従業員の「雇用」は民法や労働法などで守られており、民法などで不十分なので労働法がつけ加わっているという形になっています。その他それに関連して労働者派遣法などこういったものもあり、日本は労働者の権利を保護していることでは世界でも稀な部分なのかと思います。
従業員の人件費は会社にとって大きな経費を占めます。ですからむだな人件費は削っていかなければなりません。
でも、だからといって簡単に切っていては、それに遭遇した従業員はたまったものではありません。
従業員も生活があるし、会社に貢献してきた人も多いかと思います。
でもそれでも時と場合によっては、従業員の解雇を実施しなければなりません。それは、まず会社が破産(事業を清算すること)した時、当然会社が無いわけですから、従業員も雇えないのは当然です。
それから、会社が経営危機に瀕した時です。
今回日本航空が解雇した行為は「整理解雇」といわれるもので、
「普通解雇」の中の一つとなっています。
だから解雇するにはそれなりの理由や「正当な手続き」を踏んでいかなければなりません。
その有名な判例が「整理解雇の四要件」(せいりかいこのよんようけん)
というものです。
2、解雇回避努力義務の履行〜他の不動産を整理したとか、採算性の合わない中小型の旅客機などを処分したとか、従業員の手当や役員報酬を減らしたとか
3、被解雇者選定の合理性〜定年が近い人を早く退職させる、解雇してもその人自身に最も影響がないと明らかな人を選んでいるなど。
4、手続の妥当性〜つまりいきなり「やめろ」じゃなく、経営が悪化しているので「早期退職を募集しま〜す!」とか、任意の退職勧奨(君にはまだ「全日空」とか「スカイマークエアライン」や最近できたLLCの「ピーチ●●」とかもチャレンジするなどして、やめることも考えた方がいいんじゃないかなぁ〜。)
だからそれに反する判決は(今回の東京地裁の判決はそれを元に判断しているのだろうと思います。)無効となります。
従業員を大切にしない経営者はやはり発展しないと確信しています。
2012年3月29日
経営破綻(はたん)して会社更生手続き中だった日本航空から整理解雇されたパイロット76人が、解雇の無効確認を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。渡辺弘裁判長は「人員削減は更生計画の内容として必要で、目標人数の設定も合理的だった」として、解雇を有効と判断し、原告の請求を棄却した。
http://www.asahi.com/job/news/TKY201203290317.html
(2012/3/29/朝日新聞)
2012.3.29 16:25
日本航空が会社更生手続き中に実施した整理解雇は無効として、元機長17人と元副操縦士59人の計76人が同社を相手に、雇用継続の確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁(渡辺弘裁判長)は29日、解雇を有効と判断、請求を棄却した。更生手続き中の整理解雇をめぐる司法判断は初めて。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120329/trl12032916250016-n1.htm
(2012/3/29/MNS産経ニュース)
整理解雇の4要件
一般的に、企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性が認められる場合は、もちろんであるが、そのような状態に至らないまでも、企業が客観的に高度の経営危機下にある場合、人員整理の必要性は認められる傾向にある。
人員整理は基本的に、労働者に特段の責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされるものであることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとするものが多いが、判例によっては、企業の合理的運営上やむを得ない必要性があれば足りるとして、経営裁量を広く認めるものもある。
2 解雇回避努力義務の履行 期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求される。
役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされ、整理解雇に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。
この場合の経営努力をどの程度まで求めるかで、若干、判例の傾向は分かれる。
3 被解雇者選定の合理性 まず人選基準が合理的であり、あわせて、具体的人選も合理的かつ公平でなければならない。
4 手続の妥当性 整理解雇に当たって、手続の妥当性が非常に重視されている。
説明・協議、納得を得るための手順を踏んでいない整理解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされるケースも多い。
http://labor.tank.jp/kaiko_etc/seirikaiko.html
(2012/3/29/労務安全情報センターのHPより参照)
従業員数 大変ですね。ホンダさんを 思い出します。