2013年05月30日

岡本ホテル組織的詐欺事件、元オーナー大東正博被告に懲役18年 東京地裁判決〜最初からいい加減な投資スキームで倒産すれば許されるということだったのかもしれない。

「岡本ホテル」を舞台にした会員制温泉リゾートクラブ「岡本倶楽部」(オカモトクラブ)の組織的詐欺事件で首謀者が懲役18年の判決を言い渡されたということです。

 この事件をザックリと概要を見てみると、この「岡本倶楽部」は経営難であった老舗旅館の「岡本ホテル」を支援するためのに設立されたもので、その運営目的は「資金調達」ということに他なりません。

 岡本ホテルが経営困難になると、銀行からは、「もうお金は貸せませんよ、なんとか利益をだせるような体制にしてください、またそうでないと今後の融資も困難なだけではなく、今お貸ししているお金も返済してもらいますよ。」
 とそんな文言を取引銀行の融資担当者から言われたのかもしれません(というよりは、こういう事をいうのが普通です)

 すると岡本ホテルの経営者は、本来なら「リストラ策」を検討し、設備や資産の売却は日々お金を食いつくしていると思われるものを解約したりして、なんとか資金の流出を防ごうとします。それでもだめな場合今度は「従業員」に手をつけます。
それが、「希望退職」であったり「退職勧奨」「指名解雇」「整理解雇」などとなるわけですが、その過程で自称「ホワイトナイト」のような人物が「岡本ホテル」に近づいたわけです。それが今回有罪判決を食らった元暴力団組員の大東正博被告(61)です。
 大東被告(大東被告人)は、「銀行の融資ができないのなら私が資金はもちろん、事業内容の見直しまでもなんとかしましょう。」と持ちかけてきたのでしょう。藁をもつかむ気持ちである「岡本ホテル」の社長は、なんらかの形でOKをしたので、現在のこういった状況にいたっているのかと思います。

 そして、大東被告には頭の中に「岡本ホテル」の再建スキームというのがある程度あって、それが、村上ファンドやライブドア堀江貴文氏などの「投資ファンド」による運営方法ということです。

 つまり、「岡本ホテル」を資金及び事業を支援する企画体として「岡本倶楽部」をつくったわけです。その「岡本倶楽部」はとりあえずお金を集める(運転資金)を実施しなくては、岡本ホテルが死んでしまいます。そこで具体的な策として、「魅力的な投資商品」を設計しました。
 その内容は、100万円出せば、岡本ホテルに泊る権利がもらえる(5年間で60万円分の宿泊券)そして、5年後には出資した100万円に加え年6%分の配当が付くというものです。
 あと事業内容も、いままでの老舗旅館体制から、観光大衆ホテルのような路線に切り替え事業の方も「魅力」を見せる転換ということでした。

 しかし、実際には、「資金集め」で魅力を見せているサービス内容に過ぎず、どう考えてみても「経営に無理」があるようにしかみえません。しかもその資金はホテルの運営にあまりつかわれず、ホテルの客は採算の取れないような会員が来る限りで、結局のところ、「資金集め」に利用されるものだけとなりました。
 
 よく投資詐欺や倒産事件で焦点となるのが、経営者の事業の「見通し」です。経営者がサービスを展開するとき「倒産させよう」と思って行う人はいません。少々経営に無理があっても、別のところで補填したり、従業員を少なく配置したりして、採算が少々合わないようでも「将来の成功」を思いこんで、経営を続ける人もいます。あくまでもそれは「自称」成功の可能性であって、第3者から見れば、こんなの成功するどころか失敗して大借金をするだけだ、と多くから評されることも当然あります。
でも本人にとっては「成功させよう、なんとかなる」と信じ切ってやるわけですから、その点で「詐欺」と断定するのは難しいところです。

 しかし、今回の件は、倒産の経緯をたどってみると、当初は資金調達と事業改革をしていたもののその少し先から資金調達したものを事業にはあまり使用されていませんでした。それに単に私的流用にしか使用しておらず、その実態はどうみても「詐欺そのもの」としか裁判官の目には映らなかったため、これは単なる詐欺ではなく、組織自体が最初から「詐欺」の目的でつくられたものなので、組織犯罪処罰法(組織的詐欺)という罰則を用いたことになります。

