2012年03月22日

障害者団体凛の会発起人に逆転無罪 村木さん無罪の郵便不正事件 大阪高裁〜裁判は真実を追及するところではない、これが大原則

郵便不正事件において、当の自称となっている障害者団体の元幹部に対して大阪高裁で逆転無罪が言い渡されました。
この件について当然、色々な報道がなされていますが、

 報道会社の考え方により色々と表現の仕方が違っています。

 例えば日本経済新聞・朝日新聞では、大阪高裁の無罪判決でも、河野克史「被告」・「自称」障害者団体 と記載。
    MSN産経ニュースでは、河野克史「被告」(記事中に「河野さん」とも記載)・障害者団体と記載。
    NHKでは、河野克史さん・「自称・」障害者団体 と一歩被告人の人権を考慮しての記載。

 このような形になっています。実際どの表記でも「間違い」は無いのですが、検察がこの判決を不服として上告すれば、まだ「被告」としての地位は存在するし、「被告」という表現自体は、実際に訴訟の対象になっているという意味であって、有罪を受けた人間ではなく、「無罪」と推定されているわけですから、「被告」という表現がまだ妥当なのではないかと思います。
この障害者団体が「自称」なのか「自称ではないか」という事も表現が難しいのですが、公的に認められた団体なら、「自称」を使う事は許されませんが、実際に活動していて公的にまだ認められていないことなら「自称」を使っても構わないのかとおもいます。しかしそれでも「実態」がある程度整っていたら活動が貧弱であったとしても「自称」は避けるべきです。


 また今回の判決(東京高裁)の判決では、どういった事が評価されるべきかというと、
「推定無罪」及び「疑わしきは被告人の利益に」という有名な判例(昭和38年の最高裁の白鳥決定)を励行したものと考えられます。
 裁判と検察の根本的な考え方や役割は見て当然違いますが、一歩突っ込んで考えると次の通りになります。

 検察は法曹3者(裁判・検察・弁護人)の中で唯一「真実の追及」をすることを目的としてます。
 一方裁判は、「真実の追及」ではなく、検察の主張が「正しい」のか「正しくない」のかという事に目を見張るという役割です。
 そして弁護人も当然、被告人の利益を守るものなので、仮に犯罪を犯したと知っていても、「嘘」は勿論いけませんが、被告人を不利にするような行為は許されません。

 したがって、今回の結果からは、もしかしたら被告人はクロ(罪を犯した)なのかもしれませんが、検察の主張や立証方法に問題があるため、その方法を肯定することができず、それを取り除いてしまうと、結果的には「証拠がない」ということが結論といえます。

 実際には、クロなのかシロなのかの真実はわかりません。しかし、検察の「証拠収集」自体に間違えがあれば、それは正義に反するため、「無罪」を言い渡すのが当然となるべきです。



 


障害者団体凛の会発起人に逆転無罪 村木さん無罪の郵便不正事件 大阪高裁〜裁判は真実を追及するところではない、これが大原則


郵便不正事件、団体元幹部に逆転無罪 大阪高裁 
「自白誘導の可能性」と指摘
2012/3/22 12:19

 郵便料金不正事件で有印公文書偽造などの罪に問われた自称障害者団体「凜(りん)の会」元幹部、河野克史被告(71)の控訴審判決で、大阪高裁(的場純男裁判長)は22日、「(一審が認めた)共謀関係は認められない」として、虚偽有印公文書作成・同行使罪で有罪とした一審判決を破棄し、無罪(求刑懲役1年6月、執行猶予3年)を言い渡した。

 的場裁判長は判決理由で、河野被告が一審段階で起訴内容を大筋で認めていたことについて、「取り調べを受けた検察官から『身柄拘束が長引くかどうかは態度次第』と言われ、自白を誘導された可能性がある」と指摘した。

 2010年5月の大阪地裁判決は、河野被告が04年、上村勉・元厚生労働省係長(42)=有罪確定=らに働き掛け、実体のない凜の会を正規の障害者団体と認める偽の内容の証明書を作成したと認定。「自白」の信用性も認め、執行猶予付きの有罪判決を言い渡していた。

 河野被告は、ともに起訴された村木厚子・元同省局長(56)の無罪確定後、一転して無罪を主張。検察側は控訴審で、起訴内容から元局長との共謀部分を除いた形で「訴因変更」を求め、同高裁が認めていた。

 的場裁判長は「被告と上村元係長は接点が少なく、発行される証明書が内容虚偽だとの認識を共有していたとするには合理的な疑いが残る」と指摘。共謀の成立を否定した。

 今年1月に大阪地裁で言い渡された上村元係長の判決では、文書偽造は元係長の単独犯行と認定されていた。

 判決後に記者会見した河野被告は「検察は善良な国民を安心して生活させるのが本来の役目。基本を改めて考えて取り組んでもらいたい」と注文を付けた。

 大阪地検特捜部が手掛けた同事件では、起訴された4人のうち村木元局長ら3人が無罪となり、上村元係長だけ有罪が確定した。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819A91E0E0E2E39E8DE0E0E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195583008122009000000
(2012/3/22/日本経済新聞)


凛の会元幹部に逆転無罪 「犯罪の証明ない」 郵便不正
2012年3月22日

 大阪地検特捜部が手がけた郵便不正事件で、有印公文書偽造・同行使の罪に問われた自称障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)元幹部の河野克史(ただし)被告(71)の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。的場純男裁判長は「犯罪の証明がない」と判断。懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)とした一審・大阪地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 河野被告は厚生労働省元局長の村木厚子氏(無罪確定)らと共謀、2004年に厚労省から発行された偽の証明書で郵便割引制度の適用を受けたとして虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴された。検察側は10年12月に起訴内容から村木氏が関与したとする部分を削り、証明書の作成権限がなかった同省元係長(有罪確定)と不正行為をしたとする有印公文書偽造・同行使罪に変更していた。

