取りはもっと少なくなりますが、同じくらいの収入をもらっている生活保護受給者にとっては、それらの費用がかからないので、ざっくり収入の2/3が手取りと考えていますので、750円÷2/3=実質上1125円/時 をもらっている人と同じような収入に相当します。
つまり月収に換算すると月18万円の収入に相当します。これは、
1125円の時給の労働者が1日8時間で月20日の労働に相当する収入ですので、
生活保護の支給がいかに、恵まれているかということが分かるかと思います。
ここ数年でその生活保護の受給者は急増しています。
2008年のリーマンショックから、派遣切りに追われてその後の収入も途絶えてしまっている人も少なくありません。
しかし、生活保護の不正受給者も多くなりそういったことが、市区町村や国の財政を圧迫しているのも事実です。
だから国としても、この件をなんとかしていかなくてはならないのも事実です。
でもだからと言って、「人間としての最低限の生活」を逸脱させるような行為を国(地方自治体)を強制させてはいけません。人間は食事をすることはもちろん、病気をしたら病院に行くこと、結婚して子供を出産することなど当然の権利は保障されていなくてはなりません。
こういう事が多々発生するのは、国の政治のあり方をもう一度見直して考え直さなければなりません。
宇治市が生活保護申請で誓約書 妊娠・異性同居なら打ち切り〜政治をあり方を見直さなければ。
京都府宇治市が生活保護の申請者に対し、母子世帯には異性と生活することを禁じたり、妊娠出産した場合は生活保護打ち切りを強いる誓約書に、署名させていたことが、12日分かった。市は不適切な内容であることを認め、関係者に謝罪するとした。生活保護制度に詳しい弁護士は「生活の自己決定権に不当に踏み込んでおり、人間らしい生活を奪う人権侵害」と批判している。
■私生活に踏み込む
市によると、誓約書は3月、相談にきた女性に対し、生活支援課の30代の男性ケースワーカーが署名を要求した。約束を守れないと保護打ち切りの判断を担当者に一任するとの趣旨で、「生活保護費削減のため、子供の養育費を獲得することを誓います」などと私生活に踏み込んだ約束を強いる内容。
再支給や治療費について「認められない」との誤った説明を確認させたり、市が相談記録を他機関に提出することを強いているほか、外国籍の人らに「日本語を話せないのは自己責任。日本語が分からないから仕事が見つからないなどの言い逃れは認められない」との偏見のある記載もある。
市によると、誓約書は男性ケースワーカーが個人的に作成し、署名させたケースは少なくとも今年2件確認できたという。
「反貧困ネットワーク京都」事務局長の舟木浩弁護士は「行政が保護廃止をちらつかせて脅し、生存権を侵害するひどい内容。生活保護の利用者を厄介者と決めつける蔑視がある」と話している。
生活保護法の実施要領には「申請権の侵害を疑われるような行為は慎むこと」と定められている。
西村公男宇治市生活支援課長は「不適切な内容で、誓約書に効力はない。関係者に謝罪するとともに、職員には人権尊重と市民の気持ちに配慮した業務徹底を指導したい」と話している。
【 2012年03月13日 08時44分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120313000014(2012/3/13/京都新聞)
posted by 管理人B at 14:03| 東京 ☀|
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宇治市職員のことはちょっとはやりすぎかもしれないが、国民感情としては宇治市職員に拍手の人が多いだろう。
札幌在住の佐藤某という女性は生活保護受給中にばんばん子どもを作って生活保護をたくさん受給している。
多くの国民が安い給料で働いている中、生活保護受給者だけリッチな生活はしてはいけないと思う。
コメントありがとうございます。
生活保護も本当に困っている人のためにあるべきなのですが、今その実態もそうではない人が受給されている事も聞きます。
時給制のアルバイトで一生懸命働いている人もいるのにその部分はとても気がかりです。
ありがとうございました