 金だけ集めて、「事業はがんばったんだけど駄目でした。もうお金は使ってしまってありません。」と最初は、言いたかったのでしょう。倒産すれば、免除される、そんなことはありません。






岡本ホテル組織的詐欺事件、元オーナー大東正博被告に懲役18年 東京地裁判決〜最初からいい加減な投資スキームで倒産すれば許されるということだったのかもしれない。






岡本ホテル事件、元オーナーに懲役18年 東京地裁判決

 【伊木緑】静岡県熱海市の老舗ホテル「岡本ホテル」などの会員権名目で金をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた岡本ホテルグループ元オーナー・大東(おおひがし)正博被告(61)=神戸市中央区=の判決が30日、東京地裁であった。若園敦雄裁判長は「高齢者らの心情をもてあそんだ」などとして、懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 判決によると、大東被告は、グループのリゾート施設の会員権を販売する会社「オー・エム・シー(OMC)」の実質オーナー。OMCが大幅な債務超過にあったのに、2009年9月〜10年5月、「5年後に返還する」などとうそを言って、会員ら延べ194人から、預託金や施設利用料の名目などで計約5億5千万円をだまし取った。

 若園裁判長は「被害者の多くは高齢者。なけなしの預貯金を解約するなどして温泉を楽しむことを期待していたのに、心情をもてあそばれた揚げ句、老後の蓄えを失った悲しみ、痛みは大きい」と指摘した。

 弁護側は「預かったお金は返済するつもりだった」と無罪を主張していた。

 被害者弁護団によると、刑事事件として立件されていない被害も多く、被害者総数は約7800人、被害総額は約260億円に達するという。弁護団は、大東被告や、詐欺に関わりながら起訴されなかった従業員らを相手とする民事訴訟を東京地裁などで起こし、被害の回復を目指している。
http://www.asahi.com/national/update/0530/TKY201305300129.html
(2013/5/30/朝日新聞)




岡本ホテル事件、実質オーナーに懲役18年 東京地裁判決 
2013/5/30 11:28

 会員制温泉リゾートクラブ「岡本倶楽部」の預託金名目で約5億6千万円をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた岡本ホテルグループの実質的オーナー、大東正博被告(61)の判決公判が30日、東京地裁であった。若園敦雄裁判長は懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 大東被告は公判で「預託金は返還するつもりだった」と無罪を主張したが、判決で若園裁判長は「岡本倶楽部の事業計画自体に無理があり、被告は預託金返還が困難だと認識していた」として詐欺の故意を認定した。

 そのうえで「岡本ホテルの知名度を利用して組織的犯行に及んだ。被害額は甚大で、預託金を食い物にした被告の責任は重い」と述べた。

 判決によると、大東被告はグループ会社の元社長らと共謀し、2009年9月〜10年5月、「5年後には預託金を全額返還する」などと嘘をつき、岡本倶楽部の会員延べ194人から計約5億6千万円をだまし取った。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG30014_Q3A530C1CC0000/
(2013/5/30/日本経済新聞)


2013年 5月 30日 10:32 JST 更新
実質オーナーに懲役18年=岡本倶楽部詐欺−東京地裁

 静岡県熱海市などで温泉ホテルを展開していた会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の会員らから5億円超をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪に問われた運営会社の実質オーナー大東正博被告(61)の判決が30日、東京地裁であり、若園敦雄裁判長は懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。弁護側は無罪を主張していた。

 検察側は論告で、大東被告が会員らから集めた金を流用し、「ぜいたくざんまいの生活を送っていた」と批判。一部を暴力団のフロント企業に提供したと指摘した。弁護側は「新規事業に成功すれば返還できるはずだった」などと述べ、だます意図はなかったと主張していた。 

[時事通信社]
http://jp.wsj.com/article/JJ12526146619579744625919821238773961217521.html
(2013/5/30/ウォールストリートジャーナル)