 検察側は「被告は凛の会の会員名簿の名義を水増しし、団体に実体がないことを認識しながら元係長に証明書の発行を働きかけた」と主張した。これに対し、判決は「被告は凛の会が郵便割引制度の適用を受ける要件を満たさず、証明書も偽物と認識していた」とする一方、偽証明書を作った元係長とは厚労省近くの喫茶店で会った程度で接点が少なく、元係長と共謀して証明書を偽造したとは認められない、と述べた。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201203220059.html
(2012/3/22/asahi.com)


厚労省文書偽造事件 逆転無罪判決
3月22日 12時44分


厚生労働省の元局長、村木厚子さんが無罪になった郵便の割引制度を巡る事件で、証明書を偽造した罪に問われた団体の元幹部に、大阪高等裁判所は、「検察に自白を誘導された可能性があり、事件への関与は認められない」として、1審とは逆に無罪を言い渡しました。

無罪判決を受けたのは、自称・障害者団体「凛の会」の元幹部、河野克史さん(71)です。
障害者向けの郵便割引制度を適用するためのうその証明書の作成を厚生労働省側に依頼したとして起訴され、1審で執行猶予の付いた有罪判決を受けました。
その後、元局長の村木さんの無罪が確定したのを受けて、検察は、証明書を偽造した罪で有罪が確定した上村勉元係長の共犯として起訴内容を変更し、被告は控訴して無罪を主張していました。
22日の判決で、大阪高等裁判所の的場純男裁判長は、「被告は、事件を捜査した大阪地検特捜部の検察官によって自白を誘導された可能性がある。上村元係長が証明書を偽造するとまで被告が理解していたかについての証拠はなく、共謀は認められない」として、1審とは逆に無罪を言い渡しました。
この事件では4人が起訴されましたが、村木さんをはじめ3人に無罪が言い渡される異例の結果となりました。
判決のあと記者会見した河野さんは、「捜査段階では、検事から追及されて、責任を感じて『自分が依頼した』と言ってしまったが、検察には、捜査の基本線を取り戻してほしい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120322/k10013891311000.html
(2012/3/22/NHKニュース)


団体発起人に逆転無罪=偽証明書「故意、共謀ない」−大阪高裁
 郵便不正をめぐる厚生労働省の偽証明書事件で、有印公文書偽造罪などに問われた自称障害者団体「凛(りん)の会」発起人河野克史被告(71)の控訴審判決で、大阪高裁の的場純男裁判長は22日、「故意や共謀は認定できない」として、懲役1年6月、執行猶予3年とした一審大阪地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。
 事件では厚労省元局長ら4人が起訴されたが、偽証明書を作成したとして有罪判決が確定した同省元係長(42)を除く3人が全て無罪(2人は確定)とされた。
 河野被告は一審で起訴内容を認めたが、控訴審では「元係長らと共謀しておらず、証明書は真正と認識していた」と無罪主張に転じた。
 的場裁判長は、同被告が正規の証明書の交付を受けるためさまざまな手続きを踏んでいたと指摘。「被告に元係長が虚偽の証明書を作ったという認識があったとするには合理的疑いがある」と述べた。(2012/03/22-12:05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&rel=j7&k=2012032200054
(2012/3/22/jijiドットコム)




障害者団体発起人に逆転無罪 村木さん無罪の郵便不正事件 大阪高裁
2012.3.22 11:56

大阪高裁での逆転無罪判決を受け、記者会見する「凛の会」元会員の河野克史被告=22日午前、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

 厚生労働省元局長、村木厚子さん(56)が無罪となった郵便不正事件で、有印公文書偽造・同行使罪に問われた障害者団体「凛の会」発起人、河野克史(ただし)被告(71)の控訴審判決公判が22日、大阪高裁で開かれた。的場純男裁判長は「有罪が確定した厚労省元係長と被告との間に共謀は認められない」と述べ、虚偽有印公文書作成・同行使罪で懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)とした1審大阪地裁判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。

 河野さんは村木さんや厚労省元係長(42)=有罪確定、失職=らの共犯として虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた1審で、当初は起訴内容を認め、平成22年5月に有罪判決を受けた。ところが控訴後に村木さんの無罪が確定し、検察側は村木さんの関与を除いた有印公文書偽造・同行使罪に訴因変更、改めて1審判決通り懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡すよう求めていた。

 的場裁判長は判決理由で「被告に凛の会が障害者団体ではないとの認識はあった」と認める一方、証明書を偽造した故意については「元係長に凛の会の活動実績などの資料が提出されておらず、元係長が実体がないと知った上で発行してくれると認識していたかは疑問が残る」と判断した。

 その上で元係長との共謀については「被告と元係長の間で、虚偽の証明書の認識を共有したことを示す証拠がない」と認定し、無罪を言い渡した。

 弁護側は「取り調べの際に検事に自白を強要された」とも主張。的場裁判長は「偽造の故意などは取調官に誘導されやすい」と認め、捜査段階の供述調書の信用性を否定した。

 訴因変更後の起訴内容は、河野さんは元係長と共謀し、平成16年、凛の会が障害者団体ではないと認識しながら、厚労省に偽の証明書を発行させるなどしたとしている。

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新潮社に支払い命じる 郵便不正事件で石井一議員の名誉毀損 東京地裁
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120322/trl12032211570001-n1.htm
(2012/3/22/MSN産経ニュース)






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posted by 管理人B at 14:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 検察事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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