2013年03月23日

佐藤賢治元社長の懲役10年確定(最高裁判所)へ 平成電電詐欺事件〜今後の類似の安愚楽牧場は被害者の努力によりけり


 平成電電(へいせいでんでん)は、かつて平成の始まった頃から営業していた通信事業者(いわゆる「新電電」と言われる第一種電気通信事業者(その後「登録電気通信事業者という名称に変更」。るまり電話会社)だったのですが、経営不振により、平成17年(2005年10月)に倒産(民事再生法の適用申請)をいたしました。その後も「民事再生手続き」ということで約8カ月間の営業を継続したのですが、平成18年(2006年4月)に事業の継続が困難になり、破産(破産手続き開始決定)に至りました。
 また、平成電電は昭和62年(つまり平成元年の2年前)の「通信の自由化」といわれる「電気通信事業法」の施行の頃にして生まれた「新電電」(NCCとか言われれる)電話会社です。この「電気通信事業法」という法律が出来るまでは、勝手にというか通信事業を民間で設立することはできない事になっていたため、当時の日本で電話会社といったら日本電信電話公社(昭和62年から日本電信電話株式会社つまり「NTT」)と国際電話では国際電信電話株式会社(その後同様の新電電の第二電電株式会社と合併して現在のKDDI)の2つしか公式には存在がみとめられませんでした。いわゆる独占市場というものです。

 同様にして昭和62年には日本専売公社が日本たばこ産業株式会社(JT)にそして、日本国有鉄道が会社分割もして、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)など他10社という、いわゆる「昭和」最後の制度改革という状況となり、その後「平成」というより高い「自由競争」の時代へと突入したのがこの頃の特徴です。

 その中で、平成電電という会社は、どのような成長を遂げてここまで来たかというと、当初始まった頃は、今回有罪が確定した佐藤賢治平成電電元代表と創業当時の「平成電電」という会社は関係が無く、全く赤の他人が創業運営していたということです。佐藤賢治元代表は吸収合併まで何をしていたかというと、道路建設で得意の準大手ゼネコン「前田建設工業」を離職して、個人輸入やネットワークビジネス絡みの、「ネットワーク」という会社を設立し、その後「トライネット」という名前でインターネットのプロバイダを運営し、名前も「トライネットインターナショナル」という名前となったという話です。当時のインターネットプロバイダは「第二種電気通信事業」と呼ばれ、第一種電気通信事業(伝送を伴う電気通信事業つまり電話会社)ほどの厳格な会社ではなくも、電気通信事業の一画をなすというものです。
 その後事業が成功し、その当時別の他人が運営していた「平成電電」が休眠状態となっていたため、その当時のインターネットプロバイダ「トライネットインターナショナル」の代表を勤める佐藤賢治が、平成電電を吸収合併し、その名前を「平成電電」に改めて変更したというところで、新生「平成電電」がスタートしたことになります。

 そして、それまで、NTT以外の新電電を利用するときは最初に事業者番号を入力することになっていたのですが、新電電の企業らは、「なんでNTTだけが事業者番号を入力しないでできなきゃならないんだ」という抗議が当然のごとくはっせいしたため、「マイライン」という制度を設けて、よく利用する電話については、識別番号を入れないで電話がかけられるというサービスを開始することになりました。それが「平成電電」の飛躍(?)のきっかけになったものです。

 「マイライン」というのは制度的には、市外局番の前に「0080」(平成電電の場合)「0088」(日本テレコムの場合)などを押して、利用したい事業者を選択する制度なのですが、技術的には、家から電話をかけたら家の電話とNTTの局舎(交換器のあるところ)を通って、さらにその大きな伝送路線(光ファイバ)などを通るのですが、その大きな伝送路だけが「新電電」の所有で、そのNTTと新電電の継ぎ目に「マイライン交換機器」をかます(間に入れる)ことによって音声通話がその新電電の光ファイバを通り、相手の電話へもその逆で新電電光ファイバからNTTの局舎と銅線(メタル)の電話線をとおって各家庭へとつなげます。利用者の利点はかつてすべて電電公社(NTT)を利用していた時はすべて銅線(メタル線)のNTTの路線を通らなければならず、例えば東京-福岡を3分話して800円だったものが、新電電を利用する事により380円の料金になるという画期てきなものでした。逆にNTTの方が独占状態だっため、低コストで大きな利益を得ることができていたというのが不思議な時代だったのかもしれません。そのマイラインというのは都道府県あるいは市区町村にあるNTTの分岐のところに1個設置すればよく「マイライン」という事業は新電電にとってぼろ儲けの事業でもありました。