岡本倶楽部詐欺、実質オーナーに懲役18年判決



 熱海の老舗ホテルなどの会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の実質的オーナーが高齢者らから5億6000万円をだまし取った罪に問われた裁判で、東京地裁は懲役18年の判決を言い渡しました。

 「岡本倶楽部」の実質的オーナーで元暴力団組員の大東正博被告(61)は、「会員になり保証金を預ければ、利益が得られる」などとうその説明をして、およそ200人から5億6000万円をだまし取った組織的詐欺の罪に問われました。

 東京地裁は判決で、「被告人は事業計画に無理があり、保証金などを返還できないと認識していた」と指摘、「だまし取った金で贅沢の限りをつくしていて反省も見られない」として、懲役18年の判決を言い渡しました。(30日11:18)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5345123.html
(2013/5/30/TBS-news i)


ページ更新時間:2013年05月30日(木) 12時59分

■ 岡本倶楽部詐欺、実質オーナーに懲役18年判決

 熱海の老舗ホテルなどの会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の実質的オーナーが高齢者らから5億6000万円をだまし取った罪に問われた裁判で、東京地裁は懲役18年の判決を言い渡しました。 

 「岡本倶楽部」の実質的オーナーで元暴力団組員の大東正博被告(61)は、「会員になり保証金を預ければ、利益が得られる」などとうその説明をして、およそ200人から5億6000万円をだまし取った組織的詐欺の罪に問われました。

 東京地裁は判決で、「被告人は事業計画に無理があり、保証金などを返還できないと認識していた」と指摘、「だまし取った金で贅沢の限りをつくしていて反省も見られない」として、懲役18年の判決を言い渡しました。(30日11:18)
http://www.mbs.jp/news/jnn_5345123_zen.shtml
(2013/5/30/毎日放送)







月給5000万の営業マンも! 巨額詐欺「岡本ホテル」オーナーはホリエモンに憧れた
2011.2.19 12:00 (1/4ページ)[疑惑の濁流]
 月給は縦に置いても倒れないほどの分厚い5千万円の札束−。静岡・熱海の老舗「岡本ホテル」グループを舞台とした預託金ビジネスは、約8千人が200億円以上をだまし取られたとされる巨額詐欺事件に発展した。警視庁に逮捕された元オーナーの指定暴力団山口組系元組員、大東(おおひがし)正博容疑者(59)はその裏で、営業トップに多額の月給を現金で与えて競争心をあおり、勧誘を続けさせた。倒れぬ札束とは対照的に、大東容疑者らは初めから事業が破綻することを認識していたとみられる。(伊藤弘一郎、大泉晋之助)

すし店で現ナマ、ボーナスにブランドバッグ

 毎月10日に支払われるグループ社員の給料。ホテルの従業員には口座振り込みで支給されるが、巨額詐欺事件の舞台となった会員制温泉クラブ「岡本倶楽部」の会員を勧誘する営業担当者にとっては、喜びと緊張が入り交じる日となる。

 営業担当者は時にすし店、時に焼肉店に全員が呼び出され、大東容疑者ら幹部とともに食事をした。その最中、各営業担当者の眼前には次々と札束が置かれていく。“現生”で給料が支給されていたのだ。

 金額の多寡にかかわらず、札束は縦にして置かれる。数千万円を稼ぎ出していたというトップクラスの給料はテーブルの上に立つが、成績が芳しくなければ札束は薄くて立たない。営業担当者は、成績の差をまざまざと見せつけられた。

 ホテル関係者によると、会員から集めた金は最盛期で月8億円にも及んだ。営業担当者の給料は、その月に自身がとりまとめた契約総額の7〜8%程度で、月に3千〜5千万円を手にした担当者もいたとされる。

加えて営業トップには、大東容疑者のポケットマネーから、エルメスやルイヴィトンといった高級ブランドのバッグがプレゼントされることもあったという。

 「従業員は休みなく働いて、微々たる月給しかもらっていなかった。『それに引き換え…』と憤りを覚えた」

 給料日に同席したことがあるホテル側の元責任者は、こう振り返った。

村上ファンド、ホリエモンが参考

 平成17年4月からの5年間で、約8千人から200億円以上を集めたとされる預託金システム。大東容疑者の手元には貸付金名目で約40億円が渡り、多くは大東容疑者のプライベートに使われていったとされる。

 大東容疑者の側近の岡本倶楽部運営会社元社長、山脇一晃容疑者(56)も約10億円を得ていたと証言するホテル関係者もいる。また、数億円が指定暴力団山口組傘下の組織に送金されていた。

 容疑者ばかりが肥え太り、被害者が泣きをみるこのシステムはどのように作られたのか。

 大東容疑者が岡本ホテルにかかわるようになったのは、12年ごろ。数十億円の負債を抱えたホテルの資金調達役として名乗りを上げ、15年ごろには経営に参画するようになった。

 低迷が続く老舗ホテルを方向転換させ、安価なカニの食べ放題や、お色気たっぷりの温泉コンパニオンサービスを始める大衆路線に打って出た。しかし、業績は改善しなかった。

「やつら、やりよるな」

 低迷の中、大東容疑者は、村上ファンドやライブドアのマネーゲームに心を奪われていた。預託金ビジネスを始める直前の16〜17年ごろのことだ。

 投資ファンドに可能性を感じた大東容疑者はすぐに次の一手を打った。以前から繋がりがあり、訪問販売の経験もあった山脇容疑者の手腕に着目、側近として招き入れた。自身が夢中になった投資ファンドの手法を参考に、山脇容疑者に集金システムを考案させた。

 こうして出来上がったのが、100万〜1千万円を預けると約1〜2割を除いた残額が5年後には預託金として返還され、さらにホテルに宿泊できるポイントも使用しない場合は一定割合で買い取る−という預託金ビジネスだった。

マンション、クルーザー、高級車…

 17年4月の預託金ビジネス開始後、会員は面白いように増えた。100万円から入会できるという最低ラインの設定がその妙だった。

 「100万円なら少しの無理で支払える。しかも元本保証されるなら、と思わず入会した」(被害者の男性)

 預託金ビジネスが成立しないことを初めから認識していた大東容疑者は、日々集まる金の私物化を始めていた。熱海だけで少なくとも3件のマンションを購入し、交際相手を住まわせていた。ほかにも、約6千万円の高級クルーザー、フェラーリやポルシェなどの高級車、多数のブランドバッグを購入し、交際相手にプレゼントしていたという。

 ホテルの従業員は「大東さんも初めは『ホテルでもうけるぞ』と頑張っていた。でも預託金でもうかることが分かると経営に見向きもしなくなり、ホテルは詐欺の“仕掛け”でしかなくなった」と語る。

無料の客で満員

 どんどん巨大化する預託金ビジネス。詐欺行為は大東容疑者らに富をもたらしたが、ホテルの経営悪化は加速した。

 元本保証をうたった上、出資に伴うポイントを利用すれば無料でホテルに宿泊できるというこのシステム。ポイントを使って無料で宿泊する会員が殺到した。連休ともなれば会員でほぼ満室になることもあったという。

 「ポイントという名の偽札を詐欺行為の中で発行していただけのこと。ホテルの収入につながる宿泊料を払ってくれる一般客を優先するため、会員には『満室です』と予約を断ることもあった」

 こう証言するホテル関係者もいる。会員から集めた金の一部がホテルの経営に補填(ほてん)されることもあったというが、焼け石に水。転落は止まらなかった。

 今も経営が続く静岡県熱海市の岡本ホテル。大東容疑者らが逮捕された翌日の8日も、少ないながら宿泊客がいた。食い物にされた老舗ホテルに残る従業員は「経営が破綻した今、残務整理に負われるばかりの日々。閉めるタイミングをはかっている」とつぶやいた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110219/crm11021912000007-n4.htm
(2011/2/19/MSN産経新聞)

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posted by 管理人B at 15:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資詐欺事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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