 その後電話も付加価値情報通信網(ISDN)というサービス)も開始し、音声などをデジタル化して、一つの電話回線で2つのチャンネル(2つは全く別の音声電話ができる)というサービスがはじまりました。NTTのサービスで、フレッツISDNというインターネットを固定料金で24時間利用できるサービスもその後にはじまり、徐々にインターネットが利用しやすい環境となってきました。
 さらにADSLという、従来の電話回線(メタル回線)を利用して、ISDNより大容量のデータ通信(インターネット)を利用するサービスが新たにはじまりました。その技術というのは、「マイライン」と同じような技術であり、「マイライン」が都道府県の各局舎にモデム(交換機)を設置していたのに対し、ADSLは各家庭の利用電話1個に対して1個最寄りのNTTの交換機局舎に設置して利用するという通信サービスです。
  

 「音声」通信は容量が小さく、「データ通信」は容量が大きいのが現状です。例えて言うなら「音声」は大きな土管(直径3M〜これが各家庭の電話線と例えます)のなかに一人の男性が立ち小便をするようなものです。また「データ通信」その土管に10人の男性がお尻を一斉に出して一斉にアダルトビデオのように大便を垂らすというようなもので、たとえは少々えげつなくて申し訳ございませんが、この表現通りのものが、音声とデータ通信の情報量というものです。

 そこで、その「マイライン」と「ADSL」の技術の延長に目をつけたのが平成電電の佐藤賢治であって、今まではNTTの回線を経て、マイライン交換を経て平成電電の光ファイバをとおっていたのを、最初から最後まで直接平成電電の電話サービスにしてしまおうというのが、直収線事業(平成電電の商品名では「chokka」:チョッカ)と呼ばれるものでした。これによりNTTのサービスと平成電電の両方のサービスを利用してたのが、この「chokka」(直収線事業)のサービスにより平成電電だけの電話サービスが可能ということになるのです。しかし、家庭から最寄りの局舎までは平成電電のサービスとなっていてもNTTから平成電電が電話線を借り受けるという仕組みとなっていて、実際にはサービスシステムが替わるというものだけです。これは、「ADSL」と同様の仕組みであることが前者からもわかるかと思いますが、直収線(chokka)はその一歩家庭側に踏み込んだサービスになります。「ADSL」と同じような技術で「音声」通話ができるサービス、これは大きな発明ともいわれています。それを先駆けたのが平成電電ということなのですが、他の通信事業者もだまっているわけにはいかず、次々と参入しだしました。

 そこで問題になったのは、かつてのマイラインのサービスが市区町村レベルで1個必要なことに対して、直収線(chokka)が各家庭の電話に対する1個なので、マイラインと同じものを同じ市区町村では1000個位用意しなければならなくなるということです。当然費用はマイラインの1000倍かかると考えていいかと思います。非常にコストのかかる事業ですが、このシェアが拡大すれば、採算は取れるということになります。NTTやKDDIは既設の電話サービスの応用でもあり容易なのではありますが平成電電においては、その資本も全くないため、その資金捻出に銀行借り入れを試みたものの「当然ダメ」だったため、佐藤賢治当時の代表は、資金調達の人脈確保のため竹村文利 氏を当時の富士銀行から引っ張り出し、当の被告人である熊本徳夫 元取締役(山一証券〜破産やプルデンシャルジブラルタ生命保険会社グループ関連の経歴)を側近につけ、大胆な資金調達を実施しました。それが今回の焦点となった「平成電電匿名組合」という、直接一般人から資金を調達するという「直接金融」を行いました。この匿名組合の資金調達の

用途は「直収線事業の交換機」を購入するためという内容です。この募集を始めたのが平成15年頃、年8%の利息の支払い元金は償還日に返還のものであまり大がかりには行っていませんでした。しかし、その募集を重ねてくることに、資金調達量は増えていくものの、契約数などの伸びが今一つで事業の継続に躊躇をしていました。そこで、同様の事業者であるソフトバンクの孫正義氏にその旨(事業提携や事業譲渡など)を相談したところ、断られ(破断)ただけではなく、平成電電の経営戦略もソフトバンクが子会社の日本テレコムで「おとくライン」(CMはタモリを起用)という直収線事業を展開したため。佐藤賢治は、それに怒りを示し訴訟とヤケクソの経営に乗り出しました。ちょうどその時期を境に年10%の元金と利息を一緒に返金するという仕組みにかわりました。平成成15年(2004年)11月の10回目の募集からになります。
 さらにCMもバンバン打ち出し、どのような経緯なのかは定かではありませんが「『匿名』組合」という事に文字付け「『特命』係長只野仁」を当時演じていた、タレントの高橋克典をCM起用しました。テレビCMは勿論のこと、新聞広告(読売、朝日、日本経済)にも大々的に掲載し、大がかりなキャンペーンを展開していきましたがその資金は、匿名組合で集めた資金の流用であり、その後の翌年の募集からは新規の交換機を購入するはずが、前述の用途だけでなく、従業員の給与にも使用されました。結果的にそのつじつまも合わせられなくなった平成17年(2005年)10月に倒産(民事再生法の適用申請)へと至りました。

 その当時は容易に一般の市民に対して、資金調達の募集を行うことが可能でしたが、この事件を契機に「金融商品取引法」というものが制定するきっかけとなり、かつてあった「証券取引法」を改訂して広範囲に適用できるようになりこれを実施するのに届出や業者登録も必要となりました。

 一見この話は、佐藤賢治元代表取締役及び熊本徳夫元代表取締役・坂上好治元取締役が刑務所に行くことでそれが終わりになるようなこととなってしまうのですが、平成電電は倒産時に一心同体となっていた企業のドリームテクノロジーズ株式会社(現在も上場中のトライアイズで当時は佐藤賢治代表がこの会社の会長の職に)に資産を移動し、負債を平成電電に取り込んだという実情もあるため、現在でも5年に渡る損害賠償請求訴訟(第一審)が継続されています。

 この事件を刑事事件の土俵に上げるにはやはり被害者が個々でも集団でも警察や検察へ相談でも被害届でも告訴状でも常にこまめに足を運ぶ事がやはり大切です。
そのためには出資者(被害者)が集まり「サークル」をつくること。これが最も大切な事です。集まる場所は1次会は居酒屋でもいい(大人数で駅前で集まれます。お酒はの

まないでジュースやご飯物で盛り上がって下さい。)、カラオケ店でもいい(防音機能が充実していて秘密謀議に最適です。但しカメラのようなものも仕掛けられているところがあるので、飲食の持ち込みはバレます。ちゃんとカラオケ店で注文してね。)。
 「力なきものがスクラムを組んで戦う」ことは、「ラクダが針の穴を通る」ような奇跡を生み出すことも可能です。しかし、それさえやらなければこういった件は闇に葬られるだけです。

 今別の観点で、類似した事件で「安愚楽牧場」の事件がありますが、被害回復や刑事事件に必要なのは、被害者(出資者)がサークルをつくり活動すること。この件なのか

もしれません。「海江田万里」民主党代表を訴えるのもわるくはありませんが、本筋は東電や国家なによりも首謀者とその関係者を民事の法廷に引っ張り出し、さらに首謀者とその関連者を刑事事件の土俵に持ち込むことです。

 
佐藤賢治元社長の懲役10年確定(最高裁判所)へ 平成電電詐欺事件〜今後の類似の安愚楽牧場は被害者の努力によりけり


元社長の懲役10年確定へ 平成電電詐欺事件 
2013/3/23 2:14

 最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は22日までに、通信機器の購入に充てると偽り、投資家から計3億6千万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた通信ベンチャー

、平成電電(破綻)の元社長、佐藤賢治被告(61)の上告を棄却する決定をした。懲役10年とした一、二審判決が確定する。21日付。

 一、二審判決によると、被告は2005年、関連会社の元社長(60)=懲役6年確定=らと共謀。虚偽の説明で投資を募り、30人から計3億6千万円をだまし取った。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO53124950T20C13A3CC1000/
(2013/3/23/共同通信 日本経済新聞)


元社長の懲役10年確定へ=平成電電詐欺−最高裁
 通信機器への投資名目で出資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた「平成電電」(破産)元社長佐藤賢治被告(61)について、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は21日付で、被告側の上告を棄却する決定をした。懲役10年とした一、二審判決が確定する。
 事件では、協力会社の元社長や元取締役も起訴され、実刑が確定している。
 一、二審判決によると、佐藤被告は協力会社元社長らと共謀し、2005年8月、虚偽の内容を記したパンフレットを送付し、出資者から計3億6000万円を詐取した。

(2013/03/22-17:44)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013032200773
(2013/3/22/時事通信)


平成電電詐欺、2被告の実刑確定へ 
2013/3/1 0:22

 通信ベンチャー「平成電電」(破産)の出資金詐欺事件で、詐欺罪に問われた関連会社の元社長、熊本徳夫被告(60)と元取締役、坂上好治被告(54)の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は28日までに、被告側の上告を棄却する決定をした。熊本被告を懲役6年、坂上被告を懲役3年とした一、二審の実刑判決が確定する。決定は26日付。

 一、二審判決によると、2人は2005年8月、経営が苦境に陥っていた平成電電の資金繰りに充てるつもりだったのに、投資家らに「通信設備の購入に出資すれば高利の配当を得られる」などと虚偽の説明をし、30人から計3億6千万円をだまし取った。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2804C_Y3A220C1CC1000/
(2013/3/1/日本経済新聞)


この記事へのコメント
いつもお世話になっております。

内容のことではありません。

・3行目 「るまり電話会社」
・最後のほうの文章途中での改行 2箇所

また、この記事も「あぐら物語日記」に引用させてください。
いつも、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
Posted by roko at 2013年03月24日 14:11
いつも詳細な情報提供ありがとうございます。
私は平成電電匿名組合と安愚楽牧場に出資しました。平成電電については被害者関係者のご努力によりここまでくることができて本当に感謝しています。安愚楽牧場は債権者集会に出席したもののこれといった先がみえていません。警察も検察も本当にうごいているのかわかりません。東電への賠償や国家賠償も本当に実現できるのかわかりません。とても不安です。どうすればいいのでしょうか。
Posted by 安愚楽牧場・平成電電出資者 at 2013年03月24日 19:05
roko 様

 いつも当ブログをご自愛くださりありがとうございます。
 ご指摘の方ありがとうございます。後日あらためて訂正に取り掛かりたく思います。

 本件について、よろしければ、「あぐら物語日記」様の記載材料でご活用下さい。

 安愚楽牧場の倒産劇からもう1年半が経ちましたが、この事件は本件の平成電電事件の約3.5倍の大きな事件でもあり営業年数も長期に渡っていますので、すぐに「本丸」の損害賠償請求訴訟や刑事事件もすんなりとはいかないかと思います。
 それでも継続されていればきっと何かの解決策にこぎつけるかと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
Posted by 管理人C at 2013年03月25日 02:52
安愚楽牧場・平成電電出資者 様


 はじめまして、コメントいただきありがとうございます。お名前タイトルから、安愚楽牧場と平成電電(どういった商品にご出資されたのかわかりませんが)の出資者(被害者)ということで、いろいろなご心労やご苦労ご察しします。

 「どうしたらよいか?」と一言でいわれても、なかなか端的にご説明するのがむずかしくすみません。
 
 ただ、本件の「平成電電」と今、破産手続きが進行中の「安愚楽牧場」を比較されてみてください。そして、平成電電にあるもので、安愚楽牧場に何が無いのか?という事を一つ一つ見ていただければ、その「安愚楽牧場」が足りない部分を今後強化していけばよろしいのではないのでしょうか。よろしくお願いします。
Posted by 管理人C at 2013年03月25日 02:59